伊勢神宮と出雲大社、違いはどこにあるのでしょうか?
旅行に行くのであれば、伊勢神宮と出雲大社ならどっちに行きたいと思いますか?
私はどちらも行ったことがないので両方行ってみたいのですが、どちらか一方といわれると困りますね。
この2つの神社は魅力にあふれていますし、一度は観光したいという気にさせられます。
ですから、いずれは両方とも行くとして、参拝の仕方などを含めて少し下調べをしておくことにしましょう。
伊勢神宮について
伊勢神宮と「お伊勢まいり」
伊勢神宮(いせじんぐう)は三重県伊勢市にある神社で、正式な名称は「神宮(じんぐう)」です。
他の神宮と区別をする場合に、「伊勢の神宮」と地名をつけることがあります。
一般的には「伊勢神宮」、親しみを込めて「お伊勢さん」、「大神宮さん」と呼ぶこともあります。
江戸時代の滑稽本『東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ=十返舎一九の作)』は、主人公が厄落としにお伊勢まいりを思いつくという話でした。
このお伊勢まいりは江戸時代に盛んになったもので、庶民の多くにとっては一生に一度とも言える大きな夢でした。
それは、伊勢までの旅費として大金が必要だったからです。
そこで利用されたのが「お伊勢講」という仕組みでした。
「講(こう)」に入った者がお金を出し合って、旅費になるまで集めます。
まとまったところで「くじ引き」をして、当たったものがお伊勢まいりに出かけるのです。
当たったものは次からくじを引けないので、講の全員がいつかはお伊勢参りできるわけです。
江戸時代の人々が、貧しくても一生に一度は旅行できたのは、この講によるところが大きいといわれています。
伊勢神宮の主祭神
伊勢神宮には、一般にいう内宮(ないくう)と外宮(げくう)という2つの正宮があります。
内宮には天照坐皇大御神 (あまてらしますすめおおみかみ)が祀られています。
一般的には、天照大神(あまてらすおおみかみ)として知られています。
また、外宮には豊受大御神 (とようけのおおみかみ)が祀られています。
内宮と外宮は離れているため、内宮のみを参拝する人が多いようです。
しかし、正式にはまず外宮を参拝してから内宮に参拝するのが正しいとされています。
出雲大社について
出雲大社と神無月
出雲大社(いづもたいしゃ、いづもおおやしろ)は島根県出雲市にある神社で、一般的には「いづもたいしゃ」と読まれますが、「いづもおおやしろ」が正式名称です。
旧暦の10月の別名が神無月(かんなづき、かみなしづき)である由来が、出雲大社に全国の神様が集まり、出雲地方以外には神様がいなくなるからという説は有名ですね。
そして、出雲地方では10月を神在月、神有月と呼ぶようになりました。
出雲大社の祭神
出雲大社には大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)が祀られています。
日本神話の「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」の話や、縁結びの神様としても有名ですね。
この「縁結び」とは、単なる男女の縁に限らず、あらゆる人と人の縁を結ぶことを意味しています。
この神様は、七福神の大黒様、すなわち大黒天(だいこくてん)と習合したのですが、本来は別々の神様です。
大国主大神は日本の神様で、大黒天はもともとインドの神様です。
「大国」と「大黒」の読みが「だいこく」となることから一緒になったのですね。
参拝の仕方
伊勢神宮と出雲大社では、参拝の仕方が違います。
- 伊勢神宮 : 二拝・二拍子・一拝(最敬礼2回・手を2回打つ・最敬礼1回)
- 出雲大社 : 二拝・四拍子・一拝( 〃 ・手を4回打つ・ 〃 )
このように、手を打つ回数が違っています。
一般的には、伊勢神宮のように 2・2・1 ですが、出雲大社では年に1度の例祭(勅祭)の時だけ 2・8・1 とし、普段は 2・4・1 なのです。
まとめ
- 伊勢神宮の正式な名称は「神宮(じんぐう)」です。
- 伊勢神宮の内宮には天照坐皇大御神 (あまてらしますすめおおみかみ)、外宮には豊受大御神 (とようけのおおみかみ)が祀られています。
- 出雲大社は、「いづもおおやしろ」が正式名称です。
- 出雲大社には大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)が祀られています。
- 伊勢神宮の参拝の仕方は、二拝・二拍子・一拝です。
- 出雲大社の参拝の仕方は、二拝・四拍子・一拝です。