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おもむろに(徐に)とはどんな意味?  類語を21コ集めました

薄桃色の桜の花

あなたは「おもむろに」という言葉を正しく使っている自信がありますか? 私の場合は自信を持って使っていたのですが、間違った意味で使っていたことがわかりました。

誤りとわかって最初は意外な気がしたのですが、よくよく考えてみると納得できる意味を持っていました。

この「おもむろに」の使い方に、もし少しでも不安があれば、あらためてこの言葉を確認してみてはいかがでしょうか。

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「おもむろに」の類語は?

まず、「おもむろに」の類語からみていきましょう。

  • 緩徐に(かんじょに)
  • ぐずぐずと
  • 除々に(じょじょに)
  • じわじわと
  • じんわりと
  • そろそろと
  • 遅々として
  • のそのそと
  • のそりと
  • のっそりと
  • のったりと
  • のろのろと
  •  もたもたと
  • やおら
  • 悠然と(ゆうぜんと)
  • 悠々と(ゆうゆうと)
  • ゆっくりと
  • ゆったりと
  • 緩りと(ゆらりと)
  • 緩々と(ゆるゆると)
  • ゆるりと

芝生の上の亀

このように、数多くの類語が存在しています。この中で、注目すべき言葉として「やおら」があります。辞書で「おもむろに」を調べると「やおら」が、「やおら」を引くと「おもむろに」が出てくるという関係にあります。

ですから、『おもむろに=やおら』と考えられます。実際に、この2つの言葉は同じように、間違った意味で使われることが多いのです。

なお、やおらの語源を「柔(やわら)」とする説もあります。

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おもむろに(徐に)とはどんな意味?

「おもむろに」の意味は、一番使われる言葉で言い換えれば、「ゆっくりと」ということです。そして、「おもむろに」には「急に」「いきなり」といった意味はありません。これは、「やおら」についても同じことが言えます。

おもむろにを漢字で表すと「徐に」となります。「除」は「徐行」や「徐々に」といったように、「ゆっくりと」という意味合いを持っているので、この字を当てるのは納得できます。

それでは何故、「おもむろに=急に」といった使い方をしてしまうのでしょうか。これを解くために、語源から考えてみましょう。

桜吹雪

「おもむろに」の語源として考えられているのは、日本書紀(にほんしょき=奈良時代に成立した日本についての歴史書)にも記述がある「おもぶる」という言葉です。漢字では「徐ぶる」とも記述され、「ゆっくりと」という意味に解されています。この言葉の音が変化して「おもむろ」になったと考えるのは、とても自然で無理がありません。

そして、「ゆっくり」という意味で使われてきたのですが、これには2つの解釈が成り立ちます。

  1. 動作自体にスピードがない「ゆっくり」
  2. 動作までに時間がかかる「ゆっくり」

1. の意味の場合、現代では「ゆっくり」そのものが使われて、あえて「おもむろ」を使う必要がなくなりました。2.の意味で使われているのが、現代の「おもむろ」です。

つまり、「彼はおもむろに立ち上がった」といった場合の意味は、「彼は(動作まで時間がかかって)立ち上がった」ということになります。そして、立ち上がる動作が速いか遅いかは問題ではないのです。

三春の滝桜

ここまでくると、「おもむろに=急に、いきなり」といった使い方をしてしまう理由が推測できます。

先に述べた例で、立つ動作までに時間がかかっていると、その間に

  • 立ち上がるとは思えない
  • 何か動作を起こす気配がない

といった印象を受けがちになります。そんな時に(動くスピードは遅くても)彼に立ち上がられたら、「急に立ち上がった!」という思いがするはずです。これを「彼はおもむろに立ち上がった」と表現すれば、「おもむろに=急に」という誤ったニュアンスで受け取ってしまうでしょう。

以上、「おもむろに」が本来とは違った意味で使われる理由を考えました。もっとも、迷うことなく正しい使い方をしている人にとっては無用の考察ですね。

夜桜

 

まとめ

  • 「おもむろに」は「ゆっくりと」という意味で、「急に」「いきなり」といった意味はありません。
  • 「やおら」についても同様です。

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