『秋の俳句』 ベスト30!【保存版】

秋の紅葉

俳句の魅力を挙げるとキリがありませんが、そのうちの一つが「17文字」ではないでしょうか。

たしかに短歌の31文字にも魅力がありますが、俳句は半分ほどの文字数でも負けてはいません。そして、この 17文字が絶妙な空間を創り上げています。

鑑賞する際には、その字数の長短をさほど意識しませんが、つくる場合には差があるのではないでしょうか。短歌は少し練らないと31文字におさめるのに苦労しますが、俳句の方が気楽に取り組めるように私は感じています。

このページには、秋のイメージを持った「秋の俳句」を集めてみました。秋の句には「名句」といわれるものも数多くあるので、有名な俳句も多く選んであります。これらから秋を味わうことにしましょう。

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目次

秋の俳句について

和室から眺めた真っ赤な紅葉

  • 並んでいる順番は、俳句の文字の五十音順です。
  • 「字足らず」の句は選んでいません。

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秋の俳句 ベスト30

 

赤とんぼ 筑波に雲も なかりけり

【作者】正岡子規

【季語・季節】赤とんぼ-秋

【私感】赤とんぼからは、秋特有の寂しさが感じられます。

 

 

秋風の ふきぬけゆくや 人の中

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

【季語・季節】秋風-秋

【私感】秋風を詠んだ句ながら、やがて訪れるであろう冬を予感させてくれます。

 

 

秋風や むしりたがりし 赤い花

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

【季語・季節】秋風-秋

【私感】「赤い花」とは、鶏頭(けいとう)とも曼珠沙華(まんじゅしゃげ)ともいわれています。しかし、解釈は各人の自由なので、それぞれが思い浮かべる花でよいでしょう。

 

 

秋草の すぐ萎るるを もてあそび

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

【季語・季節】秋草-秋

【私感】俳句を読む人によって連想する「秋草」がそれぞれ違うでしょうし、そこに俳句の自由度があります。

 

 

秋の空 露をためたる 青さかな

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【季語・季節】秋の空-秋

【私感】秋の澄んだ青い空が目に浮かび、「露」の語がそれを一層引き立てます。

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秋の夜や あまへ泣き居る どこかの子

【作者】杉田久女(すぎた ひさじょ)

【季語・季節】秋の夜-秋

【私感】誰もが出会ったことのあるような光景、そのような印象を受けるところに親しみが持てます。

 

 

秋深き 隣は何を する人ぞ

【作者】松尾芭蕉(まつお ばしょう)

【季語・季節】秋深し-秋

【私感】誰もが知っている、名句中の名句といえるでしょう。これ以上に秋の物悲しさを感じさせる句を探すのは難しい気がします。

 

 

朝顔や 一輪深き 淵の色

【作者】与謝蕪村

【季語・季節】朝顔-秋

【私感】朝顔は現代では夏の風物詩ですが、かつての旧暦の時代には秋の気配を感じていたのです。

 

 

荒海や 佐渡によこたふ 天河

【作者】松尾芭蕉

【季語・季節】天河(あまのがわ)-秋

【私感】この句からは雄大な光景が想像されます。この句は芭蕉の心象風景を詠んだものという説もあります。

 

 

一枚の 紅葉かつ散る 静かさよ

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

【季語・季節】紅葉-秋

【私感】散ってゆく紅葉と秋の静けさ、秋そのものの光景といえるのではないでしょうか。

紅葉

 

 

うつくしや 障子の穴の 天の川

【作者】小林一茶

【季語・季節】天の川-秋

【私感】天の川を障子の穴から見る、そして、それを俳句に詠み込むところが一茶らしいと感じます。

 

 

鰯雲 ひとに告ぐべき ことならず

【作者】加藤 楸邨(かとう しゅうそん)

【季語・季節】鰯雲(いわしぐも)-秋

【私感】人には言えないけれども鰯雲になら… と私は解釈しています。

 

 

大いなる 団扇出てゐる 残暑かな

【作者】高浜虚子

【季語・季節】残暑-秋

【私感】団扇、残暑と詠んでいながら、思い浮かぶのが秋の情景という妙。

 

 

柿くえば 鐘が鳴るなり 法隆寺

【作者】正岡子規

【季語・季節】柿-秋

【私感】これも名句中の名句。俳句には音を盛り込むこともできるわけですね。

法隆寺の鐘の音♪

 

