「春の雲」の俳句 30選 -はるのくも-
◇◇は
そして、「春の雲」は俳句において春の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。
このページには、「春の雲」が詠まれた俳句を多く集めました。◆◆の雰囲気に満ちた作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。
目次
- 1 「春の雲」の俳句 30選
- 1.1 今植し 桜や世々の 春の雲
- 1.2 大空に 春の雲 地に春の草
- 1.3 霞より 上にうきけり 春のくも
- 1.4 硝子割れ 病者に春の雲ぢかに
- 1.5 そこを行く 春の雲あり 手を上げぬ
- 1.6 土手の木の 根元に遠き 春の雲
- 1.7 流れ来て 春の雲たり 金欲しき
- 1.8 何もなく 過ぎしがごとし 春の雲
- 1.9 錦絵 やお城の上に 春の雲
- 1.10 春の雲 うごかず舟の すゝみけり
- 1.11 春の雲 うすら寒しと 妻の言ふ
- 1.12 春の雲 愁ひをふくみ ひろごりぬ
- 1.13 春の雲 追ふ心あり 上京す
- 1.14 春の雲 おのずから晴れ 身を正す
- 1.15 春の雲 溶けて流れて 結ばれて
- 1.16 春の雲 隣りの家へ 若布売り
- 1.17 春の雲 ながめてをれば うごきけり
- 1.18 春の雲 なすこと尽きず ひとは死へ
- 1.19 春の雲 墓の宗祇を ゆりおこす
- 1.20 春の雲 人に行方を 聴くごとし
- 1.21 春の雲 ほうつと白く 過去遠く
- 1.22 晴れてゐて なほ晴れきらぬ 春の雲
- 1.23 ひとの尾の 消えしあたりの 春の雲
- 1.24 ふるさとは 遠くに浮む 春の雲
- 1.25 ふんはりと 置かれたりける 春の雲
- 1.26 望郷の ゆふべや春の雲染まる
- 1.27 ほしつくす 鰯のはてや 春の雲
- 1.28 見え初めし 子の目にうつり 春の雲
- 1.29 めづらしく 風のなき日の 春の雲
- 1.30 山遊び 我に隨ふ 春の雲
「春の雲」の俳句 30選
「春の雲」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。
どうぞ、ごゆっくりとご鑑賞下さい。
今植し 桜や世々の 春の雲
【作者】横井也有(よこい やゆう)
【補足】世々(よよ、せぜ、せせ)とは、「多くの世」のことをいい、「代々(だいだい)」と同義です。
大空に 春の雲 地に春の草
【作者】高浜虚子(たかはま きょし)
霞より 上にうきけり 春のくも
【作者】正岡子規(まさおか しき)
【補足】「霞」の読み方は「かすみ」で、春の野山などに立ち込める水蒸気のことで、夜の場合は「朧(おぼろ)」といいます。
硝子割れ 病者に春の雲ぢかに
【作者】西東三鬼(さいとう さんき)
【補足】「硝子」の読み方は「ガラス」です。
そこを行く 春の雲あり 手を上げぬ
【作者】高浜虚子
土手の木の 根元に遠き 春の雲
【作者】中村草田男(なかむら くさたお)
流れ来て 春の雲たり 金欲しき
【作者】岸 風三楼(きし ふうさんろう)
何もなく 過ぎしがごとし 春の雲
【作者】横光利一(よこみつ りいち)
錦絵 やお城の上に 春の雲
【作者】正岡子規
【補足】錦絵(にしきえ)とは、江戸時代中期に発達した浮世絵版画のことです。
春の雲 うごかず舟の すゝみけり
【作者】長谷川かな女(はせがあ かなじょ)
春の雲 うすら寒しと 妻の言ふ
【作者】橋 閒石(はし かんせき)
【補足】「うすら寒い」とは、 少し寒さを身に感じる状態を表現する言葉です。
春の雲 愁ひをふくみ ひろごりぬ
【作者】富安風生(とみやす ふうせい)
【補足】「愁ひ」の読み方は「うれい」で、つらいこと、苦しいことを意味します。「ひろごりぬ(広ごりぬ)」は「広がった」の意です。
春の雲 追ふ心あり 上京す
【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)
春の雲 おのずから晴れ 身を正す
【作者】横光利一
【補足】「おのずから」は「自然に」という意味です。
春の雲 溶けて流れて 結ばれて
【作者】高浜虚子
春の雲 隣りの家へ 若布売り
【作者】飯田龍太(いいだ りゅうた)
【補足】「若布(和布とも表記)」の読み方は「わかめ」です。
春の雲 ながめてをれば うごきけり
【作者】日野草城(ひの そうじょう)
春の雲 なすこと尽きず ひとは死へ
【作者】飯田龍太
春の雲 墓の宗祇を ゆりおこす
【作者】角川源義(かどかっわ げんよし)
【補足】宗祇(そうぎ)は、室町時代の連歌師(れんがし:連歌に巧みな人、連歌の専門作者)です。
春の雲 人に行方を 聴くごとし
【作者】飯田龍太
【補足】「行方」の読み方は「ゆくえ」です。
春の雲 ほうつと白く 過去遠く
【作者】富安風生
晴れてゐて なほ晴れきらぬ 春の雲
【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)
ひとの尾の 消えしあたりの 春の雲
【作者】坪内稔典(つぼうち としのり)
ふるさとは 遠くに浮む 春の雲
【作者】今井つる女(いまい つるじょ)
【補足】「浮む(うかむ)」は「浮ぶ(うかぶ)」に同じです。
ふんはりと 置かれたりける 春の雲
【作者】相生垣瓜人(あいおいがき かじん)
望郷の ゆふべや春の雲染まる
【作者】日野草城
ほしつくす 鰯のはてや 春の雲
【作者】会津八一(あいづ やいち)
【補足】「いわし」の読み方は「いわし」です。
見え初めし 子の目にうつり 春の雲
【作者】石塚友二(いしづか ともじ)
【補足】「見え初めし(みえそめし)」は「見えはじめた」という意味です。
めづらしく 風のなき日の 春の雲
【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)
山遊び 我に隨ふ 春の雲
【作者】石井露月(いしい ろげつ)
【補足】「隨ふ」の読み方は「したがう」で、「隨(二点)」は「随(一点)」の旧字体です。
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