2月の短歌・和歌 20選  -初春-

一輪の白い梅の花

2月の初めには暦で「立春」の文字を目にしますが、まだ寒さも厳しいので、春を実感できることはあまりないかもしれません。

そのような時期には、寒さの中でも他の花に先がけて咲いた梅などを見つけると、喜びを覚えずにはいられません。

このページには、2月特有の風物・光景や心境などが詠み込まれた短歌・和歌を集めましたので、是非とも鑑賞してみて下さい。

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目次

2月の短歌 10選

それでは、近代(明治)以降の歌で「2月の短歌」としてふさわしいものからみていきましょう。

 

あかしやに 柔き芽をはこび来る 二月の雨の白き足もと

【作者】与謝野晶子(よさの あきこ)

 

板塀に 立枝ぞ見ゆる門構 誰か思ひ者か梅に琴をひく

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】立枝(たちえ)とは、高く伸びた枝のことをいいます。

 

薄赤き 梅を目にして想ふなり 或夜の壁の炉の反射など

【作者】与謝野晶子

 

白梅の 花明るくて古池に 搖るる光りのけはひこそすれ

【作者】島木赤彦(しまき あかひこ)

 

菜の花の にほひほのかに身にも浸む 二月の日とはなりにけるかな

【作者】若山牧水(わかやま ぼくすい)

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猫柳 ものをおもへば猫の毛を なづるここちによき風も吹く

【作者】北原白秋(きたはら はくしゅう)

 

一冬を 降りつみし雪わが傍に 白きいはほのごとく消のこる

【作者】斎藤茂吉(さいとう もきち) 残雪

【補足】「傍」の読み方は「そば」です。「いはほ(いわお:巌)」は、岩の大きなもののことです。

 

松が枝に きゐる鶯おもしろく 往かひするか鳴とはなしに

【作者】伊藤左千夫(いとう さちお)

 

春立ちぬ 夢多き身はこの日より 髪に薔薇の油をぞ塗る

【作者】与謝野晶子

 

われにそひて 紅梅さける京の山に あしたおりつ神うつくしき

【作者】与謝野鉄幹(よさの てっかん)

紅梅と青空

 

 

2月の和歌 10選

次に、近代(明治)よりも前の歌で「2月の和歌」としてふさわしいものをみていきましょう。

なお、三十六歌仙については、こちらのページをご覧になってください。

【参考】三十六歌仙とは?

 

折りて見る かひもあるかな梅の花 ふたたび春に逢ふ心ちして

【現代語訳】折ってみる甲斐もあるなあ、梅の花よ。再び春に逢う気分がして…

【詞書】枇杷左大臣はじめて大臣になりて侍りけるよろこびにまかりて

【作者】藤原忠平(ふじわらのただひら)

【採録】続後撰和歌集(しょくごせんわかしゅう)

 

きみならで 誰にか見せん梅の花 色をも香をも知る人ぞ知る

【現代語訳】あなたではなく誰に見せようか、(この)梅の花… 色も香りも知っている人だけが知っている…

【詞書】梅の花を折りて人におくりける

【作者】紀友則(きのとものり)

【採録】古今和歌集(こきんわかしゅう)、定家八代抄など

【補足】友則は三十六歌仙の一人です。

 

知るらめや 霞の空をながめつつ 花もにほはぬ春をなげくと

【現代語訳】知っているのだろうか、(梅の花よ)… 霞の(かかった)空を眺めながら、花が匂わない春を(私が)嘆いていると…

【詞書】如月まで梅の花咲き侍らざりける年よみ侍りける

【作者】中務(なかつかさ)

【採録】新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)

【補足】中務は三十六歌仙の一人です。

 

散ると見て あるべきものを梅の花 うたてにほひの袖にとまれる

【現代語訳】(いずれ)散るものとして見ているべきものを、梅の花よ… ひどく匂いが袖に付いてしまった

【詞書】寛平御時きさいの宮の歌合のうた

【作者】素性(そせい)

【採録】古今和歌集、定家八代抄など

【派生歌】散ると見て あるべき春もなきものを うたて桜を風の吹くらむ (藤原家隆)

【補足】素性は三十六歌仙の一人です。

 

春たつと いふばかりにやみ吉野の 山もかすみて今朝は見ゆらむ

【現代語訳】(暦の)春になったというだけで、吉野の山も今朝は霞んで見えるのだろうか…

【詞書】平貞文が家の歌合に詠み侍りける

【作者】壬生忠岑(みぶのただみね)

【採録】拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)、和漢朗詠集(わかんろうえいしゅう)など

【派生歌】春たつと いふばかり見しいづくとて 行手に霞むのべの曙 (藤原家隆)

【補足】忠岑は三十六歌仙の一人です。

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春立つと ききつるからにかすが山 消えあへぬ雪の花とみゆらむ

【現代語訳】春になったと聞いたから、春日山の消えきらない雪が花に見えるのだろう

【作者】凡河内躬恒

【採録】後撰和歌集(ごせんわかしゅう)

【補足】躬恒は三十六歌仙の一人です。

 

みよし野は 山もかすみて白雪の ふりにし里に春は来にけり

【現代語訳】吉野は山も霞んで、白雪が降っていた里に春は来たのだなあ…

【詞書】春立つ心をよみ侍りける

【作者】藤原良経(ふじわらのよしつね)

【採録】新古今和歌集

【派生歌】春たつといふばかりにやみ吉野の山もかすみて今朝は見ゆらむ (壬生忠岑)

 

雪のうちに 春はきにけり鶯の こほれる涙いまや解くらん

【現代語訳】雪の降るうちに春が来たのですね… 鶯の凍った涙も今は解けたでしょうか

【詞書】二条の后の春のはじめの御歌

【作者】二条の后(にじょうのきさき)=藤原 高子(ふじわらのたかいこ)

【採録】古今和歌集、定家八代抄など

 

我が園の 李の花か庭に散る はだれの未だ遺りたるかも

【現代語訳】私の園の李(すもも)の花か、庭に散るのは。(それとも)まだらに積もった雪がまだ残っているのだろうか

【作者】大伴家持(おおとものやかもち)

【採録】万葉集(まんようしゅう)

【補足】家持は三十六歌仙の一人です。

 

わが宿の 梅の立ち枝や見えつらむ 思ひのほかに君が来ませる

【現代語訳】私の家の梅の立枝が見えたのだろうか、思いがけなくあなたがいらっしゃった

【詞書】冷泉院御屏風の絵に、梅の花ある家にまらうど来たる所

【作者】平兼盛(たいらのかねもり)

【採録】拾遺抄(しゅういしょう)、梁塵秘抄(りょうじんひしょう)

【補足】兼盛は三十六歌仙の一人です。

空に向かって伸びる梅の木の枝

 


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