奈良の俳句 30選 -典雅-

奈良の吉野山

奈良に関する俳句といえば、私は正岡子規の「柿くへば~」の句が思い浮かびます。

また、奈良という語には、「奈良の都」と呼ばれていた時代に思いを巡らせたくなるような力があるように感じます。

今回は、奈良の俳句といえるものを集めてみました。これらはいずれも奈良の歴史を感じさせるような素晴らしいものなので、是非ともチェックしてみて下さい。

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目次

奈良の俳句について

ここでは奈良の地名や寺院などが詠み込まれているものを 30句を選び、五十音順に並べました。これらは春、夏、秋、冬の奈良の風情を見事に表わしているものばかりですので、是非その素晴らしさを味わってみて下さい。

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奈良の俳句 30選

 

秋の燈や ゆかしき奈良の 道具市

【季語】秋の燈(秋)

【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

 

 

行くにつれ 奈良へ退く 奈良の月

【季語】月(秋)

【作者】山口誓子(やまぐち せいし) 

 

 

稲雀  法華寺御殿 覆ひ飛べり

【季語】稲雀(秋)

【作者】尾崎迷堂(おざき めいどう)

【補足】稲雀(いなすずめ)とは、稲が実ると群れでやってきてそれをついばむ雀のことをいいます。

 

 

今幾日 秋の夜話を 春日山

【季語】秋

【作者】宝井其角(たからい きかく)

 

 

香具山は 畝傍を愛しと 添い霞

【季語】霞(春)

【作者】松本たかし

【補足】畝傍山(うねびやま)も奈良盆地にある山です。

 

 

春日野の 片端麦を 蒔そめぬ

【季語】麦を蒔(冬)

【作者】加藤暁台(かとう きょうたい)

【補足】麦蒔(むぎまき)は本格的な寒さが訪れる前に終わりますが、麦の種類や気候によって時期には幅があります。

平城宮跡

 

 

春日野の 藤を華鬘と なしたまふ

【季語】藤(春)

【作者】水原秋櫻子(みずはら しゅうおうし)

【補足】華鬘(けまん)とは仏堂に飾るもので、蓮華 (れんげ) や唐草を透かし彫りにしたものが多くみられます。

 

 

春日野や 夕づけるみな 花馬酔木

【季語】花馬酔木(春)

【作者】日野草城(ひの そうじょう) 

【補足】馬酔木(あしび、あせべ、あせぼ)の名前は、この葉を馬が食べると酔ったようになるといわれることから付けられました。

 

 

生棉取る 雨雲たちぬ 生駒山

【季語】綿(冬)

【作者】宝井其角

【補足】生綿の読みは「きわた」です。

 

 

玄室に 蛍のいかる 飛鳥かな

【季語】蛍(夏)

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

【補足】玄室(げんしつ)とは、古墳内部などにある墓室のことをいいます。

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去りがての 祭の客に 飛鳥川

【季語】祭(夏)

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

 

 

しろく候 紅葉の外は 奈良の町

【季語】紅葉(秋)

【作者】上嶋鬼貫(うえじま おにつら)

【補足】候の読みは「そろ」です。

 

 

新蕎麦や 熊野へつゞく よしの山

【季語】新蕎麦(秋)

【作者】森川許六(もりかわ きょろく)

【補足】新蕎麦(しんそば)とは、熟していない実からつくった蕎麦のことをいいます。

 

 

すずなりに 生らして奈良の 柿渋し

【季語】柿(秋)

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

【補足】「生(な)らして」とは「実を結ばせて」の意です。

 

 

茶の花や 利休が目には よしの山

【季語】茶の花(冬)

【作者】山口素堂(やまぐち そどう) 

吉野山の桜

 

 

角落ちて 首傾けて 奈良の鹿

【季語】角落ち(春)

【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)

 

 

梅雨ちかき 奈良を仏の 中に寐る

【季語】梅雨(夏)

【作者】西東三鬼(さいとう さんき)

 

 

奈良七重 七堂伽藍 八重ざくら

【季語】八重ざくら(春)

【作者】松尾芭蕉(まつお ばしょう)

【補足】伽藍(がらん)とは、寺院の建物の総称です。

 

 

奈良の月 山出て寺の 上に来る

【季語】月(秋)

【作者】山口誓子 

 

 

葉櫻や 碁氣になりゆく 奈良の京

【季語】葉櫻(夏)

【作者】与謝蕪村

【補足】葉櫻(桜)とは、花が散って若葉となった頃の桜のことをいいます。

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長谷寺に 法鼓轟く 彼岸かな

【季語】彼岸(春)

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

【補足】法鼓(ほうく、ほっく)とは禅寺にある太鼓のことで、時刻を知らせるために使います。

 

 

春寒し 水取のあと 二日ほど

【季語】春寒(春)

【作者】阿波野青畝

【補足】お水取りは奈良東大寺二月堂で行われる行事です。

 

 

春雨の 雲より鹿や 三笠山

【季語】春雨(春)

【作者】皆吉爽雨(みなよし そうう)

 

 

春の夜や 奈良の町家の 懸行燈

【季語】春の夜(春)

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】懸行燈(かけあんどん=掛行燈)は屋号や商品名を書いて店先に掛けて看板代わりにしたものです。

 

 

一燈なく 唐招提寺 月明に

【季語】月(秋)

【作者】橋本多佳子(はしもと たかこ) 

唐招提寺

 

 

ふた夜三夜 寝て見る花や よし野山

【季語】花(春)

【作者】加賀千代女(かがのちよじょ) 

 

 

まだ鹿の 爪もかくれず ならの麦

【季語】麦(夏)

【作者】志太野坡(しだ やば)

 

 

三笠山 かなかな啼いて なつかしき

【季語】かなかな(秋)

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

【補足】「かなかな」とは蜩(ひぐらし)のことで、日暮、茅蜩などとも書き表されます。

 

 

水温む 奈良はあせぼの 花盛り

【季語】あせぼの花(春)

【作者】原 石鼎 

 

 

薬師寺と 唐招提寺 鵙渡る

【季語】鵙(秋)

【作者】前田普羅(まえだ ふら)

【補足】鵙の読みは「もず」で、百舌、百舌鳥とも書き表されます。

 

【関連ページ】

⇒ 有名な俳句 30選

⇒ 京都の俳句 30選

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