春うららの意味とは? 「うららか」とは違いますか?
春うららという言葉からは、なんともゆったりとしたものを感じます。
そして、「春のうららの ~ 」の歌を聞くと、まさに春そのものといった気持になります。
このページでは、春うららの意味、うららかの意味などを確認していきましょう。
春うららの意味は?
春うららの意味は、「春の空が晴れていて、陽射しが穏やかに照らしている様子、または、そのような春の雰囲気」です。
春という季節が持っている明るさや気持ちよさ、のどかな様子を的確に表現する言葉です。
この「うらら」の語源は、古代に使われていた「うらうら」という言葉といわれています。
江戸時代の国学者である大石千引(おおいし ちびき)は語学書『言元梯(げんげんてい=語学に関する書物)』の中で、「うらうら」は「ゆらゆら(寛々)」が転じたものとしていて、ゆらゆらは「ゆったりとした」といった意味と考えられています。
この説をとれば、「うらら」は次のような変化をしてきたことになります。
ゆらゆら ⇒ うらうら ⇒ うらら
春うららと似ている言葉には「春爛漫(はるらんまん)」といった言葉があります。
春爛漫については、こちらをご覧ください。
【参考】 春爛漫とは
また、「秋麗(あきうらら、しゅうれい)」 という言葉があります。
この言葉は「春うらら」を秋に置き換えて考えればよいので、「晴れ渡った、陽気が良いのどかな秋の日」という意味になります。
うららかの意味は?
「うららか」は漢字で「麗らか」と書き、次のような意味があります。
- 空が晴れわたり、日差しが柔らかく照っていて、のどかな様子
- 声などが晴れ晴れとしていて、楽しそうな様子
これらの意味は、先に述べた「春うらら」の意味と共通したものです。
「春」が付いていないので、季節が限定されていないだけです。
ですから、「うららか」と「春」と組み合わせて使えば、「春うららか」や「うららかな春」などとなります。
そして、意味も「春うらら」と同じことになります。
春のうららの隅田川 ♪
春のうららの 隅田川(すみだがわ)
のぼりくだりの 船人が
櫂(かひ)のしづくも 花と散る
ながめを何に たとふべき見ずやあけぼの 露浴びて
われにもの言ふ 桜木(さくらぎ)を
見ずや夕ぐれ 手をのべて
われさしまねく 青柳(あおやぎ)を錦(にしき)おりなす 長堤(ちょうてい)に
暮るればのぼる おぼろ月
げに一刻も 千金の
ながめを何に たとふべき
「春うらら」という言葉を聞いて、この歌を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
それくらい有名な曲ですね。何といっても、メロディーが素晴らしいの一言に尽きます。
また、出だしの「春のうららの 隅田川」の詞が頭に残るため、私は長い間、この歌の題名を「春」あるいは「隅田川」だと思い込んでいました。
後に正しい題名が『花』と知ったときは、少し意外な感じがしてしまいました。
なお、当初の題名は「花盛り」だったということです。
まとめ
- 春うららは、「春の空が晴れていて、陽射しが穏やかに照らしている様子、または、そのような春の雰囲気」を表現する言葉です。
- 「うららか」を「春」と組み合わせて使えば、意味も「春うらら」と同じことになります。