雨のことわざ 50 【一覧】
ことわざには様々なものがあり、特に雨に関したものは数多くあるように感じます。
やはり、これから雨になるのか、明日は雨が降るのか降らないのかなど、日常生活において雨は気になる存在といえるでしょう。
そこで、このページには「雨のことわざ」を集めてみました。耳にしたことがあるものがいくつも含まれていると思いますので、是非ともチェックしてみて下さい。
目次
- 1 雨の前触れのことわざ 30
- 1.1 朝虹は雨 夕虹は晴れ
- 1.2 朝焼けは雨 夕焼けは日和(ひより)
- 1.3 雨蛙(あまがえる)が泣くと雨
- 1.4 蟻が巣の出入口を塞(ふさ)いでいると雨が降る
- 1.5 蟻の行列を見たら雨
- 1.6 鰯雲(いわしぐも)は雨
- 1.7 多くの水鳥が木に移動しているときは、雨が降ることが多い
- 1.8 蚊柱(かばしら)立てば雨
- 1.9 かまどの煙がたなびけば雨
- 1.10 カラスが盛んに水浴びをするときは雨が近い
- 1.11 櫛(くし)が通りにくい時は雨
- 1.12 煙がまっすぐ上がれば晴れ、横にたなびくときは雨が近い
- 1.13 東風(こち)が吹けば雨
- 1.14 霜強ければ雨となる
- 1.15 白く低い雲が峰にかかるときは、数日のうちに雨になる
- 1.16 煤(すす)が落ちると雨
- 1.17 太陽の色が薄く見えるときは雨のしるし
- 1.18 月が暈(かさ)をかぶると雨
- 1.19 月に雨笠日笠なし
- 1.20 ツバメが低く飛ぶと雨
- 1.21 トンビが朝騒ぐときは雨、夕方騒げは晴れになる
- 1.22 西風は雨が多い、南風は晴れが多い
- 1.23 鶏が遅くまで外にいるときは、翌日雨になる
- 1.24 猫が顔を洗うと雨
- 1.25 彼岸坊主の大袈裟(けさ)流し
- 1.26 蛇が木に登るのは大雨のしるし
- 1.27 星がちらつくと雨
- 1.28 夕方に黒雲が重なっていると、その夜は雨になる
- 1.29 夕立は三日
- 1.30 夕日がまぶしくないのは、雨が降るしるし
- 2 雨にまつわることわざ 20
- 2.1 秋の雨が降れば猫の顔が三尺になる
- 2.2 朝雨に傘いらず
- 2.3 朝雨は女の腕まくり
- 2.4 雨垂れ(あまだれ)石をも穿(うが)つ
- 2.5 雨垂れは三途(さんず)の川
- 2.6 雨が降っては戦(いくさ)はできぬ
- 2.7 雨 塊(つちくれ)を破らず
- 2.8 雨の降る日は天気が悪い
- 2.9 雨は花の父母
- 2.10 雨晴れて 笠を忘る
- 2.11 雨降って地固まる
- 2.12 雨を冒し韮を剪る
- 2.13 雨後の筍(たけのこ)
- 2.14 頼む木の下に雨漏る
- 2.15 手を翻(ひるがえ)せば雲となり 手を覆(くつがえ)せば雨となる
- 2.16 七つ下がりの雨と四十過ぎての道楽はやまぬ
- 2.17 濡れぬさきの傘
- 2.18 花発(ひら)いて風雨多し
- 2.19 仏法(ぶっぽう)と藁屋(わらや)の雨は出て聞け
- 2.20 山雨(さんう)来たらんと欲して風 楼(ろう)に満つ
雨の前触れのことわざ 30
まずは、雨が降ることを予測するようなことわざについてみていきましょう。
これらには、雲、風、月などの自然現象を雨の前触れとするものが多くみられます。また、生物の行動によるものも多いことに注目してみて下さい。
朝虹は雨 夕虹は晴れ
【補足】朝空に虹がかかっているときは次第に雨になり、夕方の虹の場合は晴となる
【同義】朝虹はその日の洪水
朝焼けは雨 夕焼けは日和(ひより)
【補足】日和とは晴れた良い天気、晴天のことをいいます。
【同義】夕焼けに鎌を研(と)げ
夕焼けの翌日は晴れるから、農作業に使う鎌を研いでおけという意味です。
雨蛙(あまがえる)が泣くと雨
【補足】蛙は気圧や湿度の変化を感じると鳴くといわれています。
蟻が巣の出入口を塞(ふさ)いでいると雨が降る
【補足】蟻も気圧、湿度の変化を感じ取ることができるといわれています。
