和歌で有名なのは? 【ベスト20首】 【保存版】

牛車

和歌に初めて接するのは、百人一首が多いでしょうか。あるいは、中学・高校の授業を通してかもしれません。

しかし、百人一首を無理やり暗記しようとしたり、古典として品詞分解したりしようとすると、和歌本来の素晴らしさから遠ざかってしまうのではないでしょうか。やはり、和歌は 5・7・5・7・7 のリズムを感じながら、素直に読んで味わうのが楽しいかと私は思います。

今回は、日本が誇る至高の文学作品ともいえる和歌で有名なものを集めみました。いずれも情景が目に浮かんでくるような傑作ぞろいですので、是非鑑賞してみて下さい。

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目次

和歌で有名なのは? 【ベスト20首】

和歌のなかでも、一度は接したことがあるようなもの、特に有名と考えられるものを20首選びました。先頭の文字の五十音順に並べて、現代語訳を付けました。

なお、この現代語訳は私の意訳であることをお断りしておきます。一般的な通釈とは異なることもあるかもしれませんが、何卒ご了承ください。

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秋来ぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる

【現代語訳】

秋が来たと目にはハッキリと見えないけれど、風の音で(気がついて)驚いてしまった

【採録】古今和歌集

【作者】藤原敏行(ふじわらの としゆき)

【補足】平安時代の貴族、歌人・書家で三十六歌仙の一人です。家集に『敏行集』があります。

 

 

秋の野に 咲きたる花を指(および)折り かき数ふれば七種(ななくさ)の花

【現代語訳】

秋の野に咲いた花を指折り数えれば七種類の花…

【採録】万葉集

【作者】山上憶良(やまのうえのおくら) 

【補足】「秋の七草」の由来となった歌といわれています。

 

 

天つ風 雲の通ひ路吹き閉ぢよ をとめの姿しばしとどめむ

【現代語訳】

天の風よ、雲の通り道を閉ざしてくれ。天女の姿をもう少しとどめておきたいから

【採録】古今和歌集、百人一首

【作者】僧正遍照(そうじょう へんじょう)

【補足】平安時代の僧、歌人で六歌仙及び三十六歌仙の一人です。桓武天皇の孫でありながら、出家して天台宗の僧侶となりました。

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天の原 ふりさけみれば春日なる 三笠の山に出(いで)し月かも

【現代語訳】

天を仰いで見ると、(あれは)春日にある三笠の山に出ている月と同じなのか

【採録】古今和歌集 、百人一首

【作者】安倍仲麿(あべの なかまろ)

【補足】奈良時代の遣唐留学生で、科挙に合格して唐朝において高官となりました。日本への帰国は果たせませんでした。

 

 

あをによし 奈良の都は咲く花の にほふがごとく今さかりなり

【現代語訳】

奈良の都は、咲いた花の色が鮮やかに映えるかのように、今が(繁栄の)盛りです

【採録】万葉集

【作者】小野老(おのの おゆ)

【補足】奈良時代の貴族、歌人です。

 

 

いにしへの 奈良の都の八重桜 けふ九重ににほひぬるかな

【現代語訳】

いにしえの奈良の都の八重桜が、今日はこの宮中で美しく鮮やかに咲いています

【採録】詞花和歌集、百人一首

【作者】伊勢大輔(いせの たいふ)

【補足】平安時代の女流歌人で、三十六歌仙の一人です。

八重桜と青空

 

 

大海の いそもとどろに寄する波 われてくだけて さけて散るかも

【現代語訳】

大海から磯へ音を轟かせて寄せてくる波が、割れ、砕け、さけて散っていく

【採録】金槐和歌集

【作者】源実朝(みなもとの さねとも)

【補足】源頼朝の子で、鎌倉幕府・第3代征夷大将軍です。満26歳で暗殺されました。

 

 

奥山に 紅葉踏みわけ鳴く鹿の 声きく時ぞ秋は悲しき

【現代語訳】

奥山で紅葉を踏み分けて鳴く鹿の声を聴くときこそ、秋は悲しいと感じるものだ

【採録】古今和歌集(よみ人しらず)、百人一首

【作者】猿丸大夫(さるまるだゆう、さるまるのたいふ)

【補足】三十六歌仙の一人ですが、実在を疑う説などもあります。

 

 

かささぎの 渡せる橋におく霜の 白きを見れば夜ぞ更けにける

【現代語訳】

かささぎ(鵲)が(天の川に)渡すという橋に置かれた霜のような白さを見れば、夜も(すっかり)更けてしまったなあ

【採録】新古今和歌集

【作者】大伴家持(おおとものやかもち)

