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元服(げんぷく)の年齢は時代によって違う?  意味は「成人」でしょ?

元服という言葉は、中学校の授業で初めて聞きました。
その時の先生の説明は「昔は、君たちくらいの年齢で一人前の大人になったんだよ」というようなものでした。

その後に、「それにひきかえ…」とお説教が続いた記憶があります。

この元服とは、いつごろから行なわれていたのでしょうか。
また、由来も気になるので調べてみることにしました。

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元服とは?

元服(げんぷく、げんぶく)とは、日本の男子の成人儀礼です。
この儀式が済めば、成人と認められることになります。

もとは皇室の儀礼でしたが、室町時代以後には民間にも普及し、広く行われるようになりました。

 

元服は、小正月の1月15日に行なわれていたので、この日を「成人の日」の祝日にしたといわれています。

小正月については、こちらをご覧ください。
⇒ 小正月

 

その後、ハッピーマンデー制度によって成人の日の日付は固定されなくなったので、元服との結びつきは感じられなくなってしまいましたね。

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元服の「元」が頭を示し、「服」は身に付けるという意味なので、頭に(冠を)付けるということを表しています。加冠(かかん)あるいは初冠(ういこうぶり)とも言われます。

なお、女子の裳着(もぎ)あるいは着裳(ちゃくも)というものが、男子の元服に相当する成人儀礼です。

 

元服の由来は?

元服の起源は、682年に天武天皇が始めた加冠制度までさかのぼります。これは皇室の儀礼であり、古代中国の成人儀礼「冠礼(かんれい)」に大きな影響を受けています。

 

この冠礼の儀式を受けると

  • 結婚することができる
  • 氏族の一員として、さまざまな行事等に参加できる

というように、成人として認められます。

 

冠礼は男子に行なうもので、女子の場合は笄礼(けいれい)または加笄(かけい)と呼ばれるものでした。男子の加冠の年齢は、周代には20歳、宋代には12~20歳の間に行なってもよいこととされました。

女子の笄礼・加笄は、一般に15歳で行われ、この儀礼の後には結婚が許されました。なお、婚礼が成立しないと20歳で行われていました。

 

日本では、この冠礼の影響を受けて、奈良時代以降に成人儀礼として定着していったのです。

 

大人の仲間入り!
 
 

時代による元服年齢の違いは?

中国の冠礼や笄礼・加笄の年齢が一定でなかったように、日本の元服の年齢も定まってはいませんでした。むしろ、時代によって変化してきたとも言えます。

 

奈良・平安時代には12~16歳(数え年、以下同様とします)で行われた記述がある文献が残存します。

また、室町時代には5~20歳と年齢の幅も広がりをみせます。この頃からは、氏族の始祖の元服年齢に合わせる例が多くなりました。

 

戦国時代の女子には、政略結婚に備えて8~10歳で成人儀礼を行なった例もあります。

江戸時代に入ると年齢が高くなり、女性の場合も元服と呼ばれるようになりました。結婚と同時に、あるいは未婚でも18 ~ 20歳までには行なっていました。

 

 

儀礼のあれこれ

人が生まれて成人するまでには、人生儀礼ともいうべきものがいくつかありますが、それらについてみていきましょう。

 

産湯

赤ちゃんが生まれて、穢れを落とすためにお湯に浸かるのが産湯(うぶゆ)です。

このときのお湯は、産土神(うぶすなかみ、うぶのかみ)様が守る土地の水が良いとされていましたが、現代では、そこまでこだわらなくてもよいでしょう。

 

産飯

赤ちゃんが生まれた後、初めて炊いたご飯を産土神様へお供えしますが、これを産飯(うぶめし)といいます。
赤ちゃんが無事に成長するようにとの願いが込められます。

お七夜

赤ちゃんが生まれて七日目のお祝いがお七夜です。
この日に、正式に名前がつくことになります。

 

お宮参り

お宮参りは、産土神様や菩提寺(ぼだいじ)に赤ちゃんの誕生を感謝するものです。
一般的には、男の子は30日目に、女の子は31日目にお参りをします。

 

お食い初め

お食い初めは、赤ちゃんに歯が生え始めるころに「祝い膳」を用意して、これから一生食べ物に困らないようにという願いを込めて行なう儀式です。
その内容は、地域によって大きな違いがあります。

 

初節句

初節句は、男の子は5月5日の端午の節句に、女の子は3月3日の桃の節句(上巳の節句:じょうしのせっく)にするお祝いです。
元気ですこやかに育ちますようにという願いが込められています。

 

七五三

子どもが7歳、5歳、3歳になったときのお祝いです。
江戸時代に始まったもので、明治以降は11月15日に行なわれるようになりました。

 

まとめ

  • 元服は、日本の男子の成人儀礼で、女子の場合は裳着(もぎ)あるいは着裳(ちゃくも)が相当します。
  • 元服は、古代中国の成人儀礼冠礼(かんれい)に由来します。
  • 元服の年齢に特別な決まりはなく、また時代によっても変化がみられます。

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