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金木犀・木犀の俳句 50選 -きんもくせい・もくせい-

日射しを受ける金木犀

金木犀は香りが良い樹木で、庭木や鉢植えとして人気があります。また、薬用にも使われるので、私たちにとって馴染みのあるものといえるでしょう。

そして、「金木犀」は俳句において秋の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。

このページには、「金木犀」と「木犀」が詠まれた俳句を多く集めました。これらの花の香りが漂ってくるような作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

金木犀の俳句

金木犀の花

金木犀(きんもくせい:花の色は橙黄色)は木犀(もくせい:花の色は白=銀木犀)の変種で、日本の三大芳香木の一つに数えられています。(他は「沈丁花:じんちょうげ」、「梔子:くちなし」)

以下に「金木犀」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

なお、「金木犀」は秋の季語です。

 

 

ある夜の月 金木犀 銀木犀

【作者】神蔵 器(かみくら うつわ)

 

末枯れの 地に点滴の 金木犀

【作者】楠本憲吉(くすもと けんきち)

【補足】「末枯れ」の読み方は「うらがれ」です。

 

金木犀 尼は白布で 頭を包む

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

【補足】「白布」の読み方は「はくふ」です。

 

金木犀 神も媚薬を つくりけり

【作者】成瀬櫻桃子(なるせ おうとうし)

【補足】媚薬(びやく)とは、性欲を増進させる薬のことです。

 

金木犀 そこここ入日 道の果

【作者】大野林火(おおの りんか)

【補足】そこここ(其処此処)とは、「あちこち、いたるところ」という意味です。入日(いりひ)とは、夕日・落日のことをいいます。

 

金木犀 撮るに青空 バックかな

【作者】松崎鉄之介(まつざき てつのすけ)

 

金木犀 胸を匂ひの あふれ出づ

【作者】神蔵 器

 

金木犀 眼玉に散りぬ 痛むかな

【作者】金子兜太(かねこ とうた)

 

雲切れて 金木犀の 金こぼれ

【作者】林 翔(はやし しょう)

 

好日や 金木犀の 花いきれ

【作者】鷹羽狩行(たかは しゅぎょう)

【補足】好日(こうじつ)とは、安らかに過ごせる良い日という意味です。「いきれ」とは、むされるような熱気のことをいいます。

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これといふ 庭なき家に 金木犀

【作者】松崎鉄之介

 

誘はれて いつしか金木犀の香に

【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)

 

緻密なる 金木犀の 花盛り

【作者】相生垣瓜人(あいおいがき かじん)

【補足】「緻密」の読み方は「ちみつ(=きめが細かいこと)」です。

 

匂はねば 庭木に紛れ 金木犀

【作者】稲畑汀子

【補足】「紛れ」の読み方は「まぎれ」です。

 

庭の沙場も すでに二代や 金木犀

【作者】中村草田男(なかむら くさたお)

【補足】沙場(さじょう)とは、砂原(すなはら)のことを意味します。

 

呑み余る 母乳に咽び 金木犀

【作者】中村草田男

【補足】「咽び」の読み方は「むせび」です。

 

不幸者は 満身追懐の 金木犀

【作者】中村草田男

【補足】追懐(ついかい)とは、過去のことを思い出してなつかしむことです

 

見上げたる 金木犀の 大樹かな

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

 

水の中にも 神住む神話 金木犀

【作者】中村草田男

 

ゆるぎなく 金木犀の 香のほとり

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

【補足】「ゆるぎなく」は「揺らぐことなく、動じることなく」の意です。

地面に落ちた金木犀の花

 

 

木犀の俳句

木犀の花

ここからは、「木犀」が詠み込まれた俳句です。

「木犀」も秋の季語となります。

 

 

秋雨や 木犀の花 流れながる

【作者】横光利一(よこみつ りいち)

 

台風が 木犀の香を 払拭す

【作者】相生垣瓜人

【補足】払拭(ふっしょく)とは、すっかり取り除いて消し去ることをいいます。

 

