ブランコの俳句 30選 -ぶらんこ-
ブランコは、小さな子供でも気軽に楽しめる遊具ですが、大人であっても腰かけると揺らしてみたくなる魅力があるものです。
そして、「ブランコ」は俳句において春の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。
このページには、「ブランコ」「ぶらんこ」が詠まれた俳句を多く集めました。とても春らしい雰囲気に満ちた作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。
目次
- 1 ブランコの俳句 30選
- 1.1 あをあをと ぶらんこを漕ぐ 手足かな
- 1.2 怒るにも 足らぬ短き ブランコよ
- 1.3 親娘はも ぶらんこ漕げり 夏休
- 1.4 月蝕の すすむぶらんこ 垂れてゐし
- 1.5 椎の香に 漕ぐまぼろしの ぶらんこよ
- 1.6 乳すへば ぶらんこ遠く 見ゆるらし
- 1.7 チューリップ ぶらんこ止りきつて揺れ
- 1.8 母と子の ぶらんこ高く あがりけり
- 1.9 日の暮れの ぶらんこ一つ 泣き軋る
- 1.10 ぶらんこと 鴉との裏日本かな
- 1.11 ぶらんこに 腰して男 零落す
- 1.12 ぶらんこに 子と乗る顔の 暮れのこる
- 1.13 ぶらんこに しあはせの雲 うかみたり
- 1.14 ぶらんこに乗り みごもらぬ妻なれや
- 1.15 ぶらんこに をりて喧嘩に 関はらず
- 1.16 ぶらんこの 板相似たり 冬の暮
- 1.17 ぶらんこの うしろすがたは 呼びかねつ
- 1.18 ぶらんこの 子の母若し 雑誌を手に
- 1.19 ぶらんこの 下の余寒の 水たまり
- 1.20 ぶらんこの ほんとのかげが そらにあり
- 1.21 ぶらんこの 老人誰も 見ておらず
- 1.22 ブランコの 鐶残りけり 園に冬
- 1.23 ぶらんこは 無人をのせて ゐるらしく
- 1.24 ぶらんこや 混沌として 顔ゆき来
- 1.25 ぶらんこや 坪万金の 土の上
- 1.26 ぶらんこを 奪り合ふ子等に 孔雀啼く
- 1.27 ぶらんこを 昔下り立ち 冬の園
- 1.28 ブランコを もう漕がぬ齢 さくらの夜
- 1.29 ぶらんこを 揺りくれ家で 姉きびし
- 1.30 町裏や 人無きぶらんこ 冬の川
ブランコの俳句 30選
「ブランコ」「ぶらんこ」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。
どうぞ、ごゆっくりとご鑑賞下さい。
あをあをと ぶらんこを漕ぐ 手足かな
【作者】渡辺白泉(わたなべ はくせん)
【補足】「漕ぐ」の読み方は「こぐ」です。
怒るにも 足らぬ短き ブランコよ
【作者】飯島晴子(いいじま はるこ)
親娘はも ぶらんこ漕げり 夏休
【作者】石塚友二(いしづか ともじ)
【補足】「親娘」の読み方は「おやこ」です。「はも」は強意の意味合いと解します。
月蝕の すすむぶらんこ 垂れてゐし
【作者】飯島晴子
【補足】月蝕(げっしょく=月食)は、太陽と月の間に地球が入って、地球の影が月にかかって月が欠けて見える現象です。
椎の香に 漕ぐまぼろしの ぶらんこよ
【作者】橋本美代子(はしもと みよこ)
【補足】椎(しい)は、ブナ科の樹木の総称です。
乳すへば ぶらんこ遠く 見ゆるらし
【作者】下村槐太(しもむら かいた)
チューリップ ぶらんこ止りきつて揺れ
【作者】行方克巳(なめかた かつみ)
母と子の ぶらんこ高く あがりけり
【作者】安住 敦(あずみ あつし)
日の暮れの ぶらんこ一つ 泣き軋る
【作者】渡辺白泉
【補足】「軋る」の読み方は「きしる」です。
ぶらんこと 鴉との裏日本かな
【作者】橋 閒石(はし かんせき)
【補足】「鴉」の読み方は「からす」です。
ぶらんこに 腰して男 零落す
【作者】上田五千石(うえだ ごせんごく)
【補足】零落(れいらく)とは、落ちぶれることをいいます。
ぶらんこに 子と乗る顔の 暮れのこる
【作者】石原八束(いしはら やつか)
ぶらんこに しあはせの雲 うかみたり
【作者】成瀬櫻桃子(なるせ おうとうし)
【補足】「うかむ(浮かむ)」は「浮かぶ」に同じです。
ぶらんこに乗り みごもらぬ妻なれや
【作者】安住 敦
【補足】「もごもる(身籠る)」とは、妊娠することをいいます。
ぶらんこに をりて喧嘩に 関はらず
【作者】行方克巳
【補足】「喧嘩」の読み方は「けんか」です。
ぶらんこの 板相似たり 冬の暮
【作者】岡本 眸(おかもと ひとみ)
ぶらんこの うしろすがたは 呼びかねつ
【作者】加藤秋邨(かとう しゅうそん)
ぶらんこの 子の母若し 雑誌を手に
【作者】原田種茅(はらだ たねじ)
ぶらんこの 下の余寒の 水たまり
【作者】高澤良一(たかざわ よしかず)
【補足】「余寒(よかん)」も、俳句において春の季語として用いられます。
ぶらんこの ほんとのかげが そらにあり
【作者】小澤克己(おざわ かつみ)
ぶらんこの 老人誰も 見ておらず
【作者】橋 閒石
ブランコの 鐶残りけり 園に冬
【作者】伊丹三樹彦(いたみ みきひこ)
【補足】「鐶」の読み方は「わ、かなわ、たまき」です。
ぶらんこは 無人をのせて ゐるらしく
【作者】櫂 未知子(かい みちこ)
ぶらんこや 混沌として 顔ゆき来
【作者】加藤秋邨
ぶらんこや 坪万金の 土の上
【作者】鷹羽狩行(たかは しゅぎょう)
ぶらんこを 奪り合ふ子等に 孔雀啼く
【読み】ぶらんこを とりあうこらに くじゃくなく
【作者】右城暮石(うしろ ぼせき)
ぶらんこを 昔下り立ち 冬の園
【作者】三橋敏雄(みつはし としお)
ブランコを もう漕がぬ齢 さくらの夜
【作者】古沢太穂(ふるさわ たいほ)
【補足】「齢」の読み方は「とし、よわい」です。
ぶらんこを 揺りくれ家で 姉きびし
【作者】香西照雄(こうざい てるお)
町裏や 人無きぶらんこ 冬の川
【作者】細見綾子(ほそみ あやこ)
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