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千載和歌集の名歌 5首 を厳選しました【現代語訳付き】

千載和歌集(せんざいわかしゅう)は 21の勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう=天皇、上皇の命により編纂された和歌集)のうち 7番目のもので、1288首が収められています。

そして、千載和歌集から 15首が小倉百人一首に採られていて、この数は古今和歌集の 24首に次ぐものです。このことからも、多くの優れた和歌が含まれた歌集であることがわかります。

このページには、千載和歌集の中から、「春・夏・秋・冬・恋」のそれぞれ一首ずつを厳選しました。いずれもが名作ですので、是非ともゆっくりと鑑賞してみて下さい。

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千載和歌集の「 春・夏・秋・冬・恋」の名歌

 


 春  歌 


さくら花 うき身にかふるためしあらば 生きて散るをば惜しまざらまし

【現代語訳】

桜の花を辛いことばかりのこの身に代えるような例(ためし=先例)があるのならば、生きていて(桜の花が)散るのを惜しむこともないだろうに

【作者】源通親(みなもとのみちちか / 権中納言通親)

【詞書】久我(こが)内大臣の家にて、代身惜花(身に代えて花を惜しむ)といへる心をよめる

【補足】

久我内大臣とは源雅通(みなもとのまさみち)のことで、作者・通親の父親です。

詞花和歌集(しかわかしゅう)には、源俊頼(みなもとのとしより)の次の歌が採録されています。

身にかへて 惜しむにとまる花ならば けふや我が世のかぎりならまし

通親はこの歌が念頭にあったと考えられます。

 

 


 夏  歌 


五月雨に 花橘のかをる夜は 月すむ秋もさもあらばあれ

【現代語訳】

五月雨(さみだれ)の中、橘の花が香っているような夜は、月が澄んだ秋(の夜)もどうであろうと構わないと感じられてしまう

【作者】崇徳院(すとくいん)

【詞書】百首歌めしける時、花橘の歌とてよませ給うける

【補足】

鳥羽天皇の皇子で、後白河天皇と争って敗れて讃岐に流されました。

6番目の勅撰和歌集である『詞花和歌集』の編纂は、崇徳院の命によるものです。

【採録】古来風躰抄、定家八代抄など

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 秋  歌 


おほかたの 秋のあはれを思ひやれ 月に心はあくがれぬとも

【現代語訳】

(世の中)一般に言う「秋のあはれ」を思いやってください、月に心が惹きつけられているとしても…

【作者】紫式部(むらさきしきぶ)

【詞書】題しらす

【補足】

「秋」と「飽き」を掛け、「月」が「他の女性」を示しているとするならば、この歌を次のように解釈することもできます。

世に言う「男に飽きられてしまった女の悲しさ」を思いやってください、私以外の人に心を奪われてしまっているとしても…

 

 


 冬  歌 


月のすむ 空には雲もなかりけり うつりし水は氷へだてて

【現代語訳】

月が澄んだ空には雲も(まったく)ない、(月が)映っていた水は(冬になって)氷となり(月を)隔ててしまっている

【作者】道因法師(どういんほうし)

【詞書】氷の歌とてよめる

【補足】

撰者の藤原俊成が道因の歌 18首を千載集に入集させると、俊成の夢に現れて涙を流して喜んだので、さらに2首加えて 20首としたといわれています。

百人一首には道因の次の歌が採られています。

思ひわび さても命はあるものを 憂きに堪えぬは涙なりけり

 

 


 恋  歌 


まだしらぬ 人をはじめて恋ふるかな おもふ心よ道しるべせよ

【現代語訳】

まだ(よく)知らない人を初めて恋している… (あの人を)思う(私の)心よ、道を示しておくれ

【作者】肥後(ひご=京極関白家肥後、皇后宮肥後)

【詞書】堀河院の御時、百首歌たてまつりける時、はじめの恋のこころをよめる

【補足】

肥後は女流歌人で、次のような恋の歌も詠んでいます。

はかなくて 絶えにし人の憂きよりも 物わすれせぬ身をぞうらむる

 

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