Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!

「三寒四温(さんかんしおん)」の使い方と例文のまとめ 【日本版】

三寒四温(さんかんしおん)という言葉の意味を、あなたはどのように覚えていますか?

私は中学校で、「三寒四温とは、3日ほど寒い日が続いても、次に4日ほど暖かい日が続く、これを繰り返しているうちにやがて暖かな春がやってくること」と教えてもらいました。

しかしその後、だいぶ年月が経ってから、これとは少し違った意味があるのを知りました。

このページでは、あらためて三寒四温という言葉の意味、どの季節・どのような時期に使う言葉なのか、使う場合の例文、気候・季節をあらわす 4字熟語などをみていきましょう。

スポンサーリンク

三寒四温の意味とは?

三寒四温とは、冬に寒い日が3日くらい続いた後に4日くらいの暖かい日が続き、また寒さが戻ってくるというように、寒さと暖かさが交互に繰り返される気候の変化をいいます。

これは、シベリア高気圧の影響を受ける中国東北部朝鮮半島といった地域でよくみられる現象です。
そして、三寒四温という言葉も、もとはこれらの地域で使われていたものです。

戦前の物理学者、随筆家、俳人である寺田 寅彦(てらだ とらひこ)の「時事雑感(1931年)」には、「朝鮮で三寒四温という言葉があるそうで… 」という文章があります。

このことからも、日本では古くから使われていた言葉ではなかったことがわかります。

日本もシベリア高気圧の影響は受けますが、それほど極端な三寒四温が現れることは少ないのです。

そのため、日本でこの言葉が使われ出した当初は、もともとの大陸的な真冬の気候変化を意味していました。

しかし、近年では日本の気候に合わせた使い方、つまり春先の気候の変化をあらわすようになったのです。

確かに、春先には寒さと暖かさが交互に繰り返されることがあります。

年によっては、ずいぶん暖かくなったと思っていたのに、お彼岸の頃に雨が続いて寒さを感じることもあるでしょう。また、新年度になってから「4月になったのに、また寒くなってしまった」と思うこともあるはずです。

ですから、現代では 3月・4月の「春」と呼べる時期でも、「三寒四温」は違和感なく使われている言葉といえるでしょう。

スポンサーリンク

 

三寒四温の使い方・例文

三寒四温という言葉が使われているのは、手紙の書き出しの部分に多くみられます。いわゆる「時候の挨拶」と呼ばれるものです。

そこでまず、いくつか例文を考えてみましょう。

  • 三寒四温の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
  • 三寒四温の季節、皆様におかれましてはご健勝のこととお喜び申し上げます。
  • 三寒四温の時節柄、どうかご自愛専一にてお願い申し上げます。
  • 三寒四温の折柄、体調を崩されませんようご自愛くださいませ。
  • 三寒四温の今日この頃、風邪など引かないようご注意ください。
  • 三寒四温と申しますように、まだ寒い日も…
  • 三寒四温とはよく言ったもので、ここ数日の陽気はまさに…

このような使い方が一般的といえるでしょう。

しかし、先に述べたように、言葉の意味、使う時期が変化してきています。
ですから、真冬に手紙を受け取った相手が「三寒四温=春先の言葉」という認識を持っていた場合、この言葉を見て違和感を覚えるのは当然のことです。

むしろ現代では、真冬よりも春先に使った方が適している言葉といえるでしょう。むしろ現状にそぐわないような、従来の使い方を無理にする必要もないのかもしれません。

言葉の持つ意味は、時代とともに変化していくものがあります。

言葉が新しい使われ方をするようになると、国語の辞典には「最近は、~の意味にも使う」といった注意書きが加えられます。

やがて、従来の意味が風化して使われなくなると、従来の記述と注意書きが削除されて、新しい意味だけが残ります。

私は「三寒四温」もいずれ、このような言葉の仲間入りをすると考えています。

 

 

4字熟語で気候・季節に関係するもの

三寒四温のほかにも気候、季節に関係する4字熟語を、いくつか挙げてみましょう。

 

春寒料峭(しゅんかんりょうしょう)

春になって暖かくなった後に、再び寒さが戻ってきて肌寒く感じることをいいます。

 

花朝月夕(かちょうげっせき)

春と秋の心地よい気候の時期をいいます。

「花朝」は陰暦の2月25日のことで、現在の4月の半ばのことです。

「月夕」は陰暦の8月25日のことで、現在の10月の初めの頃のことです。

出典は、中国五代十国時代の歴史書『旧唐書(くとうじょ)』の「羅威伝(らいでん)」です。

 

五風十雨(ごふうじゅうう)

五日に一度風が吹き、十日ごとに雨が降る、農耕に適した天候のことをいいます。

出典は、中国後漢時代の思想書『論衡(ろんこう)』の「是応(ぜおう)」です。

 

九夏三伏(きゅうかさんぷく)

夏の一番暑い時期のことです。
「九夏」は夏の季節の九十日間を指します。

 

秋高気爽(しゅうこうきそう)

秋の空が高く、すっきりと晴れ渡っていて、空気がさわやかなことをいいます。

「秋」を「天」に置き換えた『高気清(てんこうきせい)』と同じ意味を持ちます。

 

秋高馬肥(しゅうこうばひ)

爽やかで心地よい秋の季節を言い表す言葉です。

「秋高く馬越ゆ」とも読み、現在では『高く馬肥ゆる秋』と用いることが多い言葉です。

出典は、中国後漢時代の歴史書『漢書(かんじょ)』の「趙充国伝(ちょうじゅうこくでん)」です。

 

秋風冽冽(しゅうふうれつれつ)

秋の風が厳しく冷たい様子をいいます。

秋風洌(しゅうふうりんれつ)ともいいます。

出典は、中国西晋時代の文学者・左思(さし)の「雑詩(ざっし)」です。

 

東風解凍(とうふうかいとう)

冬から春に変わる季節の変わり目のことをいいます。

「東風解凍」は、中国で季節を表す七十二侯(しちじゅうにこう)の一番初めの期間です。

 

 

まとめ

  • 三寒四温の従来の意味は、冬に寒さと暖かさが交互に繰り返される気候の変化をいいます。
  • 近年は、三寒四温は春先の気候の変化を意味するようになりました。

スポンサーリンク

サブコンテンツ

このページの先頭へ