スマートフォン解析

与謝蕪村の俳句 100選 +2 -春夏秋冬-

落ち葉となった紅葉

与謝蕪村(よさ ぶそん)は『蕉風回帰』を唱えた俳人であり、芭蕉に強いあこがれを持っていて、その足跡を辿る旅をしたほどでした。

2016年が生誕300年となる蕪村は、芭蕉が亡くなってから二十年ほど後に生まれました。芭蕉と蕪村の俳句をあわせて読んでいると、もし蕪村が芭蕉に師事していたら… と想像することが時々あります。

今回は、与謝蕪村の俳句の中から、季語で分けた春、夏、秋、冬の俳句をそれぞれ 25句ずつ、合計で 100句を選んでみました。是非ゆっくりと味わってみて下さい。

スポンサーリンク

 

目次

与謝蕪村の春の俳句 25

 

一輪を 五つにわけて 梅ちりぬ

【季語】梅

 

 

鶯の 声遠き日も 暮にけり

【季語】鶯

【補足】古くから、鶯は鳴き声を楽しむために飼育ました。

 

 

鶯や 茨くぐりて 高う飛ぶ

【季語】鶯

 

 

うつむけに 春うちあけて 藤の花

【季語】藤の花

 

 

馬下りて 高根のさくら 見付けたり

【季語】さくら

 

 

梅ちりて さびしく成し やなぎかな

【季語】柳

スポンサーリンク

 

 

梅の香の 立のぼりてや 月のかさ

【季語】梅

 

 

おぼろ月 大河をのぼる 御舟かな

【季語】おぼろ月

 

 

傾城(けいせい)は 後の世かけて 花見かな

【季語】花見

【補足】傾城とは美人、美女のことをいい、「その美しさから城を傾ける」の意です。同義語に「傾国」があります。

 

 

さびしさに 花さきぬめり 山ざくら

【季語】山ざくら

 

 

しら梅の 枯木にもどる 月夜かな

【季語】花見

【補足】次の句が、蕪村の辞世の句と言われています。

しら梅に 明くる夜ばかりと なりにけり

 

 

近道へ 出てうれし野の 躑躅(つつじ)かな

【季語】躑躅

つつじの花

 

 

ちりつみて 筏(いかだ)も花の 梢かな

【季語】花

 

 

手まくらの 夢はかざしの 桜かな

【季語】桜

 

 

流れ来て 清水も春の 水に入

【季語】春の水

 

 

梨の花 月に書よむ 女あり

【季語】梨の花

 

 

菜の花や 月は東に 日は西に

【季語】菜の花

【補足】この句は六甲山脈の摩耶山(まやさん)で詠まれたといわれています。

 

 

ばらばらと あられ降過る 椿かな

【季語】椿

スポンサーリンク

 

 

春雨の 中を流るる 大河かな

【季語】春雨

 

 

春の海 ひねもすのたり のたりかな

【季語】春の海

【補足】「ひねもす」は、一日中、終日の意です。

 

 

春の夜や 宵あけぼのの 其中に

【季語】春の夜

 

 

春をしむ 人や榎に かくれけり

【季語】春をしむ

 

 

雛祭る 都はづれや 桃の月

【季語】雛祭る

 

 

古庭に 鶯啼きぬ 日もすがら

【季語】鶯

 

 

山姥の 遊びのこして 遅桜

【季語】遅桜

桜の花

 

 

与謝蕪村の夏の俳句 25

 

青梅に 眉あつめたる 美人かな

【季語】青梅

 

 

明やすき 夜をかくしてや 東山

【季語】明やすき

 

 

今朝見れば 白きも咲けり 杜若(かきつばた)

【季語】杜若

 

 

いささかな 料理出来たり 土用干

【季語】土用干

 

 

岩倉の 狂女恋せよ 子規(ほととぎす)

【季語】子規

【補足】古くには、岩倉(いわくら=京都の地名)の大雲寺(だいうんじ)の旧境内にあった滝の水は、精神病疾患に効能があるといわれていました。

 

 

口なしの 花さくかたや 日にうとき

【季語】口なしの花

 

 

今朝見れば 白きも咲けり 杜若

【季語】杜若

スポンサーリンク

 

 

兼好は 絹もいとはじ 更衣(ころもがえ)

【季語】更衣

【補足】兼好とは、『徒然草(つれづれぐさ)』を書いた吉田兼好(よしだ けんこう)のことです。

⇒ 吉田兼好とはどんな人?

