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風鈴の俳句 50選 -ふうりん-

鉄製の風鈴

自然に吹く風を利用して風鈴を鳴らせ、その音を聞いて涼しさを感じようという知恵は、とても素晴らしいものです。

暑い夏の日に耳にする風鈴の音色には風情があり、何ともいえないほど心地良く響きます。

このページには、「風鈴の俳句」と呼ぶにふさわしいものを集めてみました。風鈴のある光景が目に浮かぶような作品ばかりなので、是非ともこれらを鑑賞してみて下さい。

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目次

風鈴の俳句について

透明なガラス製の風鈴

夏の季語である「風鈴」が詠み込まれた句を集めて、先頭の文字の五十音順に並べました。

なお、【補足】の項にも風鈴が詠まれた俳句が数句ありますので、じっくり鑑賞してみて下さい。

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風鈴の俳句 50選

 

秋近き 風鈴となり ねむられぬ

【作者】三橋鷹女(みつはし たかじょ)

【補足】「秋近し」も夏の季語です。 

 

美しき 風鈴一つ 売れにけり

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

【補足】江戸時代末にガラス製の風鈴が流行し、以後は風鈴売りを生業(なりわい)とする者も多くなりました。風鈴の音が呼び込みになったため、他の物売りのように売り声を上げなかったといわれています。

 

仮吊の 風鈴しげく 鳴りにけり

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

【補足】「しげく(繁く)」は「絶え間なく」の意です。

 

寒中の 風鈴が鳴る 四温かな

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

【補足】寒中とは、二十四節気の小寒から立春までの期間をいいます。

そして、冬に寒い日が 3日ほど続いた後に 4日ほど暖かい日が続き、また再び寒くなるというように、寒さと暖かさが繰り返される気候の変化を三寒四温(さんかんしおん)といいます。

したがって、「三寒」や「四温」は冬の季語です。

 【関連】⇒ 三寒四温とは?

 

新婚の 新居風鈴 すでになる

【作者】及川貞(おいかわ てい)

 

陶の町 風鈴耳から 耳へ鳴る

【作者】平畑静塔(ひらはた せいとう)

【補足】「陶」の読み方は「すえ(=陶器のこと)」です。

 

姿見に 見ゆる風鈴 鳴りにけり

【作者】水原秋櫻子(みずはら しゅうおうし)

【補足】姿見(すがたみ)とは、全身を映して見るための大型の鏡をいいます。

色彩豊かな絵の風鈴

 

涼しさを 風鈴一つ そよぎけり

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】「そよぐ」とは、「そよそよと音を立てる、わずかに揺れ動く」ことを表現する言葉です。

 

せはしげに 安風鈴の 鳴り通し

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

【補足】「せわしげに」とは、「忙しそうに」という意味です。

 

月の隈 風鈴ありて 鳴り出づる

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【補足】(くま)とは、陰(かげ)になった部分をいいます。

 

野の軒の 風鈴の音や 世の広さ

【作者】中村草田男(なかむら くさたお)

 

万緑に なじむ風鈴 昼も夜も

【作者】飯田蛇笏

【補足】「万緑(ばんりょく)」とは「一面に緑であること」を意味します。

緑葉の中の風鈴

 

孤り居に 風鈴吊れば 黍の風

【作者】杉田久女(すぎた ひさじょ)

【補足】(きび)は、イネ科の一年草です。

 

風鈴が 一つしかない 眼に赤い

【作者】三橋鷹女

 

風鈴と たそがれてゐし ひとりかな

【作者】加藤楸邨(かとう しゅうそん)

【補足】次の句も楸邨のものです。

焼跡の 葎(むぐら)の一つ 風鈴鳴る 

 

風鈴に うつりて小さき 庵かな

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

【補足】(いおり)とは、質素な家のことをいいます。

 

風鈴に 大きな月の かゝりけり

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

 

風鈴に 起きて寝ざめの よき子かな

【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)

 

