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与謝野晶子の短歌 100選

与謝野晶子の句碑

「やは肌の晶子」と呼ばれていた与謝野晶子の短歌には、情熱的といわれるものが多くあります。その一方で、寂しさを感じるような自然の風景を詠んだものも多く残されています。

そして、晶子が生涯で詠んだ短歌は5万首にも及ぶといわれています。

今回は、与謝野晶子の短歌の中から100首を集めてみました。全作品のうちのほんの一部かもしれませんが、是非これらを鑑賞してみて下さい。

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※与謝野晶子の短歌のうち、恋を詠んだもの、有名なものを別のページに集めてありますので、是非そちらもご覧になってみてください。

⇒ 恋の短歌 30選

 

目次

与謝野晶子の短歌 100選

 

青白し 寒しつめたしもち月の 夜天に似たるしら菊の花

【歌集】佐保姫

 

 

秋風に こすもすの立つ悲しけれ 危き中のよろこびに似て

【歌集】晶子新集

 

 

秋かぜの 夕の辻に立つときは 昔わすれし人もこひしき

【歌集】佐保姫

 

 

秋来れば 恋も生命も水色の 光の絹となりてはためく

【歌集】さくら草

 

 

秋の雨 しぶしぶ降れる庭の石 みつめてわれは何を待つらむ

【歌集】春泥集

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秋の雲 はかな心の人待に 涙ながしてありとおもひぬ

【歌集】常夏

 

 

秋の空 冷たき水の中に立つ うら悲しさを語る月かな

【歌集】太陽と薔薇

 

 

朝顔は わがありし日の姿より 少しさびしき水色に咲く

【歌集】朱葉集

 

 

あなかしこ 楊貴妃のごと斬られむと 思ひたちしは十五の少女

【歌集】佐保姫

【補足】楊貴妃(ようきひ)は、中国唐代の玄宗皇帝(げんそうこうてい)が寵愛(ちょうあい)した女性で、傾国の美女といわれます。

 

 

天の川 白き夜ぞらにかひな上げ ふれて涼しくなりし手のひら

【歌集】朱葉集

「かひな(=かいな)」とは、腕のことです。

 

 

天地に 一人を恋ふと云ふよりも よろしきことばわれは知らなく

【歌集】佐保姫

 

 

あめつちの 恋は御歌にかたどられ 完たかるべくさゆり花さく

【歌集】小扇

【補足】「あめつち」とは、天と地、あるいは全世界のことです。

 

 

いみじかる 妬みも恋も作りけり 若き心と身の熱をもて

【歌集】晶子新集

 

 

うす色の 牡丹の花のちるけはひ 身に覚えつつ文かくわれは

【歌集】さくら草

 

 

うすものを 昼の間は着るごとし 女めきたる初秋の雨く

【歌集】太陽と薔薇

 

 

うす雪や 梅をかざせば羽子板の 鷺娘よりなまめかしけれ

【歌集】春泥集

「鷺娘(さぎむすめ)」とは、歌舞伎、日本舞踊の演目の一つです。

 

 

うたたねの 夢路に人の逢ひにこし 蓮歩のあとを思ふ雨かな

【歌集】舞姫

【補足】蓮歩(れんぽ)とは、美人の歩みのことをいいます。

 

 

うつくしき 花屋が妻の朝髪と わが袖と吹く春の風かな

【歌集】毒草

 

 

丘の上の 有明月夜草の笛 つらしとわれをいにしにもあらず

【歌集】毒草

 

 

衰ふる ものも美くし三十路をば うしろに白き山ざくら散る

【歌集】舞ごろも

 

 

おのが路 見出でしやうに月影を たのみて水の走る川かな

【歌集】流星の道

 

 

返し歌の 春よき里の里かりね 緋桃二十日を花ちらぬ里

【歌集】小扇

 

 

傘さして 去にたる人を憎みけり その雪の傘うつくしきため

【歌集】舞ごろも

 

 

悲みを 抑へてあるや喜びを 抑へてあるや知りがたき時

【歌集】草の夢

 

 

かりそめに 容貌おとろへたらんなど 思はぬきはの病となりぬ

【歌集】舞ごろも

薔薇の花

 

 

軽やかに 手をさしのべぬ薄絹の ごとくその身を思ふ舞姫

【歌集】晶子新集

 

 

きさらぎの 雨となるともきさらぎの 雪となるとも寝てあり給へ

【歌集】青海波

 

 

北国の 雪のやうなり野あかりに 残月ありぬすずしろの花

【歌集】夢之華

 

 

君が家に つづく河原のなでしこに うす月さして夕べとなりぬ

【歌集】舞姫

 

 

