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難しいことわざの意味 50 【一覧】

雲海

ことわざの中には、「難しい」と感じるようなものがあります。

古くから言い伝えられてきたものなので、言い回しが現代のものとは違うことも、その原因となっているかもしれません。ですから、文字からは意味が想像できないようなことわざに出会うこともあります。

しかし内容がわかってみると、なるほどと思えるようになるのがことわざの特長かもしれません。

このページには、そのような「難しいことわざ」といえるようなものを集めてみました。是非一度、チェックしてみて下さい。

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目次

難しいことわざについて

  • 意味や読み方などが難しいと思われることわざを集めて、五十音順に並べてあります。
  • 【補足】には、誤りやすい使い方を中心に記述しています。
  • ことわざは、俚諺(りげん)ともいいます。

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難しいことわざ 50

 

挨拶は時の氏神(うじがみ)

【意味】けんかや争いが起こっているときに仲裁してくれる人がいたら、それに従った方が良い

【補足】この場合の「挨拶」は争いごとを仲裁することで、「氏神」とは同じ地域に住むひとが祀る(まつる)神様のことです。

【同義】仲裁は時の氏神

 

 

足下(あしもと)から鳥が立つ

【意味】急に意外なことが起きること、突然思いついたように慌ただしく行動することの例えです。

【補足】「足下」は、「足元」「足許」と表記されることもあります。

【類義】青天の霹靂(へきれき)、寝耳に水

 

 

当たるも八卦(はっけ)  当たらぬも八卦

【意味】占いというものは、当たることもあれば当たらないこともある

【補足】「八卦」とは、易(えき)における 8つの基本的な図像のことで、ここでは占いを意味しています。

 

 

羮(あつもの)に懲(こ)りて膾(なます)を吹く

【意味】前の失敗によって、必要以上に用心深くなることの例えです。

【補足】「羹」は熱い吸い物、「膾」は冷たい和(あ)え物のことです。 熱いものに懲りて膾を吹く」というのは誤用です。

 

 

いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)

【意味】区別するのが難しかったり、選択を迷うことの例えです。

【補足】菖蒲と杜若の花は、とてもよく似ていることから生まれたことわざです。「いずれ菖蒲」といわれることもあります。

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磯の鮑(あわび)の片思い

【意味】「片思い」をしゃれていう表現です。

【補足】鮑の殻は二枚貝の片方だけのように見えることから、「片貝」と「片思い」のをかけたものです。「鮑の片思い」ともいいます。

 

 

一姫二太郎(いちひめにたろう)

【意味】子供を持つなら、最初に女、次は男というのが理想的である

【補足】男の子を望んでいたのに、女の子が生まれたときの慰めの言葉として使われてきました。「女 1人、男 2人のきょうだい」の意味で使うのは誤りです。

 

 

一子相伝(いっしそうでん)

【意味】芸事や学問などの奥義(おうぎ)を、自分の子供一人だけに伝えること

【補足】「一子」とは子供の中の一人のことで、「相伝」とは代々伝えることをいいます。

 

 

いつも月夜に米の飯

【意味】苦労をしないで済むような安楽な生活のこと、また、そう願っていてもなかなか思い通りにならないことの例えです。

【補足】古くには、月明かりは貴重なものであり、白米のご飯はご馳走だったので、それが続けば申し分ないとされていました。「月夜に米の飯」ともいいます。

 

 

意馬心猿(いばしんえん)

【意味】欲望や煩悩のために、心が抑えようもないほど乱れることの例えです。

【補足】良い意味で使うのは誤りです。

【同義】心猿意馬

永平寺の鐘撞き堂

 

慇懃無礼(いんぎんぶれい)

【意味】見た目は礼儀正しく丁寧でも、内心では相手を見下している様子、また、言葉などが丁寧過ぎて、かえって失礼になってしまうこと

【補足】 「慇懃」とは、とても礼儀正しく丁寧な様子をいいます。

【同義】礼も過ぎれば無礼となる

 

 

兎の登り坂

【意味】得意なことで力を発揮すること、物事が順調に進むことの例えです。

【補足】「兎の上り坂」とも表記されます。

 

 

有象無象(うぞうむぞう)

【意味】価値がない人や、くだらない物の例えです。

【補足】仏教の言葉で「この世にある有形無形の全てのもの」という意味を持ちます。「ゆうぞうむぞう」「ゆうしょうむしょう」という読み方は誤りです。

 

 

運否天賦(うんぷてんぷ)

【意味】運を天にまかせること、すべての運命は天が決めるものだということ

【補足】 「運否」は幸運と不運、「天賦」は天が与えるものの意です。

【同義】 運は天にあり、命は天に在り

 

 

