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雨の和歌 20選 【現代語訳】付き

草の葉に付いた雨滴

雨が降ると、どうしても気持ちは沈みがちになります。しかし、これは私たち現代人に限ったことではなく、昔の人々も同じように感じていたようです。

それは、雨が詠み込まれた和歌を詠んでみるとよくわかります。そして、雨が「涙」と結びつけられている歌も多くみられます。

このページには、そのような「雨の和歌」と言えるようなものを 20首集めました。どの歌も共感が持てるようなものばかりですので、是非とも鑑賞してみて下さい。

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目次

雨の和歌について

雨に関連するものが詠まれた和歌を 20首を選び、先頭の文字の五十音順に並べましたので、是非ともチェックしてみて下さい。

なお、それぞれの歌には現代語訳を付けましたが、これは私の意訳であることをお断りしておきます。一般的な解釈、通釈とは異なるものもあることを何卒ご了承ください。

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雨の和歌 20選

 

秋萩の 花をば雨にぬらせども 君をばまして惜しとこそ思へ

【現代語訳】秋の萩の花を雨に濡らせてしまうのも(惜しいの)ですが、あなたにおいとまを言うのは、なおさら惜しいと思っています

【作者】紀貫之(きのつらゆき)

【採録】古今和歌集(こきんわかしゅう)

 

 

雨隠り(あまごもり) 心欝(いぶ)せみ出で見れば 春日の山は色づきにけり

【現代語訳】雨籠りをして心が欝(うつ)としていたが、(外へ)出てみれば春日(かすが)の山が色付いて(紅葉)していた

【作者】大伴家持(おおとものやかもち)

【採録】万葉集(まんようしゅう)

【補足】雨籠りとは、雨を嫌って家に籠ることをいいます。

 

 

雨ならで もる人もなき我が宿は 浅茅が原と見るぞかなしき

【現代語訳】雨のほかには守る人もいない私の家は、浅茅が原のように(荒れ果てて)見えるのが悲しい

【作者】徽子女王(きしじょおう)

【採録】斎宮集(さいぐうしゅう)

【補足】浅茅が原(あさじがはら)とは、荒れ果てた野原のことをいいます。

 

 

雨ふらば 紅葉のかげにやどりつつ 龍田の山に今日は暮らさむ

【現代語訳】雨が降ったら紅葉(した木)の蔭に雨宿りしながら、龍田の山で今日を過ごすとしよう

【作者】素性法師(そせいほうし)

【採録】続古今和歌集(しょくこきんわかしゅう)

 

 

雨ふると 藤のうら葉に袖ふれて 花にしほるる我が身と思はむ

【現代語訳】雨が降ると、藤の葉に袖が触れて、花にも悲しくなってしまう我が身を感じるようになる

【作者】源俊頼(みなもとのとしより、しゅんらい)

【採録】散木奇歌集(さんぼくきかしゅう)

藤の花

 

 

いづかたに 秋のゆくらん我が宿に こよひばかりの雨やどりせよ

【現代語訳】どこへ秋は行くのだろうか、私の家に今夜だけでも雨宿りしてくれ

【作者】藤原公任(ふじわらのきんとう)

【採録】金葉和歌集(きんようわかしゅう)・三奏本(さんそうぼん=三度目に奏覧して納められたもの)

 

 

大空の 雨はわきてもそそがねど うるふ草木はおのがしなじな

【現代語訳】大空(から)の雨は、分け隔てして(降り)注がないけれど、(その雨で)潤う草木は各自が様々である

【作者】源信(げんしん)

【採録】千載和歌集(せんざいわかしゅう)

 

 

かきくらし 時雨るる空をながめつつ 思ひこそやれ神なびの森

【現代語訳】あたり一面を暗くして時雨(しぐれ)が降る空を眺めながら、思いを馳せている、神が宿る森を

【作者】紀貫之

【採録】拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)

 

 

