だるまの意味と由来は何? 目の入れ方はどっちから?
だるまさんとは、「にらめっこ」や「だるまさんがころんだ」等の遊びを通じて、子供の頃から馴れ親しんできていますよね。
その姿には愛嬌がありますし、お正月の縁起物として人気があるのもうなずけます。また、願かけの対象としても大活躍しています。
しかし、一口に「だるま」といっても色や種類にも様々なものがありますし、なかなか興味が尽きないので少し調べておくことにしました。
目次
だるまの意味と由来は?
日本には、鎌倉時代に仏教が伝わって来ましたが、そのうちの一つに禅宗(ぜんしゅう)がありました。
この禅宗を開いたのが、インド人の仏教僧である菩提達磨(ぼだいだるま、サンスクリット語でボーディダルマ)です。
なお、達磨、達磨大師、達磨祖師とも呼ばれます。
そして、菩提達磨が座禅している姿を形どった置物やおもちゃが『だるま』です。
張り子細工でつくられた赤い色で、目の部分が白いままのものが多いですよね。
願をかけて、それがかなったときに目を黒く入れる習慣もよくみられます。
だるまに手と足がないのは、面壁九年(めんぺきくねん)という故事にならったものです。
それは、菩提達磨が壁に向かって九年間も座禅を組んで悟りを開いたのですが、そのときには手足が腐ってしまっていたというものです。
また、起き上がり小法師(おきあがりこぼし、おきあがりこぼうし)というおもちゃがありますが、これは本来だるまとは違うものです。
形がだるまのように丸いことと、達磨の顔を書いたものも多く出回ったため、両者が混同されるようになったのです。
なお、江戸時代に中国から伝わった起き上がり小法師は黄色かったと伝えられています。
だるまの色の理由は?
赤い色の理由
だるまさんには様々な色のものがありますが、やはり赤いものが圧倒的に多いですね。
これは、日本では古来より赤い色は魔除けの力を持つと考えられてきたことによるものです。
そして、お祝いやおめでたい席では赤が使われ、縁起が良いとされてきました。
赤以外の色のだるま
赤以外のだるまさんも、近年では珍しくありませんね。
様々な色がありますが、そのうちのいくつかを挙げてみましょう。
- 黒 … 黒字を招くといわれ、商売繁盛を祈願します
- 金色 … 金運を招くといわれています
- 黄色 … 金色と同様に金運を招くといわれています
- 白 … 赤いだるまさんと対にして紅白で用いたり、合格祈願に使われます
- 緑 … 健康や長寿を祈願します
- 紫 … 長寿を祈願します
- オレンジ … 子宝が授かるといわれています
- ピンク … 恋愛が成就するといわれています
だるまの目の入れ方
だるまさんに目がはいっていないものは、願をかけるときに使われます。
一般的な目の入れ方をみていきましょう。
まず、祈願するときに、向かって右側の目を入れます。これを「開眼(かいげん)する」といいます。
これは、大安など吉日が良いとされています。
そして、願い事がかなったら、向かって左側の目を入れます。
だるまさんの身になっていえば、左目 ⇒ 右目 の順に入るわけです。
この目の入れ方が絶対というわけではなく、宗派や地域によっても違いがあります。
だるまの種類
だるまさんは、地域によって様々なものが作られていいますが、そのうちのいくつかを挙げてみましょう。
松川だるま
宮城県の仙台市でつくられています。だるまさんの前面が青系統の色、背面は赤い色という配色が施されています。
白河だるま
福島県の白河市(しらかわし)でつくられています。赤いだるまさんは厄除け・家内安全、白いものは開運のご利益があります。
高崎だるま
日本全国生産数の約8割を占めるといわれています。いわゆる「選挙だるま」のほとんどが高崎(たかさき)だるまです。
越谷だるま
埼玉県の越谷市(こしがやし)でつくられています。武州(ぶしゅう)だるまとも呼ばれ、関東一円、全国に出荷されています。
東京だるま
多摩(たま)だるまとも呼ばれ、東京の西部でつくられています。
姫だるま
愛媛県でつくられているだるまさんで、女性の姿形をしています。
豊の姫だるま
大分県でつくられているだるまさんで、これも女性の姿形をしています。
まとめ
- だるまさんは、禅宗の開祖である菩提達磨(ぼだいだるま)の姿を形どったものです。
- だるまさんの赤い色は、魔除けの力を持つという考えから用いられてきました。
- だるまさんに目の入れ方は、願をかけるときに向かって右側の目、願いがかなったら向かって左側の目とするのが一般的に広まっています。