江戸の敵(かたき)を長崎で討つ

【意味】以前に受けた恨みを、遠く離れた場所や関係がないことで晴らすことの例えです。

【補足】執念深く恨みを晴らす」という意味合いで使うのは誤りです。

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小田原評定(ひょうじょう)

【意味】長い時間をかけても、結論がでない相談の例えです。

【補足】「評定」は相談という意味です。小田原城の北条氏直が豊臣秀吉の軍に城を包囲されたときに、城中での評定に結論がでないまま滅ぼされたことに由来しています。

 

 

同じ穴の狢(むじな)

【意味】違っているように思えても、仲間、同類であることの例えです。

【補足】狢(=貉)は「アナグマ」の異名で、狸ととてもよく似ています。一般的に、悪い意味合いで使われます。

【同義】一つ穴の狢、同じ穴の狸、同じ穴の狐

 

 

乳母日傘(おんばひがさ)

【意味】乳幼児が必要以上に大事に育てられることの例えです。

【同義】蝶よ花よ、月よ花よ

 

 

快刀乱麻を断つ

【意味】複雑な事態や問題などを、鮮やかに解決することの例えです。

【補足】「快刀」は鋭い切れ味を持つ刀、「乱麻」はもつれた麻糸のことで、「快刀乱麻」ともいいます。

【同義】一刀両断

 

 

怪力乱神(かいりょくらんしん)を語らず

【意味】君子は、怪しげなことや道理に背くようなことは口にしない

【補足】 「怪力」は、古くから「かいりょく」と読まれてきました。

仁王像

 

渇して井を穿(うが)つ

【意味】いざとなってから慌てて用意しようとしても間に合わないことの例えです。

【補足】「井」は井戸、「穿つ」は穴をあける、掘るという意味です。

【同義】泥棒を見て縄をなう(=どろなわ)

 

 

金(かね)の草鞋(わらじ)で尋ねる

【意味】あちこちと根気よく探して回ることの例えです。

【補足】この「金」は鉄製の意味です。鉄でできた草鞋は擦り減ることがないことから、探すのに相当の努力が必要なことを表現したものです。

 

 

閑古鳥(かんこどり)が鳴く

【意味】人が集まらないで寂しい様子、商売などが繁盛していない様子の例えです。

【補足】閑古鳥はカッコウの別名で、鳴き声が物悲しいことから生まれた表現です。「暇がある」という意味合いで使うのは誤りです。

 

 

木で鼻を括(くく)る

【意味】冷たい態度をとること、そっけない対応をすることの例えです。

【補足】かつては、「括る」ではなく「こくる(=こする)」と表現されていました。

【同義】木で鼻をかむ、木で鼻

 

 

窮すれば通ず

【意味】どうにもならないような状況になると、かえって道が開かれることもある

【補足】「窮すれば通ず」が成句として固定されているので、「窮すれば通じた」とするのは誤りです。

 

 

金時(きんとき)の火事見舞い

【意味】飲酒などで顔が真っ赤になる様子の例えです。

【補足】金時は、昔話の「金太郎」のモデルといわれる坂田金時(さかた きんとき)のことです。

 

 

好事魔多し

【意味】良いことには邪魔が入りやすい

【補足】良いことがあっても浮かれてはいけないというニュアンスも含んでいます。

【同義】好事魔を生ず

 

 

紺屋(こうや)の白袴(しろばかま)

【意味】他人のためにばかり働いて、自分のことには手が回らないことの例えです。

【補足】「紺屋」とは染物屋のことです。忙しく人の袴を染めている紺屋が、自分は染めていない袴をはいていることから生まれた言葉です。

紺屋は「こんや」、白袴は「しらばかま」とも読みます。

 

 

骨肉相食(は)む

【意味】血のつながった者同士が激しく争うことの例えです。

【補足】血縁関係がない者の争いに用いるのは誤りです。

【同義】骨肉の争い

 

 

桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿

【意味】桜の枝は切らない方が良いが、梅の枝は切った方が良い

【補足】桜の枝を切ると切った個所が腐りやすくなり、梅の枝を切らないと余計な枝が増えてしまうことから生まれた言葉です。

桜の枝

 

雑魚(ざこ)の魚(とと)交じり

【意味】小物が大物の中に交じっていることの例えです。

【補足】身分や能力などの低い者が、それらの高い者の中に入っている場合にも使います。この場合の「雑魚」は小さな魚のことで、「魚(とと)」は大きな魚の意味です。

このことわざでは、魚を「うお」や「さかな」とは読みません。

 

 

敷居が高い

【意味】不義理をしたり、相手に迷惑をかけたりしているため、その人の家に行きにくい

【補足】「レベルが高い」や「ハードルが高い」という意味で使うのは誤りです。

 

 

