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富士山の俳句 50選 -春・夏・秋・冬の富士-

赤く輝いている富士山

富士山は古くから霊峰(れいほう)とされ、日本の象徴ともいえるものです。

「富士詣で、富士詣り」などでも人々から親しまれ、和歌、短歌、俳句をはじめとして多くの文学作品にも扱われてきました。

このページには、富士山を詠んだ俳句を 50句集めて、季語により春・夏・秋・冬に分けました。それぞれの季節によって異なる趣きが楽しめますので、どうかゆっくりと味わってみて下さい。

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目次

春の富士山の俳句


  春  


富士山と芝桜

 

かげろうて 金輪際や 雪解富士

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

【季語】雪解(ゆきげ)

【補足】雪解富士とは、富士山の雪が解け始めたことをいいます。

【関連】金輪際の意味は?

 

佐保姫は 裾のすがるや 富士の山

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【季語】佐保姫(さほひめ)

【補足】佐保姫は、春の女神の名前です。これに対し、秋の女神は竜田姫(たつたひめ=立田姫)です。

 

なの花の とつぱづれ也 ふじの山

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

【季語】なの花

【補足】「とつぱずれ」は「はずれ(外れ)」を強調した言葉で、「一番外れ、端の方」という意味です。

 

二歩ふめば 二歩近づきぬ 春の富士

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

【季語】春の富士

 

春風や 吹のこしたる 富士の雪

【作者】正岡子規

【季語】春風

 

春二月 茶畑の富士 窈窕と

【作者】富安風生

【季語】春二月

【補足】窈窕(ようちょう)とは、しとやかで美しいさまを表現する言葉です。

 

富士山を 覆ひし雪の 残に触る

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

【季語】雪の残

【補足】「覆ひし」の読みは「おおいし」です。

 

若草や 富士の裾野を せり上る

【作者】正岡子規

【季語】若草

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夏の富士山の俳句


  夏  


富士山と水田

 

秋ちかく いつしか富士へ 入る日かな

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

【季語】秋ちかし

 

雲海の 夕富士あかし 帆の上に

【作者】杉田久女(すぎた ひさじょ)

【季語】雲海(うんかい)

 

雲の峰 いくつこえきて 富士詣

【作者】正岡子規

【季語】富士詣(ふじもうで)

【補足】富士詣とは、富士山に登り富士権現(ふじごんげん=浅間大社の旧称)に参詣することで、富士詣りともいいます。

 

栗の花 うごけば晴れぬ 窓の富士

【作者】杉田久女

【季語】栗の花

 

紅の 朝日すゞしや 不二詣

【作者】正岡子規

【季語】不二詣

 

展望の 一舟一鳶 五月富士

【作者】富安風生

【季語】五月富士

【補足】「一舟一鳶」の読みは「ひとふねひととび」です。

 

富士山や かのこ白むく 土用干

【作者】山口素堂(やまぐち そどう)

【季語】土用

【補足】「かのこ」は「鹿の子絞り(=白いまだらの模様を染め出したもの)」の略で、「白むく」は「上着、下着ともに白い無地の衣服」のことをいいます。

暦の土用(どよう)の時期には、衣類や本などを干す土用干(どようぼし)を行なう風習があります。

【関連】土用とは?

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富士に入 日を空蝉や けふの月

【作者】宝井其角(たからい きかく)

【季語】空蝉(うつせみ)

 

冨士の雪 見なからくふや 夏氷

【作者】正岡子規

【季語】夏氷

 

不二ひとつ うづみ残して わかばかな

【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

【季語】わかば(わかば)

【補足】「うづみ残して」は「埋め残して」の意味です。

 

窓にそむく 月の夏富士 出でて仰ぐ

【作者】中村草田男(なかむら くさたお)

【季語】夏富士

 

短夜の 限りを見たり 不二詣 

【作者】正岡子規

【季語】短夜、不二詣

 

みじか夜や 雲引残す 富士のみね

【作者】炭 太祇(たん たいぎ)

【季語】みじか夜

 