【補足】七夕の夜に織女が天の川を渡れるように、かささぎが翼を並べて橋を架けるという伝説があります。

 

 

君がため 惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな

【現代語訳】

あなたのためなら惜しくないと思っていた命さえ、今は長く続いて欲しいと思うようになりました

【採録】後拾遺和歌集、百人一首

【作者】藤原義孝(ふじわらの よしたか)

【補足】天然痘のために、兄と同日に21歳で亡くなりました。美貌であったため、疱瘡の傷痕が顔に残ったことを苦にして自殺したとも言われています。

 

 

こちふかば 匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ

【現代語訳】

東からの風が吹いたら、匂いを寄越してくれよ、梅の花。主がいないからといって、春を忘れるなよ

【採録】拾遺集

【作者】菅原道真(すがわらの みちざね)

紅梅と青空

 

 

銀(しろかね)も 金(くがね)も玉も何せむに まされる宝子にしかめやも

【現代語訳】

 銀も金も宝石も、どうして優れた宝である子供に及ぶだろうか(いや、及びはしない)

【採録】万葉集

【作者】山上憶良

 

 

田子の浦に うち出でて見れば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ

【現代語訳】

田子の浦に出てみると、富士の高い嶺に真白い雪が降り積もっている

【採録】万葉集、百人一首

【作者】山部赤人(やまべの あかひと)

【補足】奈良時代の歌人で、三十六歌仙の一人です。柿本人麻呂とともに歌聖(かせい)と呼ばれます。

 

 

月みれば 千々(ちぢ)に物こそ悲しけれ 我が身ひとつの秋にはあらねど

【現代語訳】

 月を見れば、さまざまに物悲しくなってしまう。私一人だけの秋ではないのだけれど…

【採録】古今和歌集

【作者】大江千里(おおえのちさと) 

【補足】「千々」と「ひとつ」が対になって詠み込まれています。

 

 

花の色は 移りにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに

【現代語訳】

花の色は、むなしく色あせて変わってしまいました。物思いにふけって長雨を眺めているうちに

【採録】古今和歌集、百人一首

【作者】小野小町(おのの こまち)

【補足】小野小町は平安時代の女流歌人で、六歌仙及び三十六歌仙の一人です。絶世の美女であったといわれ、小野小町の墓は全国に数多く存在します。

 

 

春過ぎて 夏来にけらし白妙の 衣干すてふ天の香具山

【現代語訳】

春が過ぎて夏が来たらしい、白い衣を干すという香具山に

【採録】新古今和歌集、百人一首

【作者】持統天皇

【補足】第41代の女性天皇です。歌人の柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)を庇護(ひご)したといわれています。

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東(ひんがし)の 野にかぎろいの立つ見えて かえりみすれば 月かたぶきぬ

【現代語訳】

東の野には暁の光がさしていて、振り返ってみると月が傾いてしまっていた

【採録】万葉集

【作者】柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)

【補足】飛鳥時代の歌人で、三十六歌仙の一人です。山部赤人とともに歌聖(かせい)と呼ばれます。

 

 

見わたせば 花ももみじもなかりけり 浦のとまやの秋の夕ぐれ

【現代語訳】

見渡すと、(ここには)花も紅葉もないのだな。海辺の苫葺きの小屋の秋の夕暮れ(の寂しさよ)

【採録】新古今和歌集

【作者】藤原定家(ふじわらの さだいえ)

【補足】鎌倉時代の公家、歌人で、百人一首の撰者(せんじゃ)です。

 

 

世の中に たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし

【現代語訳】

世の中に桜というものがなかったら、春の心持ちはのどかだろうに

【採録】古今和歌集、伊勢物語

【作者】在原業平(ありわらの なりひら)

【補足】平安時代の貴族、歌人で六歌仙および三十六歌仙の一人です。古くから美男の代名詞とされ、鷹狩りの名手であったといわれています。

夜桜

 

 

我が園に 梅の花散る久かたの 天より雪の流れ来るかも

【現代語訳】

私たちの園に梅の花が散っている。天から雪が流れ落ちて来るのだろうか。

【採録】万葉集

【作者】大伴旅人

【補足】「久(ひさ)かたの」は「天」に掛かる枕詞(まくらことば)です。

 

【関連ページ】

⇒ 桜の和歌 100首

⇒ 菅原道真の和歌 30首

⇒ 小野小町の和歌 17首【現代語訳】付き

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