人口に膾炙(かいしゃ)する

【意味】世間の人々に広く知られるようになり、もてはやされるの意です。

【補足】「膾」は前出のなます(冷たい和え物)のことで、「炙」は火であぶった肉のことです。どちらもご馳走で、人々にもてはやされるものです。

 

 

住まば都

【意味】住むのであれば、不便な場所よりも都の方が良いという例えです。

【補足】「住んで慣れてしまえば都のように感じるようになる」という意味の「住ば都」とは別のことわざです。

 

 

大根を正宗(まさむね)で切る

【意味】大げさなことをする場合の例えです。

【補足】 「正宗」は鎌倉時代の名工・岡崎正宗が鍛えた刀の名前です。「政宗」の字を使うのは誤りです。

 

 

月夜に釜を抜く

【意味】不注意なこと、油断することの例えです。

【補足】月夜は明るいからと油断すると、大切な釜を盗まれるという意味合いです。

【同義】「月夜に釜を抜かれる」、「月夜に釜」ともいいます。

 

 

伝家の宝刀

【意味】よくよくの場合以外には秘めて置いて、めったに使わないものの例えです。

【補足】いざ使う場合には「伝家の宝刀を抜く」と表現します。天下の宝刀」とするのは誤りです。

 

 

取り付く島もない

【意味】頼るところもなく、どうしようもない

【補足】「島」は、頼りになるもの、よりどころの意です。「取り付くもない」というのは誤りです。

【同義】にべもない

 

 

流れに棹(さお)さす

【意味】物事が順調、好都合に進むことの例えです。

【補足】舟は川の流れに乗り、棹をさして勢いをさらに付けることから生まれた言葉です。「水をさす」とは違い、勢いを止めるような意味合いで使うのは誤りです。

【同義】得手に帆を揚げる、追い手に帆を揚げる、順風満帆

 

 

情けは人の為ならず

【意味】他人に対する情けは、いつか自分のところへ戻ってくる

【補足】「情けをかけると、その人のためにならない」という意味で使うのは誤りです。

睡蓮の花

 

 

盗人(むすっと、ぬすびと)の昼寝

【意味】何の目的もないように思える行ないにも、それなりの理由があるものだということの例えです。

【補足】盗人が昼寝をするのは、夜に盗みをするために体を休めておく必要があるということから出た言葉です。

【同義】盗人の昼寝も当てがある

 

 

莫逆(ばくぎゃく)の友

【意味】意気投合していて、とても親しい友人の意です。

【補足】「莫逆」は、本来「ばくげき」と読みます。

 

 

白眉(はくび)

【意味】多くの中でも、特に優れている人や物の例えです。

【補足】「白眉」とは、白い眉毛のことで、中国の故事に由来することわざです。

 

 

蛇稽古(へびげいこ)

【意味】長続きしない稽古事などの例えです。

【補足】蛇は、秋には冬眠をします。この蛇のように、春に始めたことを秋にはやめてしまうことを表現したものです。

【同義】三日坊主

 

 

臍(ほぞ)を噛(か)む

【意味】ひどく後悔することの例えです。

【補足】臍は「へそ」のことですが、へそを噛む」とは読みません。なお、「臍(ほぞ)を固める」とは、決心するという意味になります。

 

 

三つ子の魂百まで

【意味】幼いときの性質は、老年になっても変わらない

【補足】この場合の 「三つ子」とは、三歳の子供のことです。

 

 

夜郎自大( やろうじだい)

【意味】自分の力量を知らない者が、いい気になっていることの例えです。

【補足】 「夜郎」とは中国の漢時代の国名で、「自大」とは自ら尊大になることをいいます。自分の国だけが大国だと思っていた夜郎の王が、漢帝国からの使者に「夜郎と漢では、どちらが大きいか」と尋ねたという故事から生まれた言葉です。

 

 

夜目(よめ)遠目(とおめ)笠の内

【意味】夜間、遠くから、笠の下に見る女性の顔は、より美しくみえるものだという意です。

【補足】本来は「笠の内」ですが、近年は「傘の内」と表記されることが多くなりました。

 

 

老婆心(ろうばしん)

【意味】親切が過ぎて、必要以上に世話を焼いたりすることの意です。

【補足】他人に忠告する際にへりくだって言う言葉ですが、目上の人に対して使うと失礼になることがあります

 

 

割れ鍋に綴(と)じ蓋

【意味】人にはそれぞれ相応しい相手がいるものだということの例えです。

【補足】「綴じ蓋」は修理をした蓋のことで、「割れた鍋には修理した蓋ぐらいがちょうど良い」という意味合いになります。「閉じ蓋」と表記するのは誤りです。また、他人に対して使うのは失礼となります

二羽のメジロ

 


関 連 ペ ー ジ


下記のページには、有名で面白いことわざを 50集めました。

そちらも併せてご覧になってみて下さい。

⇒ 面白いことわざ 40

 

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