雪の短歌 25選 -六華-

山茶花の花に積もった雪

古くから「雪」は和歌、短歌、俳句などの文学作品に好んで詠み込まれ、その美しさは様々な表現をされてきました。

いずれは消えてなくなってしまうという、雪の「はかなさ」は心に訴えるものがあるのではないでしょうか。

このページには、雪について詠まれた短歌を集めました。雪のある美しい風景が思い浮かぶようなものばかりですので、是非ともこれらを鑑賞してみて下さい。

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目次

雪の短歌について

樹氷と青空

「雪、白雪」「春の雪」「秋の雪」など、雪について詠まれた短歌を集めて、歌の文字の五十音順に並べました。

これらをじっくりと鑑賞し、味わってみて下さい。

 

雪の短歌 25

 

秋の雪 いただきに積み山石蕗の ひろ葉ひろごり裾野霜ふる

【作者】与謝野晶子(よさの あきこ)

【補足】石蕗(つわぶき)は、常緑の多年草の名前です。

 

淡雪の 楢の林に散りくれば 松雀が聲は寒しこの日は

【作者】長塚 節(ながつか たかし)

【補足】「楢」「松雀」の読みは、それぞれ「なら」「まつめ」です。「聲」は「声」の旧字体です。

 

美くしき 指紋の如く雪残る 信濃の山の見ゆる路かな

【作者】与謝野晶子

【補足】「路」の読みは「みち」です。

 

思ふ人 姿を借りて恋しやと 云はしむるごと春の雪降る

【作者】与謝野晶子

【補足】「云はしむるごと」は「言わせるように」

 

かすが野に ふれるしらゆきあすのごと けぬべくわれはいにしへおもほゆ

【意味】春日野に降っている白雪は、明日には(解けて)消えてしまうだろう。私は(はるか)昔が思われる。

【作者】会津八一(あいづ やいち)

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壁の畫を 涼しき風の動かして 林の雪の散るかとぞ思ふ

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】「畫」は「画」の旧字体です。

 

消残る みちのともし火暁の 雪に照れるもさびしかりけり

【作者】樋口一葉(ひぐち いちよう)

 

業房に 一日こもりて天霧し 降りくる雪ををりをり覗く

【作者】斎藤茂吉(さいとう もきち)

【補足】業房(ぎょうぼう)とは、研究室や実験室のことを意味します。茂吉の随筆『ドナウ源流行』には、業房に「ラボラトリウム」と振りがながされた箇所があります。

 

芝原の 小松が上にいささ積む 雪をよろこび児等がさわぐも

【作者】伊藤左千夫(いとう さちお)

【補足】「いささ」とは「少し、わずかに」という意味です。

 

散たまる ふもとの落葉わけて思ふ 埋もれぬべき雪の山里

【作者】樋口一葉

夕暮れ時の山々

 

鶴に乗る 夢ならなくにしろがねの 雪の都に我は来にけり

【作者】正岡子規

【補足】「しろがね(白銀)」は「銀、銀色」を意味します。

 

久方の 青雲高く八ケ岳 峰八つ並ぶ雪のいかしさ

【作者】伊藤左千夫

【補足】「久方の」は「天」「空」「雲」などに掛かる枕詞(まくらことば)です。

 

一すぢの 糸の白雪富士の嶺に 残るが哀し水無月の天

【作者】若山牧水(わかやま ぼくすい)

【補足】水無月(みなづき)は、旧暦 6月の異名です。

 

船にねて 船をいづれば曉の はつ雪しろしかけはしの上に

【作者】長塚 節

【補足】「曉」は「暁」の旧字体です。

 

目にとめて 信濃とおもふ山遠し 雪か積れる幽けき光

【作者】土田耕平(つちだ こうへい)

【補足】「幽けき」の読み方は「かそけき」です。

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山川を 埋めてふれる雪の中に 咲ける牡丹の花只一つ

【作者】正岡子規

 

山をちこち 遊行の僧の御袈裟とも 見えてはだらに雪とけにけり

【作者】与謝野晶子

【補足】「をちこち(遠近)」は「あちらこちら、ここかしこ」の意味です。遊行(ゆぎょう)とは、各地を巡り歩くことをいいます。また、「はだら」は「まだら(斑)」と同義です。

 

雪野原 とほき窪みに晃らかに 夕さり来れば町の灯が見ゆ

【作者】中村憲吉(なかむら けんきち)

【補足】「窪み」「晃らか」の読みは、それぞれ「くぼみ」「あきらか」です。

 

雪の道 未だ開けず勾玉と 古き書とに我こもり居り

【作者】伊藤左千夫

【補足】「勾玉」の読みは「まがたま=古代の装身具の一種」です。

 

雪降りて 寒くはあれど梅の花 散らまく惜しみ出で ゝ來にけり

【作者】長塚 節

【補足】「散らまく惜しみ」は「散るのを惜しんで」の意です。

白い梅の花に積もった雪

 

雪見んと 思ひし窓のガラス張 ガラス曇りて雪見えずけり

【作者】正岡子規

 

雪をまつ わが岡のべの一つ松 あはれ友なき宿ぞ寂しき

【作者】樋口一葉

 

遼東の 雪踏む夢や覺めつらん 月に嘶く聲のかなしさ

【作者】正岡子規

【補足】遼東(りょうとう)半島は、朝鮮半島の北西に位置します。「覺」「聲」は、それぞれ「覚」「声」の旧字体で、「嘶く」の読みは「いななく」です。

 

わかき日は 赤き胡椒の實のごとく かなしや雪にうづもれにけり

【作者】北原白秋(きたはら はくしゅう)

【補足】「胡椒」の読みは「こしょう」で、「實」は「実」の旧字体です。

 

わが庭の 窪に下りてのどかにも 三月待つや天のしら雪

【作者】与謝野晶子

庭の窪みに積もった雪

 


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