見渡せば 富士迄つゞく 田植哉

【作者】正岡子規

【季語】田植

【補足】「哉」の読みは「かな」です。

 

秋の富士山の俳句


  秋  


秋の富士山と湖

 

秋の富士 日輪の座は しづまりぬ

【作者】飯田蛇笏

【季語】秋の富士

【補足】日輪(にちりん)は太陽の異名です。これに対して、月は月輪(がちりん)と呼ばれます。

 

秋富士の かなた病友 文を待つ

【作者】中村草田男

【季語】秋富士

 

一片の 紅葉を拾ふ 富士の下

【作者】富安風生

【季語】紅葉

 

紺天を 張り一方に 秋の富士

【作者】富安風生

【季語】秋の富士

 

秋耕や 富士をさへぎる 山もなく

【作者】水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)

【季語】秋耕(しゅうこう)

【補足】秋耕とは、秋の収穫が終わった後に田畑を耕すことをいいます。

 

富士の野や 鹿臥すとこの かたさがり

【作者】野沢凡兆(のざわ ぼんちょう)

【季語】鹿

【補足】「臥す」の読みは「ふす」です。

 

見つつ行け 旅に病むとも 秋の不二

【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)

【季語】秋の不二

 

身ふるひの つく程清し 秋の不二

【作者】正岡子規

【季語】秋の不二

 

冬の富士山の俳句


  冬  


冬の富士山

 

ある夜月に 富士大形の 寒さかな

【作者】飯田蛇笏

【季語】寒さ

 

大雪や あちらこちらに 富士いくつ

【作者】正岡子規

【季語】大雪

 

笠雲は 紐をもたれぬ 冨士小春

【作者】皆吉爽雨(みなよし そうう)

【季語】小春(こはる)

【補足】小春は旧暦 10月の異名で、この頃の暖かな日を小春日和(こはるびより)、小春といいます。

 

紙を干す 富士新雪と 相照らひ

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

【季語】新雪

 

寒の富士 椋の木膚を 白くせり

【作者】大野林火(おおの りんか)

【季語】寒(かん)

【補足】「椋(落葉高木の名前)」「木膚(=木の皮)」の読みは、それぞれ「むく」「こはだ」です。

 

木枯や 富士をめかけて 舟一つ

【作者】正岡子規

【季語】木枯(こがらし)

 

凩や 富士を歪めて 昼の空

【作者】原 石鼎

【季語】凩(こがらし)

 

小春富士 夕かたまけて 遠きかな

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

【季語】小春

【補足】「夕かたまけて(夕方設けて)」は「夕方近くになって」という意味です。

 

白菊は 富士新雪を 前に光る

【作者】山口青邨

【季語】新雪

 

新雪を かぶり富士山 一本立ち

【作者】平畑静塔(ひらはた せいとう)

【季語】新雪

雪景色の中の富士山

 

積みあまる 富士の雪降る 都かな

【作者】正岡子規

【季語】雪

 

晴る日や 雲を貫く 雪の富士

【作者】高井几董(たかい きとう)

【季語】雪

 

柊の 香やあをあをと 夜の冨士

【作者】篠田悌二郎(しのだ ていじろう)

【季語】柊(ひいらぎ)

 

不二澄めり くぬぎ林は 野に枯れて

【作者】水原秋桜子

【季語】野に枯れ

 

冨士をひと目 許して厚き 冬の雲

【作者】篠田悌二郎

【季語】冬の雲

 

冬の富士 日星おほらかに 又きびし

【作者】飯田蛇笏

【季語】冬

【補足】日星(にっせい、じっせい)とは、太陽と星のことです。

 

冬の富士 昼さむくして 飢いたる

【作者】加藤楸邨(かとう しゅうそん)

【季語】冬

 

武蔵野や 富士の霰の こけ所

【作者】宝井其角

【季語】霰(あられ)

 

大和より 国原つゞき 小春富士

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

【季語】小春

【補足】国原(くにはら)とは、広々とした国土のことを意味します。

 

雪の富士 鏡の如き 小春かな

【作者】原 石鼎

【季語】小春

 


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