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高浜虚子の俳句 100選 -春夏秋冬-

高浜虚子の句碑

高浜虚子(たかはま きょし)は『客観写生』『花鳥諷詠(かちょうふうえい)』を唱えた俳人であり、生涯に詠んだ句は 10万句以上といわれています。

正岡子規の客観主義を継承し、伝統的な俳句をつらぬきました。大正から昭和期には俳壇で高い位置にあったといえるでしょう。

今回は、高浜虚子の俳句の中から、季語で分けた春、夏、秋、冬の俳句をそれぞれ 25句ずつ、合計で 100句を選びました。是非とも、これらをゆっくりと味わってみて下さい。

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目次

高浜虚子の春の俳句 25

 

足もとに 春の寒さの 残りをり

【季語】春寒

 

 

鶯や 文字も知らずに 歌心

【季語】鶯

 

 

美しく 残れる雪を 踏むまじく

【季語】残れる月

 

 

朧とは 今日の隅田の 月のこと

【季語】朧

 

 

陽炎に 包まれ遊ぶ 子供かな

【季語】陽炎

 

 

鎌倉に 実朝忌あり 美しき

【季語】鎌倉

【補足】鎌倉幕府第3代将軍であった源実朝(みなもとのさねとも)の忌日は、旧暦の 1月27日です。

勅撰和歌集に 92首が入集している歌人でもあり、小倉百人一首には次の歌が採られています。

世の中は つねにもがもななぎさこぐ あまの小舟の 綱手かなしも

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考へを 文字に移して 梅の花

【季語】梅

 

 

脇息に 手を置き春を 惜みけり

【季語】春

【補足】脇息(きょうそく)は、座ったときに脇において肘(ひじ)をつくための道具です。

 

 

山門も 伽藍も花の 雲の上

【季語】花の雲

【補足】山門(さんもん)は仏教寺院の正門のことで、伽藍(がらん)は寺院の建物の総称です。

 

 

春宵や 柱のかげの 少納言

【季語】春宵

 

 

春雷や 女ばかりの 雛の宿

【季語】春雷

 

 

先人も 惜みし命 二日灸

【季語】二日灸

【補足】旧暦の 2月2日にお灸(きゅう)をすえると、お灸の効能が倍になるといわれています。また、旧暦 8月2日にも二日灸の風習がありますが、俳句では主に二月の二日灸が詠まれます。

ヨモギの葉

 

 

提灯の 照らせる空や 夜の梅

【季語】梅

 

 

何もなき 床に置きけり 福寿草

【季語】福寿草

 

 

花の雨 強くなりつつ 明るさよ

【季語】花の雨

 

 

花人に 押され十三 詣かな

【季語】十三詣

【補足】花人(はなびと)とは、花見をする人のことをいいます。

また、十三詣(じゅうさんもうで)は、数え年で 13歳になった男女のお祝いで、かつては旧暦の 3月13日に行なわれていました。

 

 

春惜む 命惜むに 異らず

【季語】春惜しむ

 

 

春寒も いつまでつづく 梅椿

【季語】春寒

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春雨の 衣桁に重し 恋衣

【季語】春雨

【補足】衣桁(いこう)とは、部屋の中で衣類などを掛けておくための道具です。

衣桁

 

 

風船の 子の手離れて 松の上

【季語】松

 

 

牡丹餅に 夕飯遅き 彼岸かな

【季語】彼岸

【補足】お彼岸のお供え物は、春が牡丹餅(ぼたもち)、秋が御萩(おはぎ)です。春に咲く牡丹と秋の萩にちなんで名づけられています。

 

 

山里の 雛の花は 猫柳

【季語】雛

 

 

山寺や 人も詣らぬ 花御堂

【季語】花御堂

 

 

楼上に 客たり花は 主たり

【季語】花

 

 

老僧と 一期一会や 春惜しし

【季語】春惜し

【補足】一期一会(いちごいちえ)とは、茶道(さどう)に由来する言葉で、「茶会にの際には、それが一生に一度の出会いであるとを心得て、主・客ともに互いに誠意を尽くす心構え持つべき」という意味合いを持ちます。

抹茶とお茶菓子

 

 

高浜虚子の夏の俳句 25

 

一様に 筍さげし 土産かな

【季語】筍(たけのこ)

 

 

