雪の和歌 12選 【現代語訳】付き

木の枝に積もる雪と山門

雪というものには私たちの心を動かすような魅力があり、単なる自然現象とは思えません。

そして、やはり古い時代から人々の心をとらえてきたようで、多くの和歌、短歌、俳句などに詠み込まれてきました。

そこで今回は、雪の和歌と呼ぶにふさわしいものを集めました。これらはいずれも雪が持つ雰囲気に満ちあふれたものなので、是非とも味わってみて下さい。

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雪の和歌について

雪、白雪などのように、雪に関するものが詠まれている和歌を 12首を選び、歌の先頭の文字の五十音順に並べました。雪に対する心持ちが見事に表現されたものばかりですので、是非とも鑑賞してみて下さい。

また、こちらにも雪を詠んだ和歌が多く含まれていますので、あわせてご覧になってみて下さい。

⇒ 冬の和歌 20選

なお、それぞれの歌には現代語訳を付けましたが、これは私の意訳であることをお断りしておきます。一般的な解釈、通釈とは異なるものもあることを何卒ご了承ください。

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雪の和歌 12選

 

朝ぼらけ 有明の月とみるまでに 吉野の里にふれる白雪

【現代語訳】夜が明ける頃に、有明の月のように思えるほどに吉野の里に降る白雪

【作者】坂上是則(さかのうえのこれのり)

【採録】古今和歌集(こきんわかしゅう)

【補足】是則は三十六歌仙の一人で、百人一首にも歌が採られています。

 

 

天の下 すでに覆ひて降る雪の 光を見れば貴くもあるか

【現代語訳】天の下をすっかり覆って降る雪の光を見ると、気高さを感じます

【作者】 紀清人(きのきよひと)

【採録】万葉集(まんようしゅう)

 

 

うち霧(き)らし 雪は降りつつしかすがに 我ぎ家の苑に鶯鳴くも

【現代語訳】(空一面を)霞ませて雪は降り続いているけれども、私の家の園では鶯が鳴いている

【作者】大伴家持(おおとものやかもち)

【採録】万葉集

【補足】家持は三十六歌仙の一人で、百人一首にも歌を採られています。

 

 

霞たち このめもはるの雪ふれば 花なき里も花ぞ散りける

【現代語訳】霞が立って木の芽も出てくる春の雪が降れば、花が無い里でも(雪の)花が散っている

【作者】紀貫之(きのつらゆき)

【採録】古今和歌集

【補足】貫之は三十六歌仙の一人です。

雪で霞む山々

 

 

しら雪の ふりてつもれる山里は すむ人さへや思ひきゆらむ

【現代語訳】白雪が降って積もっている山里は、住む人さえ思いが消えていくのだろうか

【作者】壬生忠岑(みぶのただみね)

【採録】古今和歌集

【補足】忠岑は三十六歌仙の一人です。

 

 

春たてば 花とや見らむ白雪の かかれる枝にうぐひすぞなく

【現代語訳】春(立春)になったので(鶯は)花と見ているのだろうか、白雪が(降り)かかった枝で鶯が鳴いている

【作者】素性法師(そせいほうし)

【採録】古今和歌集

【補足】素性は三十六歌仙の一人です。

 

 

春の日の ひかりにあたる我なれど かしらの雪となるぞわびしき

【現代語訳】春の日の光に当たる私ですが、頭が雪のように(白く)なるのは寂しいものです

【作者】文屋康秀(ふんやのやすひで)

【採録】古今和歌集

【補足】康秀は六歌仙の一人で、百人一首にも歌を採られています。

 

 

み吉野の 山べに咲ける桜花 雪かとのみぞあやまたれける

【現代語訳】吉野の山に咲いている桜の花を、雪かと(見)誤まってしまった

【作者】紀友則(きのとものり)

【採録】古今和歌集

【補足】友則は三十六歌仙の一人で、小倉百人一首にも歌を採られています。

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雪きえば ゑぐの若菜もつむべきに 春さへはれぬ深山べの里

【現代語訳】雪が消えればゑぐ(多年草のオモダカ)の若菜も摘めるのに。春になっても晴れない山深い里…

【作者】曾禰好忠(そねのよしただ)

【採録】詞花和歌集(しかわかしゅう)

【補足】好忠は中古三十六歌仙の一人です。

 

 

雪のうちに 春は来にけり鶯の こほれる涙いまやとくらむ

【現代語訳】雪が降っているうちに春が来たのだなあ。鶯の凍った涙も今は解けただろうか

【作者】藤原高子(ふじわらのたかいこ)

【採録】古今和歌集

 

 

我が岡に 盛りに咲ける梅の花 残れる雪をまがへつるかも

【現代語訳】私の(住んでいる)岡に真っ盛りに咲いている梅の花(と思ったが)、残っている雪を(梅の花と)間違えてしまったのだなあ

【作者】大伴旅人(おおとものたびと)

【採録】万葉集

 

 

我が背子に 見せむと思ひし梅の花 それとも見えず雪の降れれば

【現代語訳】私の愛しい人に見せようと思った梅の花。(しかし、どれが)それとも分からない、雪が降っているので

【作者】山部赤人(やまべのあかひと)

【採録】万葉集

【補足】背子(せこ)とは、夫や恋人などを意味する言葉です。

赤人は、柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)と並んで古くから歌仙(かせん)と呼ばれてきました。

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