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7月の短歌・和歌 20選  -晩夏-

月見草の花

7月になって梅雨の時期が過ぎると、本格的な暑さの夏へと季節は変わってゆきます。

目にする風物も夏らしいものとなり、それらは和歌や短歌などの文芸作品に詠み込まれてきました。

このページには、7月ならではの風物、光景、心境などが詠み込まれた短歌・和歌を集めました。是非ともゆっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

7月の短歌 10選

それでは、近代(明治)以降の歌で「7月の短歌」としてふさわしいものからみていきましょう。

 

板びさし あれてもりくる月かげに うつるも涼しゆふがおの花

【作者】樋口一葉(ひぐち いちよう)

 

炎天に あゆみ帰れりやすらかなる 妻子の顔を見ればかなしも

【作者】古泉千樫(こいずみ ちかし)

 

からみあふ 花びらほどくたまゆらに ほのかに揺るる月見草かな

【作者】木下利玄(きのした りげん)

【補足】「たまゆら」は「瞬間、一瞬」と言う意味です。

 

七月や うすおしろいをしたる風 歩み来りぬ木の下行けば

【作者】与謝野晶子(よさの あきこ)

 

照りつづく 土用のそらの雨かれて 雲の峰わく雲の峰の上

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】土用(どよう)は暦の雑節(ざっせつ)の一つで、年に 4回あります。

【参考】土用とは?

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夏の夜の 朝あけごとに伸びてある 夕顔の果を清しむ我は

【作者】島木赤彦(しまき あかひこ)

 

放たれし 悲哀のごとく野に走り 林にはしる七月のかぜ

【作者】若山牧水(わかやま ぼくすい)

 

花引きて 一たび嗅げばおとろへぬ 少女ごころの月見草かな

【作者】与謝野晶子

【補足】「少女」の読み方は「おとめ」です。

 

日ざかりの 田中の黝きひとつ松 夏はけはひに闌けにつつあり

【作者】北原白秋(きたはら はくしゅう)

【補足】「黝き」「闌け」の読み方は、それぞれ「くろき」「たけ」です。

 

みなみかぜ 空吹くなべにあまつ日を めぐりて立てる虹のいろかも

【作者】斎藤茂吉(さいとう もきち)

【補足】「なべに」は「~につれて、~と同時に」という意味です。「あまつ(天つ)」は「天の、天空の」を意味します。

青空にかかった虹

 

 

7月の和歌 10選

次に、近代(明治)よりも前の歌で「7月の和歌」としてふさわしいものをみていきましょう。

なお、三十六歌仙については、こちらのページをご覧になってください。

【参考】三十六歌仙とは?

 

おほあらきの 森の下草しげりあひて 深くも夏のなりにけるかな

【現代語訳】おおあらき(大荒木)の森の下草が繁りあって、夏も深まったなあ…

【詞書】右大将定国四十賀に内より屏風調じてたまひけるに

【作者】壬生忠岑(みぶのただみね)

【採録】拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)、忠岑集など

【補足】忠岑は三十六歌仙の一人です。

 

天の川 あさ瀬しら波たどりつつ 渡りはてねば明けぞしにける

【現代語訳】天の川の浅瀬の白波をたどりながら、(川を)渡り切らずに夜が明けてしまった

【詞書】寛平の御時なぬかのよ、うへにさぶらふをのこども歌たてまつれとおほせられける時に、人にかはりてよめる

【作者】紀友則(きのとものり)

【採録】古今和歌集(こきんわかしゅう)、友則集など

【補足】友則は三十六歌仙の一人です。

【派生歌】天の川あか月闇のかへるさにまたたどらるる浅瀬しらなみ(一条家経)

 

さもこそは 短き夜半の友ならめ 臥すかともなく消ゆる蚊遣火

【現代語訳】いかにも(夏の)短い夜の友といったところであろう、臥したと思う間もなく消える蚊遣火は…

【詞書】蚊遣火つきぬ

【作者】二条院讃岐(にじょういんのさぬき)

【採録】二条院讃岐集

 

たなばたに かしつる糸のうちはへて 年の緒ながく恋ひやわたらむ

【現代語訳】七夕にお供えした糸のように、長年にわたる恋となるのだろうか…

【詞書】七日の日の夜よめる

【作者】凡河内躬恒(おうしこうちのみつね)

【採録】古今和歌集

【補足】躬恒は三十六歌仙の一人です。

 

夏草は しげりにけりな玉鉾の 道行き人もむすぶばかりに

【現代語訳】夏草は繁ってしまったなあ、道を行く人も(それを)結ぶほどに

【作者】藤原元真(ふじわらのもとざね)

【採録】新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)、定家八代抄など

【補足】「玉鉾の(たまぼこの)」は「道」「里」などに掛かる枕詞(まくらことば)です。元真は三十六歌仙の一人です。

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夏の夜は ともしの鹿のめをだにも あはせぬ程に明ぞしにける

【現代語訳】夏の夜は、(狩りの)灯火に寄ってくる鹿と目を合わせないうちに明けてしまう

【作者】和泉式部(いずみしきぶ)

【採録】新後拾遺和歌集

【補足】和泉式部は中古三十六歌仙の一人です。

 

夏ふかみ 野原を行けば程もなく 先立つ人の草がくれぬる

【現代語訳】夏が深まり、野原をゆけば程なく、先を行く人が草に隠れてしまいます

【詞書】夏草をよめる

【作者】俊恵(しゅんえ)

【採録】林葉和歌集(りんようわかしゅう)

 

庭の面は まだかわかぬに夕立の 空さりげなくすめる月かな

【現代語訳】庭の地面はまだ乾かないのに、夕立の(後の)空はそのような様子もなく、澄んだ月が…

【詞書】夏月をよめる

【作者】源頼政(みなもとのよりまさ)

【採録】新古今和歌集、頼政集など

 

夕すずみ 閨へもいらぬうたた寝の 夢をのこしてあくるしののめ

【現代語訳】夕涼みをして寝室へも入らずにうたた寝をし、夢(の続き)を残して明け方になった

【詞書】夏夜

【作者】藤原有家(ふじわらのありいえ)

【補足】「閨」の読み方は「ねや」です。

 

夕立の 雲まの日影はれそめて 山のこなたをわたる白鷺

【現代語訳】夕立の雲の間から日が射して晴れはじめて、山のこちら側を(飛び)渡る白鷺…

【作者】藤原定家(ふじわらのさだいえ、ていか)

【採録】玉葉和歌集(ぎょくようわかしゅう)など

【派生歌】夕立の雲とびわくる白鷺のつばさにかけてはるる日のかげ(花園院)

雲の間から射す日の光

 


 関 連 ペ ー ジ 


⇒ 夏の短歌 30選

⇒ 夏の和歌 20選

⇒ 和歌で有名な 20首【保存版】

⇒ 百人一首で有名なのは?

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