白露の俳句 -はくろ-
9月の上旬には、二十四節気の一つである「白露(はくろ)」があります。
この白露は俳句の季語でもあり、多くの俳句作品に詠まれています。
このページには、白露が詠み込まれた俳句を集めました。秋の初め頃の爽やかな雰囲気に満ちたものばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。
目次
白露の俳句
暦の二十四節気の「白露(はくろ)」「白露の日」が詠まれた句を集め、俳句の文字の五十音順に並べました。
なお、これらは俳句において秋の季語として扱われます。
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石のみの 庭に立ちけり 今日白露
【作者】能村登四郎(のむら としろう)
一会また 神に給ひし 白露の日
【作者】河野扶美(こうの ふみ)
【補足】一会(いちえ)とは、法会(ほうえ=仏教の儀式)、会合、一度の出会いなどを意味します。
糸尻の 掌になじみたる 白露の日
【作者】斉藤史子(さいとう ふみこ)
【補足】糸尻(いとじり)とは、茶碗などの底の、輪状に突き出した部分のことです。「掌」の読み方は「て(=手のひらの意味)」です。
快晴の 白露の一日 授かりぬ
【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)
粥食つて 腹透き徹る 白露かな
【作者】福永耕二(ふくなが こうじ)
【補足】「粥」の読み方は「かゆ」です。
偶然に 買ひ得し一書 白露の日
【作者】高田 風人子(たかだ ふうじんし)
閾をすべる 雨戸いくつも 白露の日
【作者】桂 信子(かつら のぶこ)
【補足】「閾」の読み方は「いき、しきい(=敷居)」です。
清しさの 天地あれな 今日白露
【作者】林 翔(はやし しょう)
【補足】「天地」は「あめつち(=天と地)」と読みます。
漬梅の 紅のひと粒 白露の日
【作者】飯田龍太(いいだ りゅうた)
【補足】漬梅(つけうめ)とは、梅干しのことをいいます。
何事も 過ぎてゆくもの 白露の日
【作者】稲畑汀子
二階から 声のしてゐる 白露の日
【作者】桂 信子
薄明に 妻着替へをり 白露けふ
【作者】堀口星眠(ほりぐち せいみん)
【補足】薄明(はくめい)とは、日の出前・日の入り後の空のぼんやりした明るさのことをいいます。
白露にて 已が咀嚼にも 親しみぬ
【作者】森 澄雄(もり すみお)
【補足】「已が(おのが)」は「自分自身の」という意味です。咀嚼(そしゃく)とは、よく噛み砕くことをいいます。
白露の日 神父の裳裾 宙に泛き
【作者】桂 信子
【補足】裳裾(もすそ)とは、衣服のすそのことをいいます。「泛き」の読み方は「うき」です。
みちのくへ 白露過ぎたる 旅支度
【作者】星野 椿(ほしの つばき)
【補足】みちのく(陸奥)は、かつての陸前(りくぜん)・陸中(りくちゅう)・陸奥(むつ)の三つの国の総称です。現在の青森・岩手・宮城・福島に相当します。
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