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俳句の季語で冬らしいもの、らしくないものなど 30【一覧】

白い梅の花

伝統的な俳句であれば季語が含まれていて、それは季節感を表わす重要なものです。しかし、俳句を鑑賞しているときに、季語に定められた季節に違和感を覚えることがあります。

今回は、冬の季語の中でも冬らしいもの、冬の季語であっても冬らしくないもの、冬らしく思えても冬の季語でないものを集めてみました。それぞれを詠んだ俳句も集めましたので、是非チェックしてみて下さい。

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俳句の季語について

「季語」の歴史は古く、和歌が主流であった平安時代後期には成立していました。能因(のういん)は歌学書の『能因歌枕(のういんうたまくら)』において 150ほどの季語を記載しています。

連歌(れんが)が成立した鎌倉時代になると、季語についての定めも発生するようになりました。

そして、季語の数が著しく増加するようになったのは、俳諧が成立した江戸時代のことでした。

一方、明治時代になると従来の旧暦から新暦(現在使用されているグレゴリオ暦)へと暦の改暦が行なわれました。

しかし、季語は旧暦にもとづいた季節を表わしたものです。ですから、現代の私たちが慣れている新暦の感覚では、「季語の表わしている季節」に違和感を覚えるものが出てきてしまうのです。

これらについて、実際にどのようなものがあるのかみていくことにしましょう。

なお、冬の季語とされるものの時期は、現在の暦でいうとおよそ 11・12・1月に該当します。

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冬らしい季語

まず、現代の感覚でも「冬」と感じられて、違和感がないものをみていきましょう。これらはすべて冬の季語です。

 

門の松

月雪の ためにもしたし 門の松

【作者】向井去来(むかい きょらい)

【補足】去来は蕉門十哲(しょうもんじってつ=松尾芭蕉の弟子の中でも、特に優れていた人物 10人)に数えられます。

 

 

寒椿

寒椿 月の照る夜は 葉に隠る

【作者】及川 貞(おいかわ さだ)

 

 

寒の入り

晴天も 猶つめたしや 寒の入

【作者】杉山杉風(すぎやま さんぷう)

【補足】杉風も蕉門十哲の一人に数えられます。

 

 

寒梅

寒梅や 梅の花とは 見つれども

【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

 

 

大寒

大寒や しづかにけむる 茶碗蒸

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

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北風

竹藪に 北風騒ぐ 音ぞかし

【作者】日野草城

 

 

手袋

手袋の 紅き手振りて 歩きけり

【作者】日野草城

 

 

年の市

年の市 線香買に 出ばやな

【作者】松尾芭蕉(まつお ばしょう)

 

 

はつ雪

はつ雪や それは世にある 人の事

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

 

 

日向ぼこり

縁に腰 そのまゝ日向 ぼこりかな

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

【補足】「日向(ひなた)ぼこり」は、日向ぼっこ、日向ぼこと同じです。

日の当たる縁側

 

火鉢

寄り添へば 冷たき瀬戸の 火鉢かな

【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)

 

 

蒲団

蒲団きて 寝たる姿や 東山

【作者】服部嵐雪(はっとり らんせつ)

【補足】嵐雪も蕉門十哲の一人です。

 

 

みぞれ

淋しさの 底ぬけてふる みぞれかな

【作者】内藤丈草(ないとう じょうそう)

【補足】丈草もまた、蕉門十哲に数えられます。

 

 

冬木

山蔭の 水にうつりし 冬木かな

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

 

 

冬空

冬空や 高きにはたき かくる音

【作者】芥川龍之介(あくたがわ りゅうのすけ)

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冬らしくない季語

次は、冬の季語とされていますが、現代の私たちの季節感からすると、冬というには違和感があるようなものです。

 

神無月

空狭き 都に住むや 神無月

【作者】夏目漱石

 

 

木のは

猫の子の くるくる舞や ちる木のは

【作者】小林一茶

 

 

小春

色さめし 造り花売る 小春かな

【作者】正岡子規(まさおか しき)

 

 

芭蕉忌

芭蕉忌や 遅れ生れし 二百年

【作者】野村喜舟(のむら きしゅう)

【補足】芭蕉忌は旧暦の 10月12日で、桃青忌(とうせいき)、翁忌(おきなき)、時雨忌(しぐれき)とも呼ばれています。

 

 

紅葉

たふとが る涙やそめて ちる紅葉

【作者】松尾芭蕉

紅葉

 

 

冬らしくても秋の季語でないもの

そして、冬の季語のように思えても、春の季語とされているものを集めてみました。これらは、現代の暦でおよそ 2・3・4月のものとなります。

 

千輪の 梅の囁き いのち飛ぶ

【作者】三橋鷹女(みつはし たかじょ)

 

 

寒明け

寒明けし月ややひずむ旧山河

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

 

 

さえかへる(冴え返る)

三日月は そるぞ寒は さえかへる

【作者】小林一茶

 

 

実朝忌

日洩れ来し 谷を急ぎて 実朝忌

【作者】石田波郷(いしだ はきょう)

【補足】実朝忌(さねともき)は旧暦の 1月27日です。鎌倉幕府第3代将軍の源実朝は歌人としても知られていて、勅撰和歌集には 92首が入集、小倉百人一首にも選ばれています。

 

 

残雪

残雪に うもれてふるき みやこかな

【作者】久保田万太郎

京都の町

 

 

なだれ

青天や 夜に入りつつも 雪なだれ

【作者】原 石鼎

 

 

二月

おもふこと みなましぐらに 二月来ぬ

【作者】三橋鷹女

 

 

初午

初午に 無官の狐 鳴きにけり

【作者】小林一茶

【補足】初午(はつうま)は、本来旧暦の 2月最初の午の日のことですが、現在では新暦の 2月とされています。

 

 

雪とけ

雪とけや 誠すくなき 水の音

【作者】加賀千代女(かがの ちよじょ)

 

 

余寒

揃はざる 火鉢二つに 余寒かな

【作者】杉田久女(すぎた ひさじょ)

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