五節句の意味、由来、食べ物とは何かわかりますか?
五節句とは何かと聞かれたら、あなたは5つをすぐに答えられますか?
私は桃の節句と端午の節句の2つしか答えられませんでした。
雛(ひな)人形の雛祭り、五月人形の子供の日というのは簡単に思いつきますが、残りが首をひねってしまいました。
しかし、残りの3つも言われてみると、「あ、それか」というものも入っていました。
このページでは、五節句の意味や由来、それぞれにちなんだ食べ物についてみていきましょう。
目次
五節句の意味と由来は?
まず最初に、五節句とは何かを表にまとめてみましょう。
節句名 | 読み方 | 日付 | 和名、別名 | |
人日 | じんじつ | 1月7日 | 七草の節句 | |
上巳 | じょうし | 3月3日 | 桃の節句、雛祭り | |
端午 | たんご | 5月5日 | 菖蒲の節句、あやめの節句 | |
七夕 | しちせき | 7月7日 | たなばた、笹の節句 | |
重陽 | ちょうよう | 9月9日 | 菊の節句 |
- 5月5日の端午の節句のみが国民の祝日(こどもの日)です
- 3月3日、5月5日、7月7日は、毎年必ず同じ曜日となります
上巳、端午、七夕が同じ曜日になるのは、3月3日の 63(7×9)日後が5月5日、そのまた 63日後が7月7日だからです。
なお、9月9日は7月7日の64日後であり、うるう年以外の3月3日は1月7日の55日後です。
これら5つを、江戸時代に幕府が公的な行事として定め、五節句と呼ばれるようになりました。
「節句」は従来、「節供」と書き表しましたが、次第に「句」の字が使われるようになりました。
「句は当て字である」という指摘が、民俗学者の柳田國男によってなされています。
では次に、それぞれの節句についてみていきましょう。
人日の節句
この人日は、中国から伝わってきたものです。
中国では、正月始めの7日間を次のように定めていました。
- 1日 … 鶏の日
- 2日 … 狗(犬)の日
- 3日 … 猪(豚)の日
- 4日 … 羊の日
- 5日 … 牛の日
- 6日 … 馬の日
- 7日 … 人の日
そして、1 ~ 6日の動物の日には、それぞれの動物は殺さないようにしていたのです。
7日の人の日=人日には、罪を犯した人を処罰しないこととしていました。
この人日が五節句の一つとして、江戸時代に幕府の公式の行事となりました。
また、年が明けて初めて爪を切るのが1月7日とされています。
七草粥をつくるための七種を浸したおいた水に爪をつけ、やわらかくしてから切ると、その一年は風邪を引かないと言われています。
七草粥については、こちらをご覧ください。
上巳の節句
上巳の節句の始まりは、平安時代の頃とされています。
これは、京の貴族階級の子女が行なっていた「ひなあそび」といわれていて、御所や御殿を模したものや飾り付けで遊んだものです。
もともとは男女の区別がありませんでしたが、江戸時代になると、女子の「人形遊び」と「節句の儀式」とが結びついて、ひな人形が飾られるようになりました。
桃の花が咲く季節にあたることから、桃の節句とも呼ばれるようになりました。
ひな祭りについては、こちらをご覧ください。
端午の節句
端午の「端」は始まりという意味で、「午」は十二支の午(うま)の日のことで、本来「端午」は月の始めの午の日のことでした。
やがて、「午」は「五」に通じることから毎月5日を指すようになり、中でも5が二つ重なる5月5日を「端午の節句」と呼ぶようになったといわれています。
この端午に関する風習も、古代中国で始まったものが日本へ伝えられたといわれています。
七夕の節句
七夕も中国の行事であったものが、奈良時代に日本へ伝わってきました。
昔には七夕を「棚機」や「棚幡」と表していました。
願いごとを書いた短冊を笹に飾る風習は、江戸時代から行なわれるようになりましたが、これは日本独特のものです。
織女(おりひめ)と牽牛(けんぎゅう)の伝説は、中国の漢時代に編纂された『文選(もんぜん)』の中の「古詩十九首」がもとになっているといわれています。
重陽の節句
中国では漢の時代から、重陽が正式な節句として行なわれていました。
これは、菊酒(きくざけ)を飲んで長寿を祈る風習で、民間でも行なわれていました。
また、日本でも平安時代から菊花酒(日本酒に菊の花を浸したもの)を飲む風習がありました。
これらのことから、重陽の節句も中国から伝わったものと考えられています。
また、江戸時代には重陽の節句に、ひな人形をもう一度飾る「後(のち)の節供」という風習がありました。
五節句の食べ物は?
今までに出てきたものもありますが、五節句の食べ物、行事食についてまとめておきましょう。
人日の行事食
春の七草がはいった七草粥をいただきます。
上巳の行事食
菱餅、雛あられ、白酒、はまぐり、ちらしずし等をいただきます。
端午の行事食
ちまきや柏餅をいただきます。
七夕の行事食
地域によってそうめんを食べる風習があります。
重陽の行事食
菊酒をいただきます。
また、地域によって栗ご飯を食べる風習があります。
まとめ
- 五節句とは、人日、上巳、端午、七夕、重陽の5つの節句をいいます。
- それぞれは、七草の節句、桃の節句、菖蒲の節句、たなばた、菊の節句として、現代に引き継がれています。