良寛の俳句 50選 -春夏秋冬-

真っ赤な紅葉

良寛(りょうかん)は江戸時代の僧侶で、和歌、漢詩、俳句などに優れ、名書家としても知られています。

子供たちと「てまり(手毬)」や「かくれんぼ」をして遊ぶのがとても好きで、いつも懐(ふところ)に手毬をいれていたといわれています。

そして、子供、蛙、雀、小鳥などを詠んだ句からは、小林一茶に通じるものを感じることもできます。

このページには、良寛が詠んだ俳句を 50集めて、春夏秋冬それぞれに分けました。いずれもが分かりやすい句で、人柄が伝わってくるものばかりですので、どうかゆっくりと味わってみて下さい。

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目次

良寛の春の俳句


  春  


ピンク色の梅の花

 

新池や 蛙とびこむ 音もなし

【季語】蛙

【補足】

松尾芭蕉の「池や 蛙(かわず)とびこむ 水の音」が思い浮かぶ句で、「新池(あらいけ)」に面白さが感じられます。

なお良寛は、芭蕉が没して 110年ほど経ってから誕生しています。

 

 

鶯に 夢さまされし 朝げかな

【季語】鶯

【補足】

「朝げ(=朝餉)」とは朝食のことをいいます。

 

 

梅が香の 朝日に匂へ 夕桜

【季語】

「梅が香」と「桜」がともに春の季語で、季重なり(きがさなり)の句です。

 

 

子らや子ら 子らが手を取る 躑躅かな

【季語】躑躅(つつじ)

 

 

散る桜 残る桜も 散る桜

【季語】桜

【意味】散ってゆく桜 … 残っている桜も、いずれは散るのが桜なのだ

【補足】

 太平洋戦争中の特攻隊員の心情になぞらえた歌として知られています。

また、これが良寛の辞世の句といわれることがありますが、一般的には後述の「裏を見せ ~」が辞世とされています。

 

 

春雨や 門松の注連 ゆるみけり 

【季語】春雨 門松 新年の句

【補足】

注連(しめ)とは、注連縄(しめなわ=七五三縄、標縄)を略した言葉です。

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春雨や 静になづる 破れふくべ

【季語】春雨

【補足】

「ふくべ(瓢)」はウリ科の蔓草(つるくさ)で、果肉をとって加工して容器などが作られます。

「破れ」の読みは「やれ」です。

 

 

春雨や 友を訪ぬる 想ひあり

【季語】春雨

 

 

水の面に あや織りみだる 春の雨

【季語】春の雨

【補足】

「面」の読みは「も」で、「表面」の意です。

 

 

山里は 蛙の声と なりにけり

【季語】蛙

 

 

夢さめて 聞くは蛙の 遠音かな

【季語】蛙

 

 

世の中は 桜の花に なりにけり

【季語】桜

 

 

良寛の夏の俳句


  夏  


薄紫色の昼顔の花

 

かきつばた 我れこの亭に 酔ひにけり

【季語】かきつばた

 

 

雷を おそれぬ者は おろかなり

【季語】雷 いかづち

 

 

さわぐ子の 捕る知恵はなし 初ほたる

【季語】初ほたる

 

 

鉄鉢に 明日の米あり 夕涼

【季語】夕涼

【補足】

鉄鉢(てっぱつ)とは、僧が用いる食器のことです。

 

 

手もたゆく あふぐ扇の 置きどころ

【季語】扇

【補足】

新古今和歌集には、相模(さがみ:平安時代の女流歌人)の次の和歌が採られています。

手もたゆく ならす扇のおきどころ 忘るばかりに秋風ぞ吹く

なお、「たゆく」は「だるく(なるほど)」の意です。

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夏の夜や 蚤を数へて 明かしけり

【季語】夏の夜

【補足】

「蚤」の読みは「のみ(昆虫)」です。

 

 

人の皆 ねぶたき時の 行行子

【季語】行行子

【補足】

行行子(ぎょうぎょうし)とは、ウグイス科の小鳥・葦切り(よしきり)の別名で、葦原雀(よしわらすずめ)と呼ばれることもあります。

 

 

