神社の鳥居の意味って何ですか?
私は子供の頃に、毎日のように近所の神社で遊んでいました。当時は何度となく目にしていた鳥居ですが、どんな意味があるのかなど考えたこともありませんでした。そして現在も、正確な認識を持っているとは言えないかもせれません。
このページでは、神社の鳥居について、意味や由来を考えていくことにしましょう。
鳥居の意味とは?
鳥居(とりい)とは、「神社などで神様の領域と人間の俗界を区画するもの」です。つまり、神域(しんいき)への入り口を表わすものであって、「結界(けっかい)」「門」ということもできるでしょう。
鳥居は神社の象徴のように思われがちですが、必ずしもそうではありません。
お寺に鳥居があることもあり、神道と仏教が習合しているのが普通であった明治維新以前には、このような例は珍しくありませんでした。
また逆に、鳥居はないが楼門(ろうもん=二階建ての上部に屋根がある門)があるという神社も存在します。この場合は、楼門が結界の役割をしているわけで、鳥居が絶対的なものではないということになります。
鳥居は材質によって、次のように分類することができます。
- 石鳥居
- 木鳥居 - ヒノキ、スギなど
- 金鳥居(かなどりい)または銅鳥居 -全体を銅の板でまいたもの
また、鳥居を数える場合は、「基(き)」を使って 1基、2基 … と数えます。一つの参道に鳥居が複数ある場合には、外側のものから一の鳥居、二の鳥居 … と呼ぶのが普通です。
日本の代表的な鳥居をまとめておきましょう。なお、これらはすべて重要文化財に指定されています。
日 本 三 鳥 居 | |||||||
四天王寺(大阪) | 石の鳥居 | 日本最古の石の鳥居といわれています | |||||
金峯山寺(奈良) | 銅(かね)の鳥居 | 室町時代のものと伝えられています | |||||
厳島神社(広島) | 朱丹の大鳥居 | 社殿の前の海中に立っています | |||||
日 本 三 大 石 鳥 居 | |||||||
日光東照宮(栃木) | 黒田長政が寄進した鳥居です | ||||||
鶴岡八幡宮(神奈川) | 若宮大路の南側の「一の鳥居 」です | ||||||
八坂神社(京都) | 南楼門の前の鳥居です |
鳥居の由来は?
鳥居の由来については、様々な説があります。そのうちのいくつかを挙げてみましょう。
- 日本神話の天岩戸(あまのいわと)の「常世の長鳴鳥(とこよのながなきどり=鶏))」に因む
- 日本の冠木門(かぶきもん=屋根がない門)に由来する
- インド仏教のトラナ(寺院の門)の由来する
- 中国の牌楼(ぱいろう=伝統的な門)、鳥竿(とりざお=小鳥を捕まえるためのサオ)、華表(かひょう=目印のための柱)に由来する
- 朝鮮半島の紅箭門(こうぜんもん)に由来する
しかし、いずれも決定的なものではありません。
なお、奈良時代に「とりい」という言葉は建築用語として存在が確認されています。また、平安時代の初めには、一般の神社の門は「とりい」と呼ばれていて、平安時代中期には庶民も「とりい」という呼びかたをしていたとされています。
鳥居の色
稲荷神社などでは、朱色に塗られた鳥居がみられます。この朱色は神殿などにも多く使われています。これは、古くより「朱(しゅ、あか)」の色は災いを防ぐとして、厄除けに用いられてきました。この影響で鳥居にも朱色が使われるようになったと考えられます。
まとめ
- 鳥居は、「神社などで神様の領域と人間の俗界を区画する」という意味をもったものです。
- また、神域への入り口を表わすものであって、結界(けっかい)や門といった理解をすることもできます。