風鈴に 涼しき風の 姿かな

【作者】正岡子規

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風鈴に 借浴衣して 母の家

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

 

風鈴に きのふとすぎぬ 今日と過ぎ

【作者】阿部みどり女

 

風鈴に どこへも行かず 暮しけり

【作者】高橋淡路女

 

風鈴の 垣根涼しく 曲りけり

【作者】阿部みどり女

 

風鈴の 風にちりけり 雲の峯

【作者】正岡子規

【補足】「雲の峯(みね=峰)」も夏の季語です。

 

風鈴の しきりにさびし 留守の軒

【作者】原 石鼎

 

風鈴の 紙片は杜甫の 詩なるべし

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

【補足】 杜甫(とほ)は中国・唐代の詩人で、詩聖(しせい)とも呼ばれています。

二つの鉄製の風鈴

 

風鈴の そろはぬ音なれ 二つ吊り

【作者】中村汀女

 

風鈴の 遠音きこゆる 涼しさよ

【作者】日野草城

 

風鈴の 鳴りまつはるや 思ひごと

【作者】高橋淡路女

 

風鈴の 音が眼帯に ひびくのよ

【作者】三橋鷹女

【補足】次の句も鷹女のものです。

風鈴に 眠らうとして 眼がひとつ

 

風鈴の 音に月明かき 夜を重ね

【作者】中村汀女

 

風鈴の 音には容喙 せぬつもり

【作者】後藤夜半(ごとう やはん)

【補足】「容喙」の読み方は「ようかい」です。横から口を出すことをいいます。

 

風鈴の ほのかにすゝし 竹の奥

【作者】正岡子規

 

風鈴の むせび鳴りして 夜半さびし

【作者】原 石鼎

【補足】「夜半」の読みは「よわ」で、「夜、よなか」の意味です。

障子に映る風鈴の影

 

風鈴の もつるるほどに 涼しけれ

【作者】中村汀女

 

風鈴の 夜陰に鳴りて 半夏かな

【作者】飯田蛇笏

【補足】「半夏(はんげ)」は二十四節気の半夏生(はんげしょう)を略したものです。

【関連】 ⇒ 半夏生とは?

 

風鈴の 四萬六千日の音

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

【補足】四萬六千日(しまんろくせんにち)とは、7月10日の観音の縁日(えんにち)のことです。

 

風鈴も 秋立つ音と なりにけり

【作者】高橋淡路女

【補足】 「秋立つ」「秋来る」「秋に入る」などは秋の季語です。

 

風鈴や 一座句作に 静まれば

【作者】阿部みどり女

 

風鈴や 糸のほそさに 音すめる

【作者】原 石鼎

 

風鈴や 月光かくも 更けわたり

【作者】日野草城

 

風鈴や 古典ほろぶる 劫(とき)ぞなし

【作者】竹下しづの女

【補足】仏教用語の「劫(こう)」は、極めて長い時間の単位とされています。

軒に吊るされた風鈴

 

風鈴や とかく話の 横にそれ

【作者】鈴木真砂女(すずき まさごじょ)

 

風鈴や 花にはつらき 風ながら

【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

【補足】「花には辛(つら)き風」は、花が散ってしまうくらいの風と解します。

 

風鈴や 一と泣きしたる 児の機嫌

【作者】高橋淡路女

【補足】「児」の読み方は「こ(=子)」です。

 

風鈴を 吊る海よりの 広き風

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

 

風鈴を もらひしまゝに 吊しけり

【作者】阿部みどり女

 

触れてみて 江戸風鈴の 音色かな

【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)

【補足】江戸風鈴(えどふうりん)はガラス製の風鈴で、かつてはビードロ風鈴と呼ばれていました。

 

山ざとに 風鈴きけば さびしもよ

【作者】室生犀星(むろう さいせい)

 

夕風や 風鈴吊れば すぐに鳴る

【作者】日野草城

夕闇の中の風鈴

 


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