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俳句の季語で春らしいもの、春らしくないものなど 30【一覧】

桜の花

伝統的な俳句に含まれている季語は、句の季節感を形成する重要なものです。しかし、季語に定められた季節と実際の季節との間で違和感を覚えることがあります。

このページには、春の季語の中でも春らしいもの、春の季語であっても春らしくないもの、春らしく思えても春の季語でないものを、それぞれを詠んだ俳句とともに集めましたので、是非チェックしてみて下さい。

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俳句の季語について

平安時代後期に主流だったのは和歌でしたが、この頃には既に「季語」が成立していました。能因(のういん)が著した歌学書の『能因歌枕(のういんうたまくら)』には 150ほどの季語が記載されています。

後に俳諧が成立した江戸時代には、季語の数は著しく増加するようになりました。

一方、明治時代には従来の旧暦から新暦(現在使用されているグレゴリオ暦)へと暦の改暦が行なわれました。

しかし、季語は旧暦にもとづいた季節を表わしたものです。したがって、新暦の感覚に慣れている現代の私たちにとっては、「季語の表わしている季節」と実際の季節に違和感を覚えてしまうことがあります。

これらについて、実際にどのようなものがあるのか、それが詠み込まれている俳句とともいみていくことにしましょう。

なお、春の季語とされるものの時期は、現在の暦でいうと、およそ 2・3・4月に該当します。

 

春らしい季語

まず、現代の感覚でも「春」と感じられて、違和感がないものをみていきましょう。これらはすべて春の季語です。

 

うららか

うららかに きのふはとほき むかしかな 

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

【補足】「うららか」を漢字で書き表すと「麗か」となります。

 

朧月

あし音に しる人も有 朧月 

【作者】加賀千代女(かがのちよじょ)

【関連】 朧月の俳句

 

桜餅

大風の 障子閉しぬ 桜餅 

【作者】芥川龍之介(あくたがわ りゅうのすけ)

【関連】 桜餅の俳句

 

春暁

春暁を 覚めし己の ありどころ 

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

【補足】春暁(しゅんぎょう)とは、春の明け方頃のことをいいます。

 

菜の花

菜の花に しぶきて月の 小雨かな 

【作者】西山泊雲(にしやま はくうん)

【関連】 菜の花の俳句

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初ざくら

青空に ひと枝咲きぬ 初ざくら 

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

 

初蝶

初蝶を 見て来しことを 言ひ忘れ 

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

 

花人

花人の 包み負へるは なつかしき 

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

【補足】花人(はなびと)とは、花見をする人のことです。

 

春の日

春の日や 暮れても見ゆる 東山

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

 

春日

母に逢ふ ごとく春日に 甘えをり 

【作者】富安風生

日が差し込む座敷

 

春らしくない季語

次に、春の季語ではあるのですが、現代の私たちからすれば春とはいえないように思えてしまうものをみていきましょう。

 

梅二月 ひかりは風と ともにあり 

【作者】西島麦南(にしじま ばくなん)

【関連】 梅の季語  梅の俳句

 

寒明くる

寒明くる 渓のとどろき くもれども 

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

 

寒明け

寒明けの 幣の浸りし 泉かな 

【作者】飯田蛇笏

 

冴え返る

冴え返る 雲ことごとく 息づくか 

【作者】加藤楸邨(かとう しゅうそん)

【関連】「冴え返る」の俳句

 

実朝忌

村ぬちに 霞ふるなり 実朝忌 

【作者】永田耕衣(ながたこうい)

【補足】鎌倉幕府第3代将軍の源実朝(みなもとのさねとも)の忌日は、旧暦の 1月27日です。

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残雪

残雪に 北斗のふれん ばかりなる 

【作者】加藤楸邨

 

残る雪

みほとけの 前ふくいくと 残る雪 

【作者】大野林火(おおの りんか)

 

初午

初午や 人のとだゆる 宵の口 

【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)

【補足】初午(はつうま)とは 2月の最初の午(うま)の日のことで、稲荷詣での風習が古くからあります。現代では、新暦で初午の行事を行なうことが多くなりました。

【関連】 初午の俳句

 

雪解

晴天の 枝に鳥来る 雪解かな 

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

【関連】 雪解けの俳句

 

余寒

思ひ出て 薬湯たてる 余寒哉 

【作者】黒柳召波(くろやなぎ しょうは)

桜

 

春らしくても春の季語でないもの

最後に、春の季語のように思えても、実際には夏の季語であるものを集めてみました。これらは、現代の暦でおよそ 5・6・7月のものが該当します。

 

あやめ

音なしに 風もしのぶや 軒あやめ 

【作者】加賀千代女(かがのちよじょ)

 

卯月

卯月来ぬ ましろき紙に 書くことば 

【作者】三橋鷹女(みつはし たかじょ)

【補足】卯月(うづき)は旧暦4月の名称です。

【関連】 卯月の俳句

 

鯉幟(こいのぼり)

鯉幟 風に折れ又 風に伸ぶ 

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

 

五月

二人ゆく 五月の路や 水近し 

【作者】長谷川かな女

 

新樹

この新樹 月光さへも 重しとす 

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

 

新茶

白きへと 移る山吹 新茶くむ 

【作者】皆吉爽雨(みなよし そうう)

【関連】 新茶の俳句

 

新緑

新緑の 雨に紅茶の かんばしく 

【作者】日野草城

【関連】 新緑の俳句  万緑の俳句

 

竹の子

竹の子や その日のうちに ひとり立 

【作者】加賀千代女

 

粽(ちまき)

笹粽 ほどきほどきて 相別れ 

【作者】川端茅舎(かわばた ぼうしゃ)

【補足】柏餅、端午なども夏の季語です。

 

若葉

風若葉 うらがへりては 色を消す 

【作者】山口青邨

若葉

 

 


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