五月雨に 物思ひをれば時鳥 夜ぶかく鳴きていづちゆくらむ

【現代語訳】五月雨(さみだれ)に物思いしていると、時鳥(ほととぎす)が夜の深くに鳴いた。とこへ行くのだろうか

【作者】紀友則(きのとものり)

【採録】古今和歌集

 

 

五月雨の 空だにすめる月影に 涙の雨ははるるまもなし

【現代語訳】五月雨の(降っていた)空に澄んだ月の姿(に対し)、(私の)涙の雨は(止まず)晴れる間もない

【作者】赤染衛門(あかぞめえもん)

【採録】新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)

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墨染の 君がたもとは雲なれや たえず涙の雨とのみふる

【現代語訳】ねずみ色のあなたの(着物の)袂(たもと)は雲なのでしょうか、たえず涙が雨のように降っています

【作者】壬生忠岑(みぶのただみね)

【採録】古今和歌集

 

 

龍田川 もみち葉ながる神なびの みむろの山に時雨ふるらし

【現代語訳】龍田川には紅葉の葉がながれていて、神が宿る三室山には時雨が降っているらしい

【作者】柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)

【採録】拾遺和歌集

 

 

泣く涙 雨とふらなむ渡り川 水まさりなばかへりくるがに

【現代語訳】泣いて流す涙が雨となって降ってほしいものだ。(あの世へ)渡る川の水が増えて(妹が)帰って来るように

【作者】小野篁(おののたかむら)

【採録】古今和歌集

 

 

涙さへ 時雨にそひてふるさとは 紅葉の色もこさまさりけり

【現代語訳】涙さえも時雨に沿って(落ちる)、故郷(ふるさと)は紅葉の色も濃くなってきました

【作者】伊勢(いせ)

【採録】後撰和歌集(ごせんわかしゅう)

 

 

ねになきて ひちにしかども春雨に ぬれにし袖ととはばこたへむ

【現代語訳】声を出して泣いて、(袖を)濡らしてしまったけれども、(人に)問われたら「春雨に濡れた袖だ」と答えよう

【作者】大江千里(おおえのちさと)

【採録】古今和歌集

【補足】中古三十六歌仙の一人です。

赤い和傘

 

 

春雨の 花の枝より流れこば なほこそ濡れめ香もやうつると

【現代語訳】春雨が花の枝から流れ(落ち)てきたら、なお一層濡れよう。(花の)香りも移るかもしれない

【作者】藤原敏行(ふじわらのとしゆき)

【採録】後撰和歌集

 

 

春雨は いたくなふりそ桜花 まだ見ぬ人に散らまくも惜し

【現代語訳】春雨はひどく降らないでくれ。桜の花をまだ見ていない人には、散ってしまうのは惜しいので

【作者】山部赤人(やまべのあかひと)

【採録】新古今和歌集

 

 

ひさかたの 雨の降る日をただ独り 山辺に居ればいふせかりけり

【現代語訳】雨の降る日にただ一人で山辺にいると、鬱陶(うっとう)しいものだなあ

【作者】大伴家持

【採録】万葉集

【補足】「ひさかたの」は「(この歌では)雨」に掛かる枕詞(まくらことば)で、この他に「空」「日」「月」「雲」「都」等にも掛かります。

 

 

水もなく 見えこそわたれ大井川 きしの紅葉は雨とふれども

【現代語訳】水がないように見え渡る大井川、岸の紅葉は雨のように降っているのに…

【作者】藤原定頼(ふじわらのさだより)

【採録】後拾遺和歌集(ごしゅういわかしゅう)

 

 

世の中に 言ひながしてし龍田川 見るに涙ぞ雨と降りける

【現代語訳】世の中に言い伝えられてきた龍田川、見てみれば涙が雨のようにおちてしまう

【作者】宇多天皇(うだてんのう)

【採録】新拾遺和歌集(しんしゅういわかしゅう)

 

【関連ページ】

次のページには和歌を代表する傑作を集めてありますので、是非とも一度鑑賞してみて下さい。

⇒ 有名な和歌 15首

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