 

かりがねの 声の月下を 重ならず

【作者】大野林火(おおの りんか)

【季語・季節】かりがね(=雁)-秋

【私感】「雁」と「月」の組み合わせは鉄板ともいえるでしょう。

 

 

今日からは 日本の雁ぞ 楽に寝よ

【作者】小林一茶

【季語・季節】雁-秋

【私感】動物に語りかけるのを得意とする、とても一茶らしい句です。

 

 

くろがねの 秋の風鈴 鳴りにけり

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

【季語・季節】風鈴-夏

【私感】私はこの句によって、俳句の持つ可能性が大きく広がっていくのを感じました。

くろがねの風鈴

 

 

鶏頭の 十四五本も ありぬべし

【作者】正岡子規

【季語・季節】鶏頭-秋

【私感】この句は、次のように異なる解釈をすることができます。

  • 鶏頭の花が(見えるけれども) 14、5本もあるだろうか
  • (私は見ていないが、今年もまた)鶏頭が 14、5本も咲いているだろうか

そして、この句をめぐっては論争まで起こったほどです。しようと思えばどこまでも深読みできてしまうのが、17文字で成立する俳句です。

 

 

この道の 富士になり行く 芒かな

【作者】河東碧梧桐(かわひがし へきごとう)

【季語・季節】芒-秋

【私感】富士山と芒を題材にするというのも、なかなか勇気がいるかと思うのですが…

 

 

この道や 行人なしに 秋の暮

【作者】松尾芭蕉

【季語・季節】秋の暮-秋

【私感】秋の暮の寂しさが引き立つ俳句です。

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秋冷の まなじりにある みだれ髪

【作者】飯田蛇笏

【季語・季節】秋冷-秋

【私感】「まなじり(=目尻のこと)」の語感が印象に残る句です。

 

 

白露も こぼさぬ萩の うねりかな

【作者】松尾芭蕉

【季語・季節】萩-秋

【私感】白露と萩の組み合わせがとても美しいです。

 

 

白露や 茨の刺に 一つづつ

【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

【季語・季節】白露-秋

【私感】芭蕉の句とは違って、白露と茨を組み合わせるところが蕪村らしいといえるでしょう。

 

 

そよりとも せいで秋たつ ことかいの

【作者】上島鬼貫(うえじま おにつら)

【季語・季節】秋たつ-秋

【私感】「ことかいの」という表現が何ともユーモラスです。

 

 

月天心 貧しき町を 通りけり

【作者】与謝蕪村

【季語・季節】月-秋

【私感】蕪村は下の漢詩「清夜吟(せいやのぎん)」の影響を受けて、この句をつくったといわれています。

    月到天心処
    風来水面時
    一般清意味
    料得少人知

 

 

なかなかに ひとりあればぞ 月を友

【作者】与謝蕪村

【季語・季節】月-秋

【私感】この句を読んで、やはり思い浮かぶのは秋の夜の月です。「なかなかに」は、「むしろ、かえって」の意味と解しています。

盃の酒に映る月

 

 

何着ても うつくしうなる 月見かな

【作者】加賀千代女(かがのちよじょ)

【季語・季節】月見-秋

【私感】千代女らしさ、女らしさが満載の句です。

 

 

野ざらしを 心に風の しむ身かな

【作者】松尾芭蕉

【季語・季節】身にしむ―秋

【私感】「野ざらし」は「人の頭骨、しゃれこうべ」の意味を持ちますが、これが入った句というのも中々考えられるものではありません。

 

 

名月や 池をめぐりて 夜もすがら

【作者】松尾芭蕉

【季語・季節】名月-秋

【私感】この句も、次のように様々な解釈することができます。

  • 空にある中秋の名月を眺めながら、一晩中池の周りを歩いた
  • 池に映った中秋の名月を眺めながら、一晩中池の周りを歩いた
  • 中秋の名月が、一晩かけて池の周りを移動していく

 

 

名月を とってくれろと 泣く子かな

【作者】小林一茶

【季語・季節】名月-秋

【私感】動物や子供が大好きな一茶らしい句です。

 

 

有名な俳人の俳句

有名な俳人の俳句は、こちらをご覧になってください。春・夏・秋・冬に分けて俳句を集めてあります。

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四季の俳句

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