蟻の行列を見たら雨
【補足】「蟻が巣の出入口を…」と似ていますが、ニュアンスが微妙に違うことわざです。
鰯雲(いわしぐも)は雨
【補足】鰯雲は空の比較的高い位置に見えます。
「うろこ雲」「ひつじ雲」「鯖雲(さばぐも)」と呼ばれることもあるので、「鰯」が「うろこ、ひつじ、鯖」となった使われ方もします。
多くの水鳥が木に移動しているときは、雨が降ることが多い
蚊柱(かばしら)立てば雨
【補足】蚊柱とは、たくさんの蚊が一かたまりになっていて柱のように見えるものをいいます。
【同義】蚊がうすづけば雨が降る
「うすづく」は「穀物を臼(うす)でつく」ことをいい、このことわざでは蚊の群れの動作がそのように見える場合を表わしています。
かまどの煙がたなびけば雨
【補足】かまど(竈)は、火をたいて食べ物を調理するための設備です。
カラスが盛んに水浴びをするときは雨が近い
【補足】古くから伝えられていることわざです。
櫛(くし)が通りにくい時は雨
【補足】空気中の湿気によって起こる現象から生まれたことわざです。
煙がまっすぐ上がれば晴れ、横にたなびくときは雨が近い
【補足】前出の「かまどの煙が…」と同様です。
東風(こち)が吹けば雨
【補足】雨を降らせる低気圧が西から近づくときは東風が吹くので、理にかなっているといえるでしょう。
霜強ければ雨となる
【同義】大霜あれぽ三日のうちに雨が降る、大霜の明後日は雨
白く低い雲が峰にかかるときは、数日のうちに雨になる
【同義】四方に白くて低い雲が出るときは、雨が近い
煤(すす)が落ちると雨
【補足】湿度が高いときに煤が水分を吸収して重くなって落ちると考えられます。
太陽の色が薄く見えるときは雨のしるし
月が暈(かさ)をかぶると雨
【補足】暈は光の輪のことをいいます。
【同義】日がさ月がさ出ると雨
月に雨笠日笠なし
【補足】一つ前のことわざと同様で、月に「かさ」がかかると雨になるという意味です。
ツバメが低く飛ぶと雨
【補足】湿度が高くなると小さな虫の羽が重くなって低く飛ぶようになり、それを食べようと追うツバメも低く飛ぶようになります。
トンビが朝騒ぐときは雨、夕方騒げは晴れになる
西風は雨が多い、南風は晴れが多い
【同義】秋の西風は雨のしるし
鶏が遅くまで外にいるときは、翌日雨になる
猫が顔を洗うと雨
【補足】雨が近づいて湿度が高くなると、猫が顔を洗うようなしぐさをするといわれています。
【同義】猫が仰向けに寝れば雨近し
彼岸坊主の大袈裟(けさ)流し
【補足】彼岸(春と秋それぞれ 7日間)には、お坊さんの袈裟(=僧侶の衣服)が流れてしまうような大雨が降るという意味です。
蛇が木に登るのは大雨のしるし
星がちらつくと雨
【補足】星がちらついて見えるのは大気にゆらぎがあるため、すなわち雨が近いとされます。
【同義】天の川の中に小さい星が沢山見えるときは雨が多い
夕方に黒雲が重なっていると、その夜は雨になる
夕立は三日
【補足】夕立が降ると、その後三日は夕立が続くという意味です。
【類似】春に三日の晴れ無し
夕日がまぶしくないのは、雨が降るしるし
雨にまつわることわざ 20
次に、ことわざに「雨」が含まれているもの、雨に関するものをみていきましょう。
秋の雨が降れば猫の顔が三尺になる
【補足】秋には雨が降ったほうが暖かく感じられ、猫が顔を長くする(=喜んだ顔をする)という意味です。
朝雨に傘いらず
【意味】朝の雨はすぐに止むので傘は必要ない
朝雨は女の腕まくり
【意味】朝の雨は(すぐに止むし)女の腕まくりのようなものだ(=大したことはない)
【類義】俄(にわ)か雨と女の腕まくり
雨垂れ(あまだれ)石をも穿(うが)つ
【意味】雨垂れも長く続けば石に穴をあけるようになる
【同義】点滴(てんてき)石を穿つ
雨垂れは三途(さんず)の川
【意味】(雨垂れが落ちる)家の軒先を出ると、どんな危険なことがあるかわからない
【類義】男は敷居を跨げば七人の敵あり
雨が降っては戦(いくさ)はできぬ
【意味】「腹が減っては…」の語呂合わせでは…?