昼顔や どちらの露の 情やら

【季語】昼顔

 

 

風鈴や 竹を去ること 三四尺

【季語】風鈴

【補足】

尺(しゃく)は尺貫法の長さの単位で、一尺=約 30cmです。

 

 

真昼中 ほろりほろりと 芥子の花

【季語】芥子(けし)の花

 

 

わが宿へ 連れて行きたし 蓮に鳥

【季語】蓮

 

 

良寛の秋の俳句


  秋  


色とりどりの紅葉

 

秋風に 独り立たる 姿かな

【季語】秋風

 

 

秋風の さはぐ夕べと なりにけり

【季語】秋風

 

 

秋日和 千羽雀の 羽音かな

【季語】秋日和

【補足】

秋日和(あきびより)とは、秋らしい良い天気のことをいいます。

 

 

雨の日や 昔を語らむ 破れふくべ

【季語】ふくべ

 

 

いざさらば 暑さを忘れ 盆踊

【季語】暑さ 盆踊

 

 

いざさらば 我も帰らむ 秋の暮

【季語】秋の暮

 

 

裏を見せ 表を見せて 散るもみじ

【季語】もみじ

【補足】

良寛の辞世の句といわれています。

なお、松尾芭蕉と親交があった谷 木因(たに ぼくいん)に次の句があります。

裏散りつ 表を散りつ 紅葉かな

 

 

柴の戸に 露のたまりや 今朝の秋

【季語】今朝の秋

山門の紅葉

 

 

手ぬぐひで 年をかくすや 盆踊

【季語】盆踊

 

 

萩すすき わが行く道の しるべせよ

【季語】萩、すすき

【補足】

「しるべ(標、導べ)」は「案内、手引き」の意です。

 

 

名月や 庭の芭蕉と 背比べ

【季語】名月、芭蕉

【補足】

芭蕉(ばしょう)は、バショウ科の多年草です。

 

 

もみぢ葉の 錦の秋や 唐衣

【季語】もみぢ葉、錦の秋

【補足】

唐衣(からころも)とは、中国・唐風の衣服のことです。

 

 

悠然と 草の枕に 秋の庵

【季語】秋の庵

 

 

ゆく秋の あはれを誰に 語らまし

【季語】ゆく秋

 

 

宵闇や 前栽はただ 虫の声

【季語】虫の声

【補足】

前栽(せんざい)とは、庭先に植え込んだ草木、あるいは、花木や草花を植えた庭のことをいいます。

 

 

われ喚て 故郷へ行くや 夜の雁

【季語】雁

【補足】

「喚びて」の読みは「よびて」です。

 

 

良寛の冬の俳句


  冬  


山茶花の花と雪

 

 

雨もりや また寝るとこの 寒さかな

【季語】寒さ

 

 

疑ふな 六出の花も 法の色

【季語】六出

【補足】

六出(むつで)は雪の別名です。

また、「法」の読みは「のり」で、「仏の教え」の意味です。

 

 

落ちつけば ここも廬山の 時雨かな

【季語】時雨(しぐれ)

【補足】

廬山(ろざん)は中国・江西省にある名山です。

 

 

木枯を 馬上ににらむ 男かな

【季語】木枯

 

 

柴垣に 小鳥集まる 雪の朝

【季語】雪

雪の中で木の枝に止まる小鳥

 

 

柴焼いて 時雨聞く夜と なりにけり

【季語】時雨

 

 

焚くほどは 風がもて来る 落ち葉かな

【季語】落ち葉

【補足】

小林一茶(こばやし いっさ)は次の句を詠んでいます。

焚くほどは 風がくれたる 落ち葉かな

 

 

初時雨 名もなき山の おもしろき

【季語】初時雨

 

 

日々日々に 時雨の降れば 人老いぬ

【季語】時雨

 

 

火貰ひに 橋越て行く 寒さかな

【季語】寒さ

 

 

湯貰ひに 下駄音高き 冬の月

【季語】冬の月

 

 


関連ページ


 

⇒ 松尾芭蕉の俳句 100選

⇒ 与謝蕪村の俳句 100選

⇒ 小林一茶の俳句 100選

 

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