君に似し 白と濃紅とかさなりて 牡丹ちりたるかなしきかたち

【歌集】毒草

 

 

京の山を 東へ歌の君やりて 身はしら梅にたそがれの人

【歌集】小扇

 

 

源氏をば 十二三にて読みしのち 思はれじとぞ見つれ男を

【歌集】朱葉集

 

 

紅梅や 女あるじの零落に ともなふ鳥の籠かけにけり

【歌集】恋衣

 

 

こすもすよ 強く立てよと云ひに行く 女の子かな秋雨の中

【歌集】晶子新集

 

 

この頃の わが衰へを美くしと 見るすべ時にうち忘れつつ

【歌集】さくら草

 

 

桜ちる 春の夕のうす雲の 涙となりておつる心地に

【歌集】流星の道

 

 

七月の 夜能の安宅みちのくへ 判官おちて涼風ぞ吹く

【歌集】瑠璃光

【補足】能楽作品の安宅(あたか)では、判官(ほうがん=源義経:みなもとのよしつね)が奥州へ落ちる途中、安宅の関で止められ、弁慶が勧進帳(かんじんちょう)を読み上げるという場面があります。

 

 

霜ばしら 冬は神さへのろはれぬ 日ごと折らるるしろがねの櫛

【歌集】恋衣

 

 

十九の われすでに菫(すみれ)を白く見し 水はやつれぬはかなかるべき

【歌集】乱れ髪

 

 

十余年 わが書きためし草稿の 跡あるべしや学院の灰

【歌集】瑠璃光

【補足】1923年(大正12年)の関東大震災のために、文化学院(東京・御茶ノ水に、夫の鉄幹と創設した専修学校)にあった新約・源氏物語などの原稿が灰になってしまいました。

 

 

白梅の 黄昏時の香をかげは 心悩まし春の初めも

【歌集】草の夢

 

 

しらしらと 涙のつたふ頬をうつし 鏡はありぬ春の夕に

【歌集】常夏

 

 

白き菊 ややおとろへぬ夕されば 明眸うるむ人のごとくに

【歌集】常夏

【補足】明眸(めいぼう)とは、美しく澄んだひとみのことで、美人の例えに使われる言葉です。

 

 

前世の春を ちひさき鐘にちりし桜 もとより宿命(しゅくみょう)うすき二十とせ

【歌集】小扇

 

 

早春の 銀の屏風に新しき 歌書くさまの梅の花かな

【歌集】太陽と薔薇

 

 

第一の 美女に月ふれ千人の 姫に星ふれ牡丹饗せむ

【歌集】恋衣

 

 

たなばたを やりつる後の天の川 しろうも見えて風する夜かな

【歌集】恋衣

 

 

ためさむは わがものほふ力とや憂きぞ いよいよ新たなれ春

【歌集】小扇

 

 

月の夜や 盥(たらい)に飼へる金魚の子 ほの赤くしてこほろぎの啼く

【歌集】夏より秋へ

 

 

梅雨晴の 日はわか枝こえきらきらと おん髪をこそ青う照りたれ

【歌集】舞姫

若葉と青空

 

 

手のひらへ 落ちし雨にも口あてぬ ものなつかしき折の夕ぐれ

【歌集】朱葉集

 

 

なつかしの 湯の香梅が香山の宿の 板戸によりて人まちし闇

【歌集】乱れ髪

 

 

夏の花 みな水晶にならむとす かはたれ時の夕立の中

【歌集】春泥集

 

 

夏まつり よき帯むすび舞姫に 似しやを思ふ日のうれしさよ

【歌集】舞姫

 

 

なまめきて 散るかと思ふ春の雪 われのやうなる掌より

【歌集】火の鳥

【補足】掌(たなごころ)とは、手のひらのことです。

 

 

涙こそ 人を頼めどこぼれけれ 心にまさりはかなかるらん

【歌集】流星の道

 

 

南天は 雨もみぞれもしみ入らぬ 朱のこちたさを歎くみづから

【歌集】太陽と薔薇

 

 

匂ひする 春の空より落ちきたり 我を照すと思ふ小鏡

【歌集】夏より秋へ

 

 

二十六 きのふを明日とよびかへむ 願ひはあれど今日も琴ひく

【歌集】舞姫

 

 

はかなきは 恋することのつたなさの 昔も今もことならぬこと

【歌集】夏より秋へ

 

 

初秋の あらしの中にうなづきぬ 孟宗竹の黄なる末など

【歌集】青海波

 

 

初恋の 日よりつづきてめざましき 心の如き紅蜀葵(もみじあおい)かな

【歌集】青海波

 

 

初夏や 吹くもあほるも扇より 勝らぬ風のにくからぬかな

【歌集】舞ごろも

 

