枯山水(かれさんすい)とは? どんな意味があるのですか?
枯山水には不思議な魅力があります。枯山水セット、枯山水キットというものが発売されていますし、「枯山水」という名前の国産のボードゲームもヒットしました。
また、国内に留まらず外国人観光客にも人気がありますし、世界の造園家からも注目されています。
この枯山水とは、そもそもどのようなものをいうのか、どんな意味を持っているのかについて考えていくことにしましょう。
枯山水とは?
枯山水(かれさんすい)とは、水を使わない日本庭園の様式の一つで、石や砂などによって山や川などの自然の風景を表現するものです。
白砂や小石で水面を表現したものが多く、なかには石材の表面の模様が水流を表わしているものもあります。このことから、枯山水は「水無くして水を楽しむ庭」ともいわれます。
枯山水の表記については、乾山水、乾泉水、唐山水、から山水、仮山水とするものがあります。また、読み方については、カレセンスイ、カレセンズイ、カラセンスイ、カラセンズイ、コサンスイ、カサンスイとするものがあります。
このうちの唐山水については、室町時代に中国から伝わった水墨山水画からの影響を受けたことからの命名と考えられています。そして、山水画や画風のことを「枯山水」と呼ぶこともあります。
それぞれの語の出典を挙げておきましょう。
- 枯山水 -『作庭記(さくていき)』
- 乾山水、乾泉水 - 『源平盛衰記(げんぺいせいすいき、じょうすいき)』
- 唐山水 - 『臥雲日件録(がうんにっけんろく、じっけんろく)』
- から山水 -『庭作不審書(ていさくふしんしょ)』
- 仮山水 -『仮山水譜并序(かさんすいふへいじょ)』
枯山水が持つ意味とは?
日本庭園、和風庭園の様式には、回遊式庭園(かいゆうしきていえん)と呼ばれるものがあります。最も一般的なのは池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)といわれるもので、池を中心として築山(つきやま=人工的な山)や庭石(にわいし、ていせき)を配置し、実際に回遊しながら庭園を鑑賞しようというものです。
この回遊式庭園と対照的なのが枯山水庭園で、歩行や散策などは行ないません。室内で枯山水と向き合って、坐禅(ざぜん=座禅)や坐忘(ざぼう=雑念を除くこと)、または思索に耽ります。
龍安寺(りょうあんじ)の石庭 - 以前には「どこから眺めても必ず一つは見ることができない(14個しか見えない)」とされていましたが、近年は15個すべてが見える場所があることが広まりました。
枯山水が持つ意味については、様々な解釈がされていますし、多くの説が存在します。これは、枯山水が室町時代の禅宗(ぜんしゅう)の寺院で発達し、抽象的な表現を含んでいたためと考えられます。
例えば、龍安寺の石庭の解釈については、次のような説があります。
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- 虎の子渡し(中国の故事)
- 七・五・三の数
- 「心」という文字
- 禅の五山
- 中国の五岳
- 不完全なるもの
- 無常観
- 宇宙観
これらのうち、どれが正しいということもないでしょうし、明解な解釈を求めようとするるのは、それこそ「禅問答」をするようなものです。むしろ、「どのような解釈をも導けるような問いかけ」と考えて枯山水を鑑賞するのがよいのかもしれません。
英語で言うと? - in English –
英語では、「枯山水」をどのように表現すればよいでしょうか。いくつかを挙げてみましょう。
- dry landscape garden
- rock garden
- zen garden
- zen rock garden
まとめ
- 枯山水は、水を使わない日本庭園の様式の一つで、石や砂などによって山や川などの自然の風景を表現したものです。
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