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ジャパン(japan)の由来は「ジパング」で正しいですか?

紅白の和傘

「ジャパン」という言葉の由来については、マルコ・ポーロの『東方見聞録(とうほうけんぶんろく)』の中にある記載が語源であると小学校で習った記憶があります。

しかし、後にこの書物を読んでみて気になったのは、マルコ・ポーロが実際には日本へ来ていないということでした。そして「見聞録」というタイトルの通りに、伝え聞いたことにもとづいて日本のことを記述しています。

また、ジャパンの由来が東方見聞録ではないとする説もいくつか存在しています。

このページでは、これらの説を確認することによって、ジャパンの由来について考えていきましょう。

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ジャパンの由来の諸説

ジャパンの由来については、次のようないくつかの説があります。

 

東方見聞録の「ジパング」

この説が、ジャパンの由来として一番有名なものです。

イタリア(当時はヴェネツィア共和国)の商人マルコ・ポーロが著した『東方見聞録(とうほうけんぶんろく)』に、日本のことを「黄金の国・ジパング (Zipang、Zipangu)」として紹介しています。

このジパングを語源としてジャパンと変化したというものです。「ジパング」と「ジャパン」の音の響きは似ているので、かなり有力な説といえるでしょう。

「日本国」の中国語(広東語:かんとんご)での発音「ji-pen-quo」は「ジーベングォリーベングォ」となります。マルコ・ポーロがこれを知り、「ジパング」としたと考えるのがこの説です。

実際に、「ジャパンはジパングが転じたもの」としている辞典類は多くみられます。

また、この中国語の発音にもとづくものでなかったとしても、日本は「ジパング」に近い発音で当時呼ばれていたことが伺えます。

中尊寺金色堂の覆堂

 

16世紀のポルトガル人の表記

これは歴史学者・岡本良知(おかもと よしとも)が唱える説です。

16世紀に東アジアに来航したポルトガル人が、 「日本」の中国語での発音を聞いて音写として記録したものであり、東方見聞録の「ジパング」とは関係がないとするものです。

具体的には以下のものが挙げられています。

  • Jampon- 『東方諸国記』 (トメ・ピレス)
  • Japoes、Japam-『アジア史』 (ジョアン・デ・バロス)
  • Japongos-『マヌエル王代記』 (ダミアン・デ・ゴエス)

また、岡本は次に述べるヘンリー・ユールの説についても否定しています。

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中国語の発音「Jih-pun」

これはイギリスの軍人、旅行家で東洋学者でもあったヘンリー・ユールの説です。

「日本」の中国語での発音「Jih-pun」が、マレー語での発音「 Japung、Japang 」を経由してヨーロッパへと伝わったというものです。

ヘンリー・ユールは『東方見聞録』の訳注を行なっており、オックスフォード英語辞典の作成に際には、東洋に関する記述に対して助言をした人物です。

 

どの説が正しい?

以上の説をまとめると、次のようになります。

語源とされるもの
東方見聞録説 Zipang
Zipangu
ポルトガル人
の表記説
Jampon
Japoes
Japongosなど
中国語の発音説 Jih-pun(発音)

これらのうち、どれが正しいのかについては、残念ながら特定することができません。

なぜなら、いずれもが「日本」の中国語での発音をもとにしているからです。(東方見聞録説では、中国語の発音と関係がない可能性もあります。)

そして、その発音をヨーロッパの言語で表記したものから「ジャパン(Japan)」という言葉が生まれたとされているのです。

どの説も正しいように思えますが、またどれもが決定的ではなく、現状では結論を出すことができません。

 

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