雨 塊(つちくれ)を破らず
【意味】「静かに降る雨は塊(=土の塊)を壊さずにしみ込む」の意から、世の中が平和に治まっていることを表現します。
雨の降る日は天気が悪い
【意味】当たり前のこと、当然のことの例えです。
【同義】犬が西向きゃ尾は東
雨は花の父母
【意味】花にとって雨は父親・母親のようなものだ
雨晴れて 笠を忘る
【意味】「雨が止んで晴れると、それまでかぶっていた笠のありがたさを忘れてしまう」の意から、苦しかったことも過ぎてしまえば、そのときの恩を忘れてしまうことをいいます。
また、「雨晴れて 傘を忘れる」として、雨が晴れると傘を忘れて(置いてきて)しまうと解するのは本来の意味と違います。
雨降って地固まる
【意味】「雨が降った後は、(乾いて)かえって地面は固くなる」の意から、悪いことの後に状態が好転することを表現する言葉です。
【同義】雨の後には上天気
雨を冒し韮を剪る
【意味】雨の中を韮(にら)を切って集め、訪ねてきた友人をもてなしたという中国・郭林宗の故事によるもので、友人を心からもてなすことを表現する言葉です。
雨後の筍(たけのこ)
【意味】雨が降った後には筍が次々と出てくることから、同じようなものが続けて現れることを表現する言葉です。なお、「成長が早い」といった意味で使うのは誤りです。
頼む木の下に雨漏る
【意味】「木の下で雨宿りをしたが、雨が漏れてきた」の意で、頼みにしていた当てが外れることをいいます。
手を翻(ひるがえ)せば雲となり 手を覆(くつがえ)せば雨となる
【意味】「手のひらを上に向けると雲が出て、下に向けると雨が降る」の意で、人の心や情というものは変わりやすいことをいいます。
七つ下がりの雨と四十過ぎての道楽はやまぬ
【意味】七つ下がりとは、午後 4時を過ぎた頃のことです。「夕方からの雨と 40歳を過ぎてから始めた道楽はなかなか止まらない」の意です。
【同義】四十過ぎての道楽と七つ下がりの雨は止みそうで止まぬ
濡れぬさきの傘
【意味】「降らぬ先の傘 」ともいわれ、前もって用意をしておくことを表現する言葉です。
【同義】転ばぬ先の杖
花発(ひら)いて風雨多し
【意味】「花が咲く頃には風が吹いたり雨が降ることが多い」の意で、とかく物事には邪魔が入るということを表現する言葉です。
【同義】月に叢雲(むらくも)花に風、好事魔多し
仏法(ぶっぽう)と藁屋(わらや)の雨は出て聞け
【意味】仏教の教えは家を出て(寺院へ)聞きに行かなければならないし、藁ぶき屋根の家の中では雨の音が聞こえないから外へ出てみなければわからない
山雨(さんう)来たらんと欲して風 楼(ろう)に満つ
【意味】山雨(=山から降り始める雨、山に降る雨)が来るときには、風が楼(たかどの)に吹いてくるの意です。異変が起こる前の不穏な状態を表現する言葉です。
関 連 ペ ー ジ