風鈴の俳句 25選 -涼風-

鉄製の風鈴

自然に吹く風を利用して風鈴を鳴らせ、それを聞いて涼しさを感じようという知恵は素晴らしいものです。

暑い夏の日に耳にする風鈴の音色は、何ともいえないほど心地良く響きます。

今回は、「風鈴の俳句」と呼ぶにふさわしいものを集めまてみました。風鈴のある光景が目に浮かぶようなものばかりなので、是非ともこれらを鑑賞してみて下さい。

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風鈴の俳句について

透明なガラス製の風鈴

夏の季語である「風鈴」が詠み込まれた句を集めて、先頭の文字の五十音順に並べました。

なお、【補足】の項にも風鈴が詠まれた句がありますので、じっくり鑑賞してみて下さい。

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風鈴の俳句 25選

 

秋近き 風鈴となり ねむられぬ

【作者】三橋鷹女(みつはし たかじょ)

【補足】

「秋近し」も夏の季語です。 

 

 

美しき 風鈴一つ 売れにけり

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

【補足】

 江戸時代末にガラス製の風鈴が流行し、以後は風鈴売りを生業(なりわい)とする者も多くなりました。風鈴の音が呼び込みになったため、他の物売りのように売り声を上げなかったといわれています。

 

 

仮吊の 風鈴しげく 鳴りにけり

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

【補足】

「しげく(繁く)」は「絶え間なく」の意です。

 

 

寒中の 風鈴が鳴る 四温かな

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

【補足】

 寒中とは、二十四節気の小寒から立春までの期間をいいます。

そして、冬に寒い日が 3日ほど続いた後に 4日ほど暖かい日が続き、また再び寒くなるというように、寒さと暖かさが繰り返される気候の変化を三寒四温(さんかんしおん)といいます。

「三寒」や「四温」は冬の季語です。

⇒ 三寒四温とは?

 

 

姿見に 見ゆる風鈴 鳴りにけり

【作者】水原秋櫻子(みずはら しゅうおうし)

【補足】

姿見(すがたみ)とは、全身を映して見るための大型の鏡をいいます。
色彩豊かな絵の風鈴

 

 

涼しさを 風鈴一つ そよぎけり

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】

「そよぐ」とは、「そよそよと音を立てる、わずかに揺れ動く」ことを表現する言葉です。

 

 

月の隈 風鈴ありて 鳴り出づる

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【補足】

次の句も草城のもので、月と風鈴が詠み込まれています。

風鈴や 月光かくも 更けわたり

 

 

風鈴が 一つしかない 眼に赤い

【作者】三橋鷹女

 

 

風鈴と たそがれてゐし ひとりかな

【作者】加藤楸邨(かとう しゅうそん)

【補足】

次の句も楸邨のものです。

焼跡の 葎(むぐら)の一つ 風鈴鳴る 

 

 

風鈴に 起きて寝ざめの よき子かな

【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)

【補足】

次の句も淡路女のもので、風鈴と子供が詠まれています。

風鈴や 一と泣きしたる 児の機嫌

 

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風鈴に 涼しき風の 姿かな

【作者】正岡子規

【補足】

 子規は次の句でも風鈴を詠んでいます。

風鈴の ほのかにすゝし 竹の奥

 

 

風鈴に どこへも行かず 暮しけり

【作者】高橋淡路女

【補足】

 次の句も淡路女のものです。

風鈴の 鳴りまつはるや 思ひごと

 

 

風鈴の 風にちりけり 雲の峯

【作者】正岡子規

【補足】

「雲の峯(みね=峰)」も夏の季語です。

 

 

風鈴の 音が眼帯に ひびくのよ

【作者】三橋鷹女

【補足】

次の句も鷹女のものです。

風鈴に 眠らうとして 眼がひとつ

 

 

風鈴の 紙片は杜甫の 詩なるべし

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

【補足】

 杜甫(とほ)は中国・唐代の詩人で、詩聖(しせい)とも呼ばれています。

二つの鉄製の風鈴

 

 

風鈴の 遠音きこゆる 涼しさよ

【作者】日野草城

 

 

風鈴の 音に月明かき 夜を重ね

【作者】中村汀女

 

 

風鈴の むせび鳴りして 夜半さびし

【作者】原 石鼎

【補足】

「夜半」の読みは「よわ」で、「夜、よなか」の意味です。

 

 

風鈴の もつるるほどに 涼しけれ

【作者】中村汀女

 

 

風鈴の 夜陰に鳴りて 半夏かな

【作者】飯田蛇笏

【補足】

「半夏(はんげ)」は二十四節気の半夏生(はんげしょう)を略したものです。

⇒ 半夏生とは?

 

 

風鈴も 秋立つ音と なりにけり

【作者】高橋淡路女

【補足】

 「秋立つ」「秋来る」「秋に入る」などは秋の季語です。

 

 

風鈴や 古典ほろぶる 劫(とき)ぞなし

【作者】竹下しづの女

【補足】

 仏教用語の「劫(こう)」は、極めて長い時間の単位とされています。

 

 

風鈴や 花にはつらき 風ながら

【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

【補足】

 「花には辛(つら)き風」は、花が散ってしまうくらいの風と解します。

 

 

風鈴を もらひしまゝに 吊しけり

【作者】阿部みどり女

【補足】

みどり女は次の句も詠んでいます。

風鈴の 垣根涼しく 曲りけり

 

 

万緑に なじむ風鈴 昼も夜も

【作者】飯田蛇笏

【補足】

 「万緑(ばんりょく)」とは「一面に緑であること」を意味します。

緑葉の中の風鈴

 

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