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桐一葉の俳句 30選 -きりひとは-

桐の花と青空

秋が深まった頃に、枯れた桐の葉が音を立てて落ちる様子を「桐一葉(きりひとは)」という言葉で表現します。

この「桐一葉」は俳句において秋の季語であり、多くの作品に詠み込まれてきました。

このページには、「桐一葉」が詠まれた俳句を多く集めました。晩秋の雰囲気に満ちた作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

桐一葉の俳句 30選

桐一葉が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

 

 

井のそこに 沈み入りけり 桐一葉

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】「井(い)」は「井戸(いど)」のことです。

 

井の柳 きのふを桐の 一葉哉

【作者】宝井其角(たからい きかく)

【補足】句末の「哉(かな)」は詠嘆を表現します。

 

鰯百 包みて桐の 一葉かな

【作者】上田凉葉(うえだ りょうよう)

【補足】鰯には栄養が豊富なことから、「鰯百匹、頭の薬」ということが言われます。

 

重けれは 落つるならひそ 桐一葉

【作者】正岡子規

【補足】「ならい(習い)」は「常(つね)」という意味です。

 

介山の 墓を探すに 桐一葉

【作者】松崎鉄之介(まつざき てつのすけ)

【補足】小説家・中里介山(なかざと かいざん)の墓は、東京都羽村市(はむらし)にあります。

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掛物は これ虚子の句の 桐一葉

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

【補足】掛物(かけもの)とは、床の間や壁などに掛けて装飾・観賞用とするものをいいます。

 

急にして 桐の一葉や 迅からず

【作者】尾崎迷堂(おざき めいどう)

【補足】「迅からず」の読み方は「はやからず」です。

 

桐一葉 いまだ梢の 葉なりけり

【作者】平畑静塔(ひらはた せいとう)

 

桐一葉 うらも表も 青かりし

【作者】成田蒼虬(なりた そうきゅう)

 

桐一葉 落ちて心に 横たはる

【作者】渡辺白泉(わたなべ はくせん)

桐の葉の鬼瓦

 

桐一葉 落ちても秋の 未だ青し

【作者】正岡子規

 

桐一葉 夥しさと なりにけり

【作者】松根東洋城(まつね とうようじょう)

【補足】「夥しさ」の読み方は「おびただしさ」です。

 

桐一葉 月光噎ぶ ごとくなり

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

【補足】「噎ぶ」の読み方は「むせぶ」です。

 

桐一葉 咫尺すおとの 真暗がり

【作者】飯田蛇笏 しせき

【補足】咫尺(しせき)とは、わずかな距離のことです。

 

桐一葉 谷の静寂を 深めけり

【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)

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桐一葉 地にとどまらぬ 風の中

【作者】稲畑汀子

 

桐一葉 日當りながら 落ちにけり

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

【補足】「當」は「当」の旧字体です。

 

桐一葉 拾ふてもとる 小供かな

【作者】桐一葉 正岡子規

 

けしからぬ 桐の一葉や 笙の声

【作者】宝井其角

【補足】「笙(しょう)」は雅楽用の管楽器の一種です。

 

されば秋 桐の一葉の めげる哉

【作者】杉山杉風(すぎやま さんぷう)

【補足】「めげる」とは、弱る・損ずることをいいます。

地面に落ちた一枚枯葉葉

 

たばこより はかなき桐の 一葉かな

【作者】各務支考(かがみ しこう)

 

地を打つに 革の音して 桐一葉

【作者】松瀬青々(まつせ せいせい)

【補足】「革」の読み方は「かわ」です。

 

としどしや 井桁の上に 桐一葉

【作者】鈴木花蓑(すずき はなみの)

【補足】井桁(うげた)とは、井戸の上部の縁(ふち)を木で「井」の字の形に組んだもののことです。

 

隣から それて落ちけり 桐一葉

【作者】正岡子規

 

なにと見む 桐の一葉に 蝉の殻

【作者】加舎白雄(かや しらお)

非常ベル 寺にもありて 桐一葉

【作者】皆吉 司(みなよし つかさ)

 

密やかに 投げ入れられし 桐一葉

【作者】相生垣瓜人(あいおいがき かじん)

【補足】「密やかに」の読み方は「ひそやかに」です。

 

一雨は 過ぎて靜かに 桐一葉

【作者】正岡子規

 

普請場や 竹の矢来に 桐一葉

【作者】寺田寅彦(てらだ とらひこ)

【補足】普請場(ふしんば)とは、建築・土木の工事をしている場所のことです。矢来(やらい)は、や竹をあらく組んだ、仮の囲いです。

 

まなうらに 桐の一葉の ひびき落つ

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

【補足】まなうら(眼裏)とは、目の奥のことをいいます。

ベンチの上の一枚の枯葉

 

 


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