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春雨の俳句 30選 -春の雨-

雨の雫をためた桜の花

春に降る雨、春雨は「春の風物詩」ともいえるもので、とても風情があります。

「春雨じゃ、濡れてまいろう」という月形半平太の名台詞もあるように、古くから人々にとって春雨は馴染み深いものであり、和歌、短歌、俳句などに好んで取り入れられてきました。

このページでは、「春雨(はるさめ)」「春(はる)の雨」が詠み込まれた俳句の中から 30句を選んでご紹介しています。春という季節特有の光景が目に浮かぶようなこれらの名句を、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

「春雨」を詠んだ俳句

それでは「春雨」が詠まれた句からみていきましょう。俳句の文字の五十音順に並べてあります。

 

春雨に 敷石長き 宮居かな

【作者】西山泊雲(にしやま はくうん)

【補足】宮居(みやい)とは、神社がある所を意味します。また、皇居(こうきょ)を指す場合もある言葉です。

 

春雨に ぬれてや水も 青う行

【作者】加賀千代女(かがの ちよじょ)

 

春雨の こしたにつたふ 清水哉

【作者】松尾芭蕉(まつお ばしょう)

【補足】「こした」は「木下(=木の下の意)」です。「哉」の読みは「かな」です。

 

春雨や あひるよちよち かど歩き

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

 

春雨や いさよふ月の 海半

【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

【補足】「いさよふ」は「ためらう(ように出た)」の意味です。また、「海半」の読みは「うみなかば」です。

海の上の月と雲

 

春雨や 添水みにゆく 傘二つ

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【補足】添水(そうず)とは、水を利用して音を発生させる装置のことで、「鹿威し(ししおどし)」とも呼ばれます。

 

春雨や 空一様の 薄明り

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

 

はる雨や 猫に踊を をしへる子

【作者】小林一茶

 

春雨や はなればなれの 金屏風

【作者】森川許六(もりかわ きょりく)

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春雨や 蓑の下なる 恋ごろも

【作者】高井几董(たかい きとう)

【補足】(みの)はカヤ・スゲなどを編んで作った雨具です。

 

春雨や 八坂の塔の 下をゆく

【作者】日野草城

【補足】「八坂(やさか)の塔」は京都・法観寺(ほうかんじ)の五重塔の通称です。

 

春雨や 山里ながら 広き道

【作者】原 石鼎

 

春雨や よその燕の ぬれてくる

【作者】正岡子規(まさおか しき)

 

春雨や ものがたりゆく 簑と傘

【作者】与謝蕪村

赤い和傘と木立ち

 

 

「春の雨」を詠んだ俳句

次に「春(はる)の雨」が詠み込まれた俳句をみていきましょう。ニュアンスが「春雨」とは少し違いますね。

 

傘さして 馳け来る女 春の雨

【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)

 

傘さゝぬ まだ人通り 春の雨

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

 

敷き馴れし わが座布団や 春の雨

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

 

しとしとと 雨しとしとと 春の雨

【作者】日野草城

 

寂として 南殿さびしき 春の雨

【作者】芥川龍之介(あくたがわ りゅうのすけ)

【補足】「寂」の読みは「じゃく」です。「南殿」には 2つの意味があります。

  • 紫宸殿(ししんでん=内裏の正殿)の異名としての「南殿(なでん、なんでん)」
  • 桜の一品種である「南殿桜(なでんざくら)」のこと

雨の中の八重桜の花

 

竹藪の 奥もの深く 春の雨

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

【補足】「藪(やぶ)」は「薮」の旧字体です。

 

たよりなや 笠ぬぐ後の 春の雨

【作者】上島鬼貫(うえじま おにつら)

 

ちとやすめ 張子の虎も 春の雨

【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)

【補足】「張子(はりこ)の虎」は、竹や木などの枠や粘土の型に紙などを張り付けて作った虎の玩具です。

 

釣堀に 傘の雫や 春の雨

【作者】尾崎放哉(おざき ほうさい)

【補足】「雫」の読みは「しずく」です。

 

つれづれを 琴にわびしや 春の雨

【作者】夏目漱石

【補足】「つれづれ」とは、「手持ち無沙汰(ぶさた)な様子」を表現する言葉です。

琴と譜面台の載せた楽譜

 

はるの雨 肝癪持を なだめけり

【作者】加藤暁台(かとう きょうたい)

【補足】肝癪持(かんしゃくもち=癇癪持ち)とは、ちょっとした事にも怒りやすい性格の人のことをいいます。

 

文ぬれし ことはりいふや 春のあめ

【作者】黒柳召波(くろやなぎ しょうは)

【補足】「ことはり」とは、説明・理由・言い訳を意味します。

 

ほうろくを かぶつて行や 春の雨

【作者】小林一茶

【補足】「ほうろく(焙烙)」とは、素焼きの土鍋(どなべ)のことです。

 

蓑見ても 旅したく成る 春の雨

【作者】正岡子規

 

湯屋までは ぬれて行けり 春の雨

【作者】小西来山(こにし らいざん)

【補足】湯屋(ゆや)は、風呂屋(=銭湯)のことです。

 

落木の 相美しく 春の雨

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

【補足】落木(らくぼく)とは、葉が散って落ちた木のことをいいます。

林の中の落木

 


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