 

 

西行は 死そこなふて 袷(あわせ)かな

【季語】袷

【補足】松尾芭蕉にも西行(さいぎょう=平安時代末~鎌倉時代初めの僧侶・歌人)を詠んだ句がありますね。

西行の 菴もあらん 花の庭

 

 

さみだれや 大河を前に 家二軒

【季語】さみだれ

【補足】松尾芭蕉の次の句と比較されます。

五月雨を 集めてはやし 最上川

 

 

さみだれや 名もなき川の おそろしき

【季語】さみだれ

 

 

涼しさや 鐘をはなるる かねの声

【季語】涼しさ

【補足】この句は「はなるる…声」、次の芭蕉の句は「しみ入る…声」です。

閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声

夕暮れ時の京都の町

 

 

すずしさを あつめて四つの 山おろし

【季語】すずしさ

 

 

水晶の 山路ふけ行 清水かな

【季語】清水

 

 

掴みとりて 心の闇の ほたるかな

【季語】ほたる

 

 

床(とこ)涼み 笠着連歌の もどりかな

【季語】床涼み

 

 

夏河を 越すうれしさよ 手に草履(ぞうり)

【季語】夏河

 

 

蓮の香や 水をはなるる 茎二寸

【季語】蓮の香

 

 

牡丹ある 寺ゆき過し うらみかな

【季語】牡丹

 

 

窓の燈の 梢にのぼる 若葉かな

【季語】若葉

 

 

みじか夜や 浅瀬にのこる 月一片

【季語】みじか夜

 

 

短夜や おもひがけなき 夢の告

【季語】短夜

 

 

短夜や 枕にちかき 銀屏風

【季語】短夜

 

 

夕だちや 草葉をつかむ むら雀

【季語】夕だち

 

 

行々て ここに行々 夏野かな

【季語】夏野

夏の野原

 

 

与謝蕪村の秋の俳句 25

 

秋風に おくれて吹や 秋の風

【季語】秋の風

 

 

秋かぜの うごかして行 案山子(かかし)かな

【季語】案山子

 

 

秋風の 吹のこしてや 鶏頭(けいとう)花

【季語】鶏頭花

 

 

秋雨や 水底の草を 踏わたる

【季語】萩の花

 

 

秋の夜や 古き書よむ 南良法師

【季語】秋の夜

 

 

朝がほや 一輪深き 淵のいろ

【季語】朝顔

 

 

雨乞の 小町が果や 落とし水

【季語】落とし水

【補足】小野小町(おののこまち)が雨乞いの歌を詠み、それによって雨がもたらされたという伝説があります。

 

 

十六夜(いざよい)の 雲吹去りぬ 秋の風

【季語】秋の風

【補足】十六夜は、旧暦8月16日の夜、または、その夜の月のことをいいます。

 

 

稲妻に こぼるる音や 竹の露

【季語】稲妻

 

 

茨野や 夜はうつくしき 虫の声

【季語】虫の声

 

 

うつくしや 野分のあとの とうがらし

【季語】とうがらし

 

 

欠々て 月もなくなる 夜寒かな

【季語】夜寒

冬の夜空

 

 

笠とれて 面目もなき かかしかな

【季語】かかし

 

 

巫女(かんなぎ)に 狐恋する 夜寒かな

【季語】夜寒

 

 

黄に咲くは 何の花ぞも 蓼(たで)の中

【季語】蓼

 

 

さくらさへ 紅葉しにけり 鹿の声

【季語】鹿の声

 

 

白露や 茨の刺に ひとつづつ

【季語】白露

 

 

船頭の 棹とられたる 野分かな

【季語】野分

 

 

旅人の 灯をこぼす 秋の露

【季語】秋の露

 

 

たまだなを ほどけばもとの 座敷かな

【季語】たまだな

【補足】「たまだな」は霊棚、魂棚と漢字で表記されます。盂蘭盆会(うらぼんえ=お盆)に先祖の霊を迎えて安置し、供え物を供える棚のことです。精霊棚(しょうりょうだな)ともいわれます。

 

 

鬼灯(ほおずき)や 清原の女が 生写し

【季語】鬼灯

 

 

水かれて 池のひづみや 後の月

【季語】後の月

【補足】「中秋の名月」の十五夜(旧暦 8月15日)に対し、十三夜(旧暦 9月13日)は「後の月」とも呼ばれます。

 

