三が日の意味を、あらためて考えてみませんか?
お正月の三が日は、一年の中でも特別な意識を持つのではないでしょうか。
年があらたまって、大気さえも新鮮なように感じられます。
また同じ3日間でも、年の暮れの3日よりも時間がゆくっりと進むような気もします。年末に忙しく動き回るせいで、一層そのように感じるのかもしれません。
そこで、このページでは三が日について考えてみることにしましょう。
目次
三が日の意味とは?
三が日とは、もちろん「お正月三が日」の3日間のことで、日本の官公庁や多くの企業では正月休みです。
年末年始の休みは法律(行政機関の休日に関する法律)で12月29日から1月3日が休みと決められていて、この間は市役所などの業務も行なわれません。
三が日のうち、祝日は 1月1日の元日だけですが、実質的には3日間が祝日のような扱いになっています。
従来は、「三箇日」という漢字で表記されてきましたが、近年は「三が日」とされることが多くなりました。このページの表現も、それにならっています。
なお、「三賀日」という字を使う例もあるようですが、これは当て字です。しかし、雰囲気は合っていますね。
現在では24時間営業の店舗などもありますし、元日から営業する大型店もみられます。
ですから、以前のように日用品などが正月休みのために入手できないといったような不便さもなくなってくると同時に、三が日の持つ意味合いも変化してきているといえます。
三が日の行事
三が日の過ごし方はさまざまですが、昔から受け継がれてきた行事も多くあります。
それらのいくつかをみていきましょう。
初日の出(1月1日)
一年の最初の日の出はめでたいものとされ、古来から初日の出詣り(まいり)が行なわれてきました。
特に明治時代以降に多くの人々の習慣となりました。
四方拝(1月1日)
四方拝(しほうはい)は宮中で行われる儀式で、平安時代に始まったとされています。
元日の朝に、今上天皇(きんじょうてんのう=在位中の天皇)が伊勢神宮に向かって拝礼し、その後四方の諸神に拝礼するというものです。戦前は四方節(しほうせつ)と呼ばれていました。
歳旦祭(1月1日)
歳旦祭(さいたんさい)も宮中で行われる儀式で、年始を祝うものです。
四方拝を終えた天皇が拝礼し、後に皇太子が拝礼を行ないます。
書初め(1月2日)
新年になって初めて、毛筆を使って書や絵などをかく行事が書初めで、次のように呼ばれることもあります。
- 筆始め(ふではじめ)
- 初硯(はつすずり)
- 吉書(きっしょ)
- 試筆(しひつ)
従来は宮中の儀式の一つでしたが、江戸時代以降になると民間にも広がっていきました。
仕事始め(1月2日)
年明けの2日になると、通常の仕事を形だけ行って、その年一年の仕事上の安全や技術の向上を祈る習わしがありました。
具体的には、次のようなものでした。
- 農村 - 田畑に鍬(くわ)を入れる、縄作りの準備を始めるなど
- 漁村 - 舟の乗り初めを行なうなど
- 山村 - 木の伐(き)り初めなど
初夢
いつ見る夢を「初夢」とするのかについては、諸説があり定まっていません。また、時代とともに変化もしています。
なお、初夢に出てくるものによって、その年を占う風習は古くからありました。
初夢については、こちらをご覧ください。
初詣
初詣の時期について、特別な決まりはありませんが、三が日に行なう人は多くみられます。
まとめ
- 従来は「三箇日」という表記が多く用いられましたが、近年は「三が日」に移行してきました。
- 三が日に特有の行事には、初日の出詣り、四方拝、歳旦祭、書初め、仕事始めなどがあります。