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秋の短歌 ベスト30!【保存版】

秋の富士山

短歌に限らず俳句、詩、小説と、「秋」をテーマとしたものは数多くあります。やはり、一年の中でも春と並んですごしやすい季節であり、美しい自然の景観を楽しむことができるからでしょう。

このページには、「秋の短歌」としてふさわしい歌を集めてみました。秋という季節の素晴らしさを感じることができるものばかりなので、是非ともチェックしてみてください。

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目次

秋の短歌について

「秋」と関連がある歌、「秋」を想起するものを選びました。

なお、短歌の文字の五十音順に並べてあります。じっくりと鑑賞してみて下さい。

黄色い紅葉と滝

 

秋の短歌 ベスト30

 

青白し 寒しつめたしもち月の 夜天に似たるしら菊の花

【作者】与謝野晶子(よさの あきこ)

【補足】もち月(望月)とは、十五夜の月(特に、旧暦8月の十五夜の月)、満月のことで、「もちのつき」ともいいます。

 

秋雨は 別れに倚(よ)りしそのかみの 柱のごとくなつかしきかな

【作者】与謝野晶子

【補足】「そのかみ」は「そのころ、当時」という意味です。

 

秋立つと おもふばかりをわが宿の 垣の野菊は早咲きにけり

【作者】伊藤左千夫(いとう さちお)

【補足】佐千夫は正岡子規に師事し、島木赤彦、斎藤茂吉、中村憲吉など多くの歌人を育成しました。俳句雑誌「ホトトギス」に小説『野菊の墓』を発表し、夏目漱石に評価されました。

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秋の雲 はかな心の人待に 涙ながしてありとおもひぬ

【作者】与謝野晶子

 

秋の日は さびし切なし部屋の棚 あらゆる花をもて飾れども

【作者】与謝野晶子

【補足】歌集『夏より秋へ』に含まれている歌です。

棚の上の花

 

秋の水 穂薄ほどのかすかなる 銀を引くなり山荘の門

【作者】与謝野晶子

 

秋もやや はだ寒くなる夕風に あはれ初雁なき渡るなり

【作者】樋口一葉(ひぐち いちよう)

【補足】初雁(はつかり)とは、秋になって北から最初に渡って来た雁のことで、「はつかりがね」ともいいます。「なぎ渡る」とは、鳴きながら飛んでいくという意味です。

 

朝月は 小萩の露にしづみけり あかつきやみのこほろぎの聲

【作者】木下利玄(きのした りげん)

【補足】利玄は小説家の武者小路実篤(むしゃのこうじ さねあつ)と学習院初等科で同級で、東大在学中に歌人・国文学者の佐佐木信綱(ささき のぶつな)に師事して短歌を学びました。肺結核によって40歳で亡くなりました。

 

稲刈りて 淋しく晴るる秋の野に 黄菊はあまた眼をひらきたり

【作者】長塚節(ながつか たかし)

【補足】節は正岡子規のもとで短歌の研究を続け、写生主義を継承しました。咽頭結核のために35歳でなくなりました。代表作に長編小説『土』があります。

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柿の皮 剥きてしまへば茶をいれぬ 夜の長きこそうれしかりけれ

【作者】島木赤彦(しまき あかひこ)

【補足】「剥きて」の読み方は「きて」です。

 

雲去れば もののかげなくうす赤き 夕日の山に秋風ぞ吹く

【作者】若山牧水(わかやま ぼくすい)

【補足】この歌は『独り歌へる(1910年に出版)』という歌集に含まれています。牧水は、1914年に『秋風の歌』という歌集を出しています。

 

雲のなかに あまつかりがね啼くときの 暗き河原を過ぎにけるかも

【作者】斎藤茂吉(さいとう もきち)

【補足】「あまつ」は「天の」という意味です。

 

こすもすよ 強く立てよと云ひに行く 女の子かな秋雨の中

【作者】与謝野晶子

【補足】コスモスは「真心」「少女の純真」という花言葉を持っています。

コスモスの花

 

さえざえと 今朝咲き盛る白菊の 葉かげの土は紫に見ゆ

【作者】北原白秋(きたはら はくしゅう)

 

ただひとつ 風にうかびてわが庭に 秋の蜻蛉のながれ来にけり

【作者】若山牧水

【補足】日本には蜻蛉(とんぼ)が 200種類ほど分布するといわれています。

 

たまくしげ 箱根の山に夜もすがら 薄(すすき)をてらす月のさやけさ

【作者】斉藤茂吉

【補足】茂吉は伊藤佐千夫の門下生でした。芥川龍之介に随筆の才能を高く評価されました。「一番小説を書かせたいのは誰か」と芥川が聞かれた際に、即座に斉藤茂吉の名前を出したといわれています。

長男が斎藤茂太(さいとう しげた=モタさん)、次男は北杜夫(きた もりお=どくとるマンボウ)です。そして、3人とも精神科医でした。

「たまくしげ」は枕詞(まくらことば)で、「箱」にかかっています。

 

ながながと 折れたるままに先青み わづか擡(もた)げてコスモス咲けり

【作者】若山牧水

【補足】『渓谷集』という歌集に含まれている歌です。

 

人形の 秋の素肌となりぬべき 白き菊こそ哀しかりけれ

【作者】北原白秋

 

人はみな 去ねよとゆふべ鐘鳴りて 黄葉のたにに煙ののぼる

【作者】中村憲吉(なかむら けんきち)

【補足】憲吉は伊藤佐千夫に師事し、斎藤茂吉や島木赤彦らと交流がありました。肺結核のために亡くなりました。

谷の黄葉

 

程もなく 秋くることのわびしさと 面やつれせし妻しのび泣く

【作者】木下利玄

 

まもりゐの あかり障子にうつりたる 蜻蛉は去りて何も来ぬかも

【作者】斉藤茂吉

【補足】「まもりゐる(守り居る)」とは、見守っている、じっと見つめているという意味です。

 

水かれし はちすのはちにつゆくさの はなさきいでぬあきはきぬらし

【作者】会津八一(あいづ やいち)

 

水のへの 光たむろに小蜻蛉は ひたぶるにして飛びやまずけり

【作者】斉藤茂吉

【補足】「ひたぶるに」の意味は、ひたすらに、いちずにということです。

蕾に止まった小さな蜻蛉

 

宮島の 紅葉が谷は秋闌(た)けて 紅葉踏み分け鹿の来る見ゆ

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】「闌けて」とは、(季節が)深まって、盛りをすぎてという意味です。

 

むさし野に 消えにし露の名残にや 我のみ今も袖しぼるらん

【作者】正岡子規

 

武蔵野の 萩わけゆけばわが袖に 結ふとしらで結ふ露哉

【作者】正岡子規

 

虫の音の 繁かるかなとしろがねの 箸そろへをり苑の秋ぐさ

【作者】北原白秋

 

もみぢ照り あかるき中に我が心 空しくなりてしまし居りけり

【作者】斉藤茂吉

【補足】「しまし(暫し)」は、しばらく、少しの間という意味です。

紅葉

 

りんだうは 実をもちながら紫の いよいよ深く草に交れり

【作者】土屋文明(つちや ぶんめい)

【補足】りんだう(=りんどう:竜胆)はリンドウ科リンドウ属の多年生植物です。

 

若き身の 恋するやうに秋の雲 動きも止まずほのかなれども

【作者】与謝野晶子

 


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