いつ死ぬる 金魚と知らず 美しき

【季語】金魚

 

 

顔かくし 行過ぎたりし 日傘かな

【季語】日傘

 

 

行水の 女にほれる 烏かな

【季語】行水

 

 

京伝も 一九も居るや 夕涼み

【季語】夕涼み

【補足】山東京伝(さんとう きょうでん)と十返舎 一九(じっぺんしゃ いっく)は、ともに江戸時代後期の浮世絵師、戯作者(げさくしゃ)です。

 

 

早乙女の 重なり下りし 植田かな

【季語】早乙女

【補足】早乙女(さおとめ)とは、田に苗を植える女性のことをいいます。

 

 

静かさは 筧の清水 音たてて

【季語】清水

【補足】筧(かけい)とは、水を導くための樋(とい)のことです。

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セルを着て 病ありとも 見えぬかな

【季語】セル

【補足】セルは、毛織物の生地の名前です。

 

 

底の石 ほと動き湧く 清水かな

【季語】清水

 

 

月青く かかる極暑の 夜の町

【季語】極暑

 

 

寺の門 はひらんとして 風涼し

【季語】涼し

 

 

梅雨といふ 暗き頁の 暦かな

【季語】梅雨

雨の庭先

 

 

徳川の 三百年の 夏木あり

【季語】夏木

 

 

長梅雨の 明けて大きな 月ありぬ

【季語】梅雨

 

 

夏山に 東山あり 京に来し

【季語】夏山

 

 

虹を見て 思ひ思ひに 美しき

【季語】虹

 

 

虹立ちて 雨逃げて行く 廣野かな

【季語】虹

 

 

俳諧の 灯ともりけり 月見草

【季語】月見草

 

 

風鈴に 大きな月の かかりけり

【季語】風鈴

 

 

蛍火の 今宵の闇の 美しき

【季語】蛍火

 

 

ほととぎす 鳴くや仕合せ 不仕合せ

【季語】ほととぎす

 

 

短夜や 夢も現も 同じこと

【季語】短夜

 

 

山寺に 避暑の命を 托しけり

【季語】避暑

 

 

病む人の 蚊遣見てゐる 蚊帳の中

【季語】蚊帳

 

 

緑蔭に ありて一歩も 出でずをり

【季語】緑陰

緑陰

 

 

高浜虚子の秋の俳句 25

 

秋風に 草の一葉の うちふるふ

【季語】秋風

 

 

秋風や 眼中のもの 皆俳句

【季語】秋風

 

 

秋雲は 老の心に さも似たり

【季語】秋雲

 

 

秋雨や 身をちぢめたる 傘の下

【季語】秋雨

 

 

十六夜の 月も待つなる 母子かな

【季語】十六夜

【補足】十六夜(いざよい)とは旧暦8月16日の夜、または、その夜の月のことをいいます。

 

 

鰯雲 日和いよいよ 定まりぬ

【季語】鰯雲

 

 

枝豆を 喰へば雨月の 情あり

【季語】枝豆、雨月

 

 

雲あれど 無きが如くに 秋日和

【季語】秋日和

 

 

快き 秋の日和の 匂ひかな

【季語】秋日和

 

 

人生は 陳腐なるかな 走馬燈

【季語】走馬燈

【補足】走馬燈(そうまとう)は、影絵が回転しながら写る灯籠(とうろう)の一種で、回り灯籠とも呼ばれます。中国から渡来したもので、江戸時代の中頃から夏の夜の娯楽として親しまれました。

 

 

千年の 秋の山裾 善光寺

【季語】善光寺

 

 

七夕の 歌書く人に よりそひぬ

【季語】七夕

七夕飾り

 

 

月を待つ 立待月と いふ名あり

【季語】立待月

【補足】立待月(たちまちづき)とは、旧暦 17日の月の呼び名で、「月の出るのが待ち遠しく、立ったまま待つ」ということから名づけられました。

 

 

手をかざし 祇園詣や 秋日和

【季語】秋日和

 

 

俳諧の 忌日は多し 萩の露

【季語】萩

【補足】虚子の命日は 4月8日で、釈迦の生誕日とされる日です。

 

 

日のくれと 子供が言ひて 秋の暮

【季語】秋の暮

 

 

鬼灯は まことしやかに 赤らみぬ

【季語】鬼灯

 

 

