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小野小町の和歌 17首 【現代語訳】付き

十二単の女性

小野小町(おのの こまち)には六歌仙、三十六歌仙という称号までありながら、出生をはじめとして経歴が定かではありません。そのため、架空の人物であるという説まで存在します。しかし、小町の和歌とされるものは、いずれも群を抜いているものばかりです。

また、絶世の美女としての逸話も多く残っています。美しい歌から想像されるのは、やはりそれに見合うだけの器量ではないでしょうか。

ここでは、小野小町の和歌を選び出して、平安の世の人々の思いを感じてみることにしましょう。

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目次

小野小町の和歌について

「小野小町の和歌」に関しては議論があります。

古今和歌集(こきんわかしゅう)』に収録されているものは小町のものとするのが通説ですが、その他の歌集のものは疑義が生じます。

例えば、後世の『小野小町集』には小町の作とされる歌が多く収められていますが、正確な判別には難しいものがあります。

そこで、今回は古今和歌集の歌に限って選出し、私の意訳を付しました。なお、頭の文字の五十音順に並べてあります。

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小野小町の和歌 17首

 

秋風に あふたのみこそ悲しけれ わが身むなしくなりぬと思へば

【現代語訳】秋風に吹かれる田の実は本当に悲しいものです。飽きられて私がむなしい身となってしまったことを思うと。

【補足】「田の実」と「頼み」を掛けています。

(古今和歌集822)

 

 

秋の夜も 名のみなりけり逢ふといへば 事ぞともなく明けぬるものを

【現代語訳】秋の夜長というのも名ばかりですね。想いの人に逢えばあっけなく明けてしまったのですから。

(古今和歌集635)

 

 

あはれてふ ことこそうたて世の中を 思ひはなれぬほだしなりけれ

【現代語訳】「あはれ」という言葉こそ特に、世間とのつながりを断ち切れない妨げになっているのです。

(古今和歌集939)

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海人のすむ 里のしるべにあらなくに うらみむとのみ人の言ふらむ

【現代語訳】海人の住む里の道案内人でもないのに、なぜ人は「うらみむ」とだけ私に言うのでしょうか。

【補足】「浦見む」と「恨みむ」と掛けています。

(古今和歌集727)

 

 

いとせめて 恋しき時はむばたまの 夜の衣をかへしてぞ着る

【現代語訳】どうしようもないほど恋しいと思うときには、夜の衣を裏返しにして着ます。

【補足】「むばたまの」は、夜の枕詞(まくらことば)です。

(古今和歌集554)

 

衣桁の着物

 

 

今はとて わが身時雨にふりぬれば 言の葉さへにうつろひにけり

【現代語訳】今はもう、私の身も時雨に降られた木の葉のように古びてしまったので、あなたの言葉も変わってしまいました。

【補足】「降りぬ」と「経りぬ」を掛けています。

(古今和歌集782)

 

 

色見えで 移ろふものは世の中の 人の心の花にぞありける

【現代語訳】色に見えずに変わっていくのは、世の中の人の心の中にある花なのですね。

(古今和歌集797)

 

 

うたた寝に 恋しき人を見てしより 夢てふものはたのみそめてき

【現代語訳】うたた寝をして恋しい人を見てからは、夢というものを頼みとするようになってしまいました。

(古今和歌集553)

 

 

うつつには さもこそあらめ夢にさへ 人めをもると見るがわびしさ

【現代語訳】現実では仕方がないこともあるでしょうが、夢の中でさえ人の目を気にしているのを見るはわびしいものです。

(古今和歌集656)

 

 

思ひつつ 寝ればや人の見えつらむ 夢と知りせば覚めざらましを

【現代語訳】思い続けながら寝入ったからあの人を見ることができたのでしょうか。夢だと知っていれば目を覚まさなかったのに。

(古今和歌集552)

 

夜明けの月と桜

 

 

おろかなる 涙ぞ袖に玉はなす 我はせきあへずたぎつ瀬なれば

【現代語訳】袖に玉となるくらいの涙はたいしたことありません。私はせき止められずに激しい流れになっています。

(古今和歌集557)

 

 

かぎりなき 思ひのままに夜も来む 夢路をさへに人はとがめじ

【現代語訳】限りのない思いのままに、夜も来るとしましょう。夢の中で通うことまでは人もとがめないでしょう。

(古今和歌集657)

 

 

花の色は 移りにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに

【現代語訳】花の色は、むなしくも色があせて変わってしまいました。物思いにふけって長雨を眺めているうちに…

【補足】「長雨」と「眺め」を掛けています。

(古今和歌集113)

 

 

人に逢はむ 月のなきには思ひおきて 胸はしり火に心やけをり

【現代語訳】想う人に逢う手立てのない夜には起きていても、胸を焦がす火に心が焼けてしまいます。

【補足】「月」と「つき(手段、方法)」、「起き」と「熾き(赤く燃える炭火)」を掛けています。

(古今和歌集1030)

 

 

みるめなき 我が身をうらと知らねばや かれなで海士の足たゆく来る

【現代語訳】逢おうという気持ちが私にないのを知らないで、あきらめずに足が疲れても通って来るのですね。

【補足】「みるめ(海松布)」とは、海草の名前です。

(古今和歌集623)

 

深夜の海辺

 

 

夢路には 足もやすめず通へども うつつにひとめ見しごとはあらず

【現代語訳】夢の中では足も休めずに通っていますけれど、現実に一目見た時のことには比べようもありません。

【補足】「一目(ひとめ)」と「人目」を掛けています。

(古今和歌集658)

 

 

わびぬれば 身を浮草の根をたえて さそふ水あらばいなむとぞ思ふ

【現代語訳】侘びしい思いをしていて、この身は根のない浮草のようなので、誘う水があれば行こうと思います。

(古今和歌集938)

 

【関連項目】

⇒ 桜の和歌 100首

⇒ 菅原道真の和歌 30首

⇒ 有名な和歌 15首

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