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俳句の季語で夏らしいもの、夏らしくないものなど 30【一覧】

風鈴と夏の空

伝統的な俳句には、季語が含まれています。そして、季語は季節感を表わす重要なものとされています。しかし、俳句から季語だけを取り出してみると、それぞれの季語に定められた季節と実際の感覚にずれを感じることがあります。

そこで、このページには夏の季語で夏らしいもの、夏の季語であっても夏らしくないもの、夏らしくても夏の季語でないものを集めました。また、それぞれを用いた俳句も選びましたので、是非鑑賞してみて下さい。

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俳句の季語について

「季語」という概念が成立したのは、和歌が主流であった平安時代の後期のことでした。『能因歌枕(のういんうたまくら=能因が著した歌学書)』には 150の季語が記されています。

鎌倉時代になって連歌(れんが)が成立すると、季語についての定めも発生し、季語に関した議論も行われるようななりました。

後の江戸時代に俳諧が成立してからは、日常生活の素材などからも季語が生まれるようになり、その数は著しく増加していきました。

季語が表わす季節は、従来の暦である旧暦にもとづいたものです。そして、明治時代に改暦が行なわれ、旧暦から新暦(現在使用されている暦)へと暦が移行しました。

このために、私たちが現在の暦の感覚で「季語の表わす季節」をとらえようとすると、違和感を感じてしまうものがあるのです。それらを、次の項からみていくことにしましょう。

なお、夏の季語とされるものの時期は、現在の暦でいうとおよそ 5・6・7月に当てはまります。

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夏らしい季語

まず、現代の感覚でも違和感なく「夏」と感じられるものをみていきましょう。これらはすべて夏の季語です。

 

団扇(うちわ)

団扇もて あふがん人の うしろむき

【作者】松尾芭蕉(まつお ばしょう)

 

水中花

月さすや 沈みてありし 水中花

【作者】前田普羅(まえだ ふら)

 

日傘

顔かくし 行過ぎたりし 日傘かな

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

 

向日葵(ひまわり)

向日葵の 空かがやけり 波の群

【作者】水原秋櫻子(みずはら しゅうおうし)

【関連】 向日葵の俳句

 

虹を見て 思ひ思ひに 美しき

【作者】高浜虚子

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昼寝

現身の 何も残らず 昼寝覚め

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

 

風鈴

風鈴に 大きな月の かかりけり

【作者】高浜虚子

【関連】 風鈴の俳句

 

窓に寝て 雲をたのしむ 蛍哉

梨壺(なしつぼ)の 五匁(もんめ)膳や 飛ぶ蛍

【作者】各務支考(かがみ しこう)

【関連】 蛍の俳句

 

夕立

夕立や けろりと立ちし 女郎花(おみなえし)

夕立の すんでにぎはふ 野町哉

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

【関連】 夕立の俳句

 

浴衣

浴衣着て 瓜買ひに行く 袖もがな

【作者】宝井其角(たからい きかく)

【関連】 浴衣の俳句

浴衣姿の女性

 

夏らしくない季語

次に、夏の季語ではあるのですが、現代の私たちからすれば夏とはいえないように思えてしまうものをみていきましょう。

 

紫陽花

紫陽花(あじさい)の 花に日を経る 湯治(とうじ)かな

【作者】高浜虚子

【関連】 紫陽花の俳句

 

柏餅

てのひらに のせてくださる 柏餅

【作者】後藤夜半(ごとう やはん)

【補足】ちまき、端午なども夏の季語です。

 

鯉幟(こいのぼり)

風吹けば 来るや隣の 鯉幟

【作者】高浜虚子

 

五月(さつき)

うすうすと 窓に日のさす 五月かな

【作者】正岡子規(まさおか しき)

 

五月晴れ

男より 女いそがし さ月晴

【作者】横井也有(よこい やゆう)

 

五月雨

さみだれに 持ちあつかふや 蛇目傘(じゃのめがさ)

【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)

【関連】 五月雨の俳句

 

新緑

新緑に 美貌の母を 子が誇る

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

【関連】 新緑の俳句

 

梅雨

正直に 梅雨雷の 一つかな

【作者】小林一茶

【関連】 梅雨の俳句

 

葉桜

葉桜は つまらぬものよ 隅田川

葉桜や 昔の人と 立咄(たちばなし)

【作者】正岡子規

 

麦の秋

けさもまた 雨うとましや 麦の秋

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

青い紫陽花の花

 

夏らしくても夏の季語でないもの

最後に、夏の季語のように思えても、実際には秋の季語であるものを集めてみました。これらは、現代の暦でおよそ 8・9・10月のものが該当します。

 

朝顔

朝顔の さまざま色を 尽す哉

【作者】正岡子規

【関連】 朝顔の俳句

 

天の川

天の川 ねむらんとして 美しき

【作者】加藤楸邨(かとう しゅうそん)

 

稲妻

稲妻に 裾をぬらすや 石の上

【作者】加賀千代女(かがのちよじょ)

 

残暑

あをあをと 夕空澄みて 残暑かな

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

 

大文字

銀閣に 浪花の人や 大文字

【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

 

七夕

うれしさや 七夕竹の 中を行く

七夕や およそやもめの 涙雨

【作者】正岡子規

【関連】 七夕の俳句

 

墓参り

夕月や 涼がてらの 墓参

【作者】小林一茶

 

蜩(ひぐらし)

ひぐらしの 鳴く音にはずす 轡(くつわ)かな

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

 

盆の月

盆の月 こよひは盈(み)ちぬ 照りにけり

【作者】日野草城

 

迎え火

迎火や 恋しき親の 顔知らず

【作者】村上鬼城(むらかみ きじょう)

【補足】「送り火」も秋の季語です。

七夕飾り

 


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⇒ 夏の俳句 ベスト20

⇒ 有名な俳句 30

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