 

はてもなき 大地の月夜そことなく 浮きただよへる虫の声かな

【歌集】瑠璃光

 

 

花さきぬ 昔はてなき水色の 世界にわれとありし白菊

【歌集】火の鳥

 

 

薔薇の花 今や終の近づきて 限りも知らず甘き香を吐く

【歌集】瑠璃光

 

 

春三月 柱おかぬ琴に音たてぬ ふれしそぞろの宵の乱れ髮

【歌集】乱れ髪

 

 

春と云ふ めでたき心育てこし 昨日を思ふ元旦にして

【歌集】流星の道

 

 

春の水 君に馴れたる心とも わが思ひとも見ゆる夕ぐれ

【歌集】火の鳥

 

 

春の水 ながるる音をそら耳す 西の都のこひしき夜半に

【歌集】常夏

 

 

春の夢 ながく醒めざる人なれば 四月の後も花を思へり

【歌集】舞ごろも

 

 

春行くや 白き雲よりうすいろの 雲の淋しさ限りなきころ

【歌集】草の夢

 

 

日落つると ともに不思議はかき消えて 富士むら山の一つとなりぬ

【歌集】瑠璃光

 

 

人かへさず 暮れむの春の宵ごこち 小琴にもたす乱れ乱れ髮

【歌集】乱れ髪

 

 

人ならず いつの世か着し紫の わが袖の香をたてよたちばな

【歌集】夢之華

和傘と着物

 

 

火となりて われに近づく心かと すういとぴいを思ひけるかな

【歌集】太陽と薔薇

 

 

人の歌を くちずさみつつ夕よる 柱つめたき秋の雨かな

【歌集】乱れ髪

 

 

冬の夜も うすくれなゐの紙のはし 散れる灯かげは心ときめく

【歌集】春泥集

 

 

ふるさとを 夢みるらしき花うばら 野風の中におもかげすなれ

【歌集】夢之華

 

 

ほととぎす 聴きたまひしか聴かざりき 水のおとするよき寝覚かな

【歌集】恋衣

 

 

本を読み 流行の衣を欲しがりし 娘も思ふふるさとのこと

【歌集】夏より秋へ

 

 

舞姫の おしろいするも寒からん 京の秋かぜ川よりぞ吹く

【歌集】青海波

 

 

みかど知らず 古事記しらずのやまと人を レモン咲く野に放たせ給へ

【歌集】毒草

 

 

水いろの 秋のみそらを行くとんぼ めでたく清したをやめのごと

【歌集】朱葉集

 

 

御空より 半はつづく明きみち 半はくらき流星のみち

【歌集】流星の道

 

 

都にて 見たりし夢の続きをば 見し哀れなる朝ぼらけかな

【歌集】草の夢

【補足】朝ぼらけとは、夜が明けるころのことです。

 

 

紫の 藤の花をばさと分くる 風ここちよき朝ぼらけかな

【歌集】火の鳥

 

 

目に見えぬ  真白き花の花びらの 破りがたしと秋風の泣く

【歌集】さくら草

 

 

夕ぐれの 砂の上をば小走りに 秋の風行く静心なし

【歌集】夏より秋へ

【補足】静心(しずこころ、しずごころ)とは、穏やかに落ち着いた心持ちのことをいいます。

 

 

友染の 袖十あまり円うより  千鳥きく夜を雪ふり出でぬ

【歌集】毒草

 

 

夕月の ひかりの如くめでたきは 木立の中の月読の宮

【歌集】青海波

【補足】月読の宮は内宮の別宮の神社です。

 

 

夕ばえは 東にてりて山の端の 赤き中より月ほのめきぬ

【歌集】夢之華

 

 

夕べには ゆきあふ子なき山なかに 人の気すなり紫の藤

【歌集】夢之華

 

 

喜びは いかなることに湧くものか 忘るるまでの大事となりぬ

【歌集】草の夢

 

 

臘月の くると野寺のうしろ籔 穂すずきはかり雪かづくかな

【歌集】常夏

【補足】臘月(ろうげつ)は、旧暦12月の別名です。

 

 

若き身の 恋するやうに秋の雲 動きも止まずほのかなれども

【歌集】晶子新集

 

 

わが庭の 彼岸桜は巡礼の むすめの如し風吹けば泣く

【歌集】火の鳥

 

 

わが二十 町娘にてありし日の おもかげつくる水引の花

【歌集】さくら草

 

 

われ泣きて 大き邸の黒門の 側の菫をつみてかへりし

【歌集】佐保姫

菫の花

 

 

われの云ふ 悲しきことと世の人の 悲むことと少しことなる

【歌集】春泥集

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