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みかん(蜜柑)の季語と俳句 30選

みかんの実と雪

みかんは私たちにとって、とても身近な果物です。特に、お正月をはじめ冬の季節には、欠くことができない食べ物といってもよいでしょう。

そして、みかんは数多くの俳句に、親しみをもって詠み込まれてきました。

このページには、みかんに関する季語と、それらが詠まれた俳句を集めました。みかんがある風景が目に浮かぶ俳句、みかんの香りが感じられるような俳句などを、是非とも味わってみて下さい。

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目次

みかんの季語

 

蜜柑

俳句において、単に「蜜柑(みかん)」とした場合には冬の季語となります。

みかんで名前がよく知られているものに、次のようなものがあります。

  • 温州蜜柑(うんしゅうみかん):中国浙江省(せっこうしょう)・温州が柑橘類の名産地であったことから、「温州」の名前が付けられました
  • 紀州蜜柑(きしゅうみかん):15世紀頃から紀州・有田(現在の和歌山県有田市)で大いに栽培されたことから「紀州」の名前が付けられました
  • 伊予蜜柑(いよみかん):主に伊予(現在の愛媛)で生産されるもので、かつては「穴門(あなと)みかん」と呼ばれていました。

なお、みかんの花は初夏に開き、秋の終わりから冬の初め頃に実が熟します。

このことから、みかんに関係する季語が以下のように派生しています。

 

蜜柑畑

蜜柑畑(みかんばたけ)は、南または西向きの暖かい斜面に作らます。冬の季語となります。

 

蜜柑山

蜜柑山(みかんやま)も冬の季語です。

 

蜜柑飾る

お正月のお祝いに、蜜柑を鏡餅に載せたり、注連縄(しめなわ)や蓬莱(ほうらい)などの正月飾りに添えることをいいます。

季語としては、冬(新年)のものとなります。

 

春の蜜柑

春に採れる蜜柑のことをいい、春の季語となります。

春先に実がなった蜜柑

 

夏蜜柑

かつては「夏柑(なつかん)」「夏橙(なつだいだい)」と呼ばれていましたが、明治時代の終わり頃から「夏蜜柑」という名前が広まりました。

俳句では、夏の季語として用いられます。

 

夏蜜柑の花

5月頃に、五弁の白い花が咲きます。夏の季語となります。

 

花蜜柑

花蜜柑は「蜜柑の花」という意味で、夏の季語です。
 

 

青蜜柑

実がまだ赤くなっていない青いものをいい、俳句では秋の季語です。

 

早生蜜柑

早生蜜柑(わせみかん)とは、温州蜜柑の早成りのものをいいます。俳句では秋の季語となります。

 


以上のように、みかんに関して四季にわたった季語があります。これらを下の表にまとめました。

季語 季節
 蜜柑 冬   
 蜜柑畑
 蜜柑山
 蜜柑飾る 冬(新年) 
 春の蜜柑
 夏蜜柑
 夏蜜柑の花
 花蜜柑
 青蜜柑
 早生蜜柑

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みかんの俳句 30選

 

青みかん 青きころもを はがしけり

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

 

雨の日は 昼の灯多し 蜜柑村

【作者】中村草田男(なかむら くさたお)

 

海の日に 実をまるだしの 蜜柑山

【作者】鷹羽狩行(たかは しゅぎょう)

 

海峡の 雨来て蜜柑 しづく垂る

【作者】西東三鬼(さいとう さんき)

 

かがみ餅 蜜柑はうまき 時分なり

【作者】森川許六(もりかわ きょりく)

【補足】時分(じぶん)とは、「時期、ほどよいころあい」という意味です。

 

からかさを 山の蜜柑が とんと打つ

【作者】西東三鬼

【補足】からかさは傘のことで、古くには割り竹の骨に紙を張ったものをいいました。

 

紀の国は 蜜柑できくや 郭公

【作者】森川許六

【補足】「紀の国(きのくに)」は、現在の和歌山と三重南部に相当します。

 

君が掌の 一顆の蜜柑 いつ剥かる

【作者】加藤楸邨(かとう しゅうそん)

【補足】「掌」「剥かる」の読み方は、それぞれ「て」「むかる」です。一顆(いっか)とは、一粒(ひとつぶ)という意味です。

 

濃かりける 日蔭日向や 蜜柑山

【作者】松本たかし(まつもと たかし)

【補足】「日蔭日向」の読み方は「ひかげひなた」です。

 

探しもの 又して疲れ 蜜柑むく

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

熟した蜜柑の実

 

笊に入れて 置く双六の 蜜柑かな

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ) ざる

【補足】「笊」「双六」の読み方は、それぞれ「ざる」「すごろく」です。

 

十二月 余白なくなる 蜜柑の酸

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

【補足】「酸」の読み方は「す」です。

 

千客去りて 蜜柑の皮の 狼藉たり

【作者】尾崎紅葉(おざき こうよう)

【補足】狼藉(ろうぜき)とは、散らかった様子を表現する言葉です。

 

太陽の 国の蜜柑の 実の裸

【作者】鷹羽狩行

 

旅人の 蜜柑くひ行く 枯野かな

【作者】正岡子規(まさおか しき)

 

短日の 陽のうらうらと 蜜柑山

【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)

【補足】短日(たんじつ)も冬の季語です。

 

熱下りて 蜜柑むく子の 機嫌よく

【作者】杉田久女(すぎた ひさじょ)

 

葉むらより 逃げ去るばかり 熟蜜柑

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

 

日向ぼこ 蜜柑山にて 糖化して

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

 

冬待ちつ やゝ黄ばむ庭の 蜜柑哉

【作者】正岡子規

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蜜柑喰ふ その深緑の 葉を無視し

【作者】平畑静塔(ひらはた せいとう)

 

蜜柑吸ふ 目の恍惚を ともにせり

【作者】加藤楸邨

 

蜜柑むいて 寒さわかたん 雛かな

【作者】渡辺水巴(わたなべ すいは)

【補足】「雛」の読み方は「ひいな、ひな」です。

 

蜜柑むく 爪のいかさま 苦爪かな

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

 

蜜柑もぐ 心動きて 下りたちぬ

【作者】杉田久女

 

蜜柑山 黄のまんだらに 大き寺

【作者】大野林火(おおの りんか)

 

道々に 蜜柑の皮を こぼし行く

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

 

ゆく秋の なほ頼もしや 青蜜柑

【作者】松尾芭蕉(まつお ばしょう)

 

累々と 徳孤ならずの 蜜柑哉

【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)

【補足】累々(るいるい)は、重なり合う様子を表現する言葉です。この句は、論語の「徳は孤ならず必ず隣有り(=徳のある者は一人になることはなく、必ず理解してくれる人が近くにいるという意)」を踏まえたものです。

 

をとめ今 たべし蜜柑の 香をまとひ

【作者】日野草城

白い蜜柑の花

 


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