 

名月や 雨を溜たる 池のうえ

【季語】名月

 

 

名月や 露にぬれぬは 露ばかり

【季語】名月

 

 

山暮れて 紅葉の朱(あか)を 奪ひけり

【季語】紅葉

日暮れの山々

 

 

与謝蕪村の冬の俳句 25

 

いざ雪見 かたちづくりす 簔(みの)と笠

【季語】雪見

 

 

うぐひすの 啼(なく)や師走の 羅生門

【季語】師走

 

 

埋火(うずみび)や 春に減りゆく 夜やいくつ

【季語】埋火

【補足】埋火とは、灰の中に埋めた炭火のことをいいます。

 

 

梅さげた 我に師走の 人通り

【季語】師走

 

 

寒月や 門なき寺の 天高し

【季語】寒月

 

 

乾鮭(からざけ)も 登るけしきや 冬木立

【季語】冬木立

【補足】乾鮭とは、鮭のハラワタを取り除き、塩を振らないで陰干しにしたもののことです。

 

 

寒梅や 梅の花とは 見つれども

【季語】寒梅

 

 

狐火の 燃えつくばかり 枯れ尾花

【季語】枯れ尾花

【補足】狐火(きつねび)は怪火のことで、燐火(りんか)、火点し(ひともし)とも呼ばれます。

 

 

行年の 女歌舞妓や 夜の梅

【季語】行年

 

 

草枯れて 狐の飛脚 通りけり

【季語】草枯

【補足】「狐の飛脚」は、木枯らしなどの風を擬人化したものと捉えてよいでしょう。

 

 

木枯や 鐘に小石を 吹あてる

【季語】木枯

 

 

凩や この頃までは 荻の風

【季語】凩

萩の花

 

 

水仙に 狐あそぶや 宵月夜

【季語】水仙

 

 

水仙や 美人かうべを いたむらし

【季語】水仙

 

 

桃源の 路次の細さよ 冬ごもり

【季語】冬ごもり

 

 

西吹ば ひがしにたまる 落葉かな

【季語】落ち葉

 

 

化けさうな 傘かす寺の 時雨かな

【季語】時雨

 

 

初雪の 底を叩けば 竹の月

【季語】初雪

 

 

枇杷(びわ)の花 鳥もすさめず 日くれたり

【季語】枇杷の花

 

 

冬木立 月に隣を わすれたり

【季語】冬木立

 

 

待人の 足音遠き 落葉かな

【季語】落ち葉

 

 

三日月も 罠にかゝりて 枯野かな

【季語】枯野

 

 

山水の 減るほど減りて 氷かな

【季語】氷

 

 

雪折(ゆきおれ)も 聞えてくらき 夜なる哉

【季語】雪折

【補足】雪折れとは、降り積もった雪の重みで木の枝などが折れてしまうことをいいます。

 

 

行年や 芥(あくた)流るる さくら川

【季語】行年

秋の紅葉

 

 

追加

 

秋もはや 其(その)蜩(ひぐらし)の 命かな

【季語】蜩 -秋-

【補足】蝉(せみ)は夏の季語ですが、法師蝉(ほうしぜみ=つくつくぼうし)は秋の季語です。また、蜩は鳴き声から「かなかな」とも詠まれます。

 

蜩の おどろき啼(な)くや 朝ぼらけ

【補足】朝ぼらけとは、夜がほのぼのと明けてくる頃のことです

 

 

蕪村の名前

蕪村は、丹後の国(現在では京都の北部)の与謝地方を客游した後に、「与謝」という姓を名乗るようになったといわれています。そして、現在では与謝蕪村(よさ ぶそん)が一般的に知られている名前です。

しかし、「与謝蕪村(よさ ぶそん)」や「与謝蕪村(よさ ぶそん)」と混同したり迷ったりすることがあるようです。現に私も、長い間「よさぶそん」だと思い込んでいました。

これには推測される原因があって、考察した人によれば次の二つが挙げられるそうです。

  • 「の」を入れた「よさの ぶそん」の方が語呂が良いので、この読み方で記憶してしまう
  • 「与謝野晶子」などの与謝野姓の人物名に引っ張られて記憶してしまう

いずれにせよ、文字の「野」、読み方の「の」が入ることはなく、『与謝蕪村(よさ ぶそん)』が正しいものとなります。

スポンサーリンク


サブコンテンツ

このページの先頭へ

Translate »