松虫に 恋しき人の 書斎かな

【季語】松虫

 

 

三日月の にほやかにして 情あり

【季語】三日月

 

 

やうやうに 残る暑さも 萩の露

【季語】残る暑さ

 

 

 

破れ傘 さして遊ぶ子 秋の雨

【季語】秋の雨

 

 

行秋や 短冊掛の 暮春の句

【季語】行秋

 

 

湯を出でて 秋風吹いて 汗も無く

【季語】秋風

 

 

老人と 子供と多し 秋祭

【季語】秋祭

 

 

立秋の 雲の動きの なつかしき

【季語】立秋

 

秋の青空

 

 

高浜虚子の冬の俳句 25

 

一日も おろそかならず 古暦

【季語】古暦

【補足】一般的には、古暦とは年末に数日程度を残した暦のことをいいます。

 

 

井戸端に 仮に積み置く 冬木かな

【季語】冬木

 

 

寒菊や 年々同じ 庭の隅

【季語】寒菊

 

 

観音は 近づきやすし 除夜詣

【季語】観音

【補足】除夜詣(じょやもうで)とは、大晦日(おおみそか)の晩に寺社に参拝することをいいます。

 

 

梢より 銀杏落葉の さそひ落つ

【季語】銀杏落葉

 

 

暦賣 夢判断も 取揃へ

【季語】暦賣

【補足】かつては、十二月になると街角で暦が立ち売りされていました。現在でも、暮に大きな神社などでは暦売を見かけることがあります。

 

 

山茶花の 花のこぼれに 掃きとどむ

【季語】山茶花

 

 

しづかにも 漕ぎ上る見ゆ 雪見舟

【季語】雪見

 

 

霜やけの 手をかくしけり 袖の中

【季語】霜やけ

 

 

水仙に 春待つ心 定まりぬ

【季語】水仙

 

 

過ぎて行く 日を惜しみつつ 春を待つ

【季語】春を待つ

 

 

大安の 日を余しけり 古暦

【季語】古暦

 

 

なつかしき 京の底冷え 覚えつゝ

【季語】底冷え

雪の庭先

 

 

何やらが もげて悲しき 熊手かな

【季語】熊手

 

 

念力の ゆるみし小春 日和かな

【季語】小春日和

【補足】小春(こはる)は旧暦 10月の異名です。また、小春日和(こはるびより)とは、晩秋から初冬にかけての穏やかな天候のことをいいます。

 

 

能を見て 故人に逢ひし 師走かな

【季語】師走

 

 

掃きすてし 今朝のほこりや 霜柱

【季語】霜柱

 

 

初時雨 これより心 定まりぬ

【季語】初時雨

 

 

百年の 煤も掃かずに 囲炉裏かな

【季語】囲炉裏

 

 

冬の山 低きところや 法隆寺

【季語】冬の山

 

 

満開に して淋しさや 寒桜

【季語】寒桜

 

 

虎落笛 眠に落ちる 子供かな

【季語】虎落笛(もがりぶえ)とは、冬の強い風が垣根や柵などに吹きつけたときに出る、笛のような音のことをいいます。

 

 

山越えて 来たり峠は 雪なりし

【季語】雪

 

 

雪かぶる 日もありて咲く 冬椿

【季語】冬椿

 

 

世の中を 遊びごゝろや 氷柱折る

【季語】氷柱(つらら)

三十槌の氷柱

 

 

高浜虚子に師事した俳人

高浜虚子は、俳誌『ほとゝぎす(後に、ホトトギス)』を継承し、俳壇の中心人物となっていきました。そして、虚子を師事した俳人は数多くおり、次のような人物もいます。

  • 阿波野青畝(あわの せいほ)
  • 飯田蛇笏(いいだ だこつ)
  • 川端茅舎(かわばた ぼうしゃ)
  • 杉田久女(すぎた ひさじょ)
  • 高野素十(たかの すじゅう)
  • 竹下しづの女
  • 富安風生(とみやす ふうせい)
  • 西山泊雲(にしやま はくうん)
  • 原 石鼎(はら せきてい)
  • 星野立子(ほしの たつこ=虚子の次女)
  • 前田普羅(まえだ ふら)
  • 松本たかし
  • 水原秋櫻子(みずはら しゅうおうし)
  • 山口誓子(やまぐち せいし)

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