ほつほつと 木犀の香に 降つて来し

【作者】中村汀女

 

みじろげば 木犀の香の たちのぼる

【作者】橋本多佳子(はしもと たかこ)

【補足】みじろぐ(身動ぐ)とは、からだを少し動かすことをいいます。

 

木犀に 帯締めながら 目をやりぬ

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

【補足】「帯締めながら」の読み方は「おびしめながら」です。

 

木犀に 月匂ひ来し 廂かな

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

【補足】廂(ひさし)は、軒から差し出た小さい屋根です。

 

木犀に 天を仰ぎて ゐたりけり

【作者】上村占魚(うえむら せんぎょ)

 

木犀に 人を思ひて 徘徊す

【作者】尾崎放哉(おざき ほうさい)

【補足】徘徊(はいかい)とは、あてもなく歩き回ることをいいます。

 

木犀の 香にあけたての 障子かな

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

【補足】「障子」の読み方は「しょうじ」です。

 

木犀の 香に昇天の 鷹ひとつ

【作者】飯田龍太(いいだ りゅうた)

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木犀の 香に染む雨の 鴉哉

【作者】泉 鏡花(いずみ きょうか)

【補足】「鴉」の読み方は「からす」です。句末の「哉(かな)」は詠嘆を表します。

 

木犀の 香に立ちてより 香になるる

【作者】阿部みどり女

 

木犀の 香の浅からぬ 小雨かな

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

 

木犀の 香り次第に 失せる雨

【作者】稲畑汀子

【補足】「次第」の読み方は「しだい」です。

 

木犀の 香のかむさりて きたりけり

【作者】京極杞陽(きょうごく きよう)

【補足】かむさる(神去る)とは、高貴な人が死去することをいいます。

 

木犀の 香や年々の きのふけふ

【作者】西島麦南(にしじま ばくなん)

【補足】年々(としどし、ねんねん)は「毎年」の意です。

 

木犀の こぼるゝ石に 憩ひけり

【作者】阿部みどり女

【補足】「憩ひけり」の読み方は「いこいけり」です。。

 

木犀の こぼるるところ 焜炉置く

【作者】内藤吐天(ないとう とてん)

【補足】「焜炉」の読み方は「コンロ」です。

 

木犀の こぼれ花より 湧ける香も

【作者】皆吉爽雨(みなよし そうう)

【補足】「湧ける」の読み方は「ける」です。

 

木犀の 匂はぬ朝と なりにけり

【作者】稲畑汀子

木犀の花

 

木犀の 百里かなたの 香かな

【作者】百合山羽公(ゆりやま うこう)

【補足】百里は約 400kmの距離となりますが、「百里かなた」は「はるかかなた」と同義です。

 

木犀の 昼は醒めたる 香炉かな

【作者】服部嵐雪(はっとり らんせつ)

【補足】「醒めたる」の読み方は「めたる」です。香炉(こうろ)は香をたくのに用いる容器です。

 

木犀の 余香の天の また広し

【作者】百合山羽公

【補足】余香(よこう)とは、「あとまで残ったかおり、うつりが」の意です。

 

木犀の 夜の門出づる こともなく

【作者】波多野爽波(はたの そうう)

 

木犀や 逢ふ夜に似たる 薄月夜

【作者】原 月舟(はら げっしゅう)

【補足】薄月夜(うすづきよ)とは、うっすらとした月が出ている夜のことです。

 

木犀や 月明かに 匂ひけり

【作者】山口青邨

 

木犀や 天を写して 水も濃し

【作者】百合山羽公

 

木犀や 灯薄らぐ 石燈籠

【作者】会津八一(あいづ やいち)

【補足】「灯」「石燈籠」の読み方は、それぞれ「ともしび」「いしどうろう」です。

 

木犀や 夕じめりたる 石だたみ

【作者】芥川龍之介(あくたがわ りゅうのすけ)

【補足】石だたみ(石畳)とは、平たい石を敷きつめた所です。

 

闇よりも 木犀の香ぞ 濃かりける

【作者】相生垣瓜人

 

 


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