こどもの日の由来は? 兜や鎧を飾る意味って何ですか?
あなたは、こどもの日にどのような思い出がありますか?
私の場合は、何よりも鎧武者の装束が印象に残っています。子供の頃には、この武者の顔の部分がとても恐ろしかったのです。特に、夜になると近くに行くのが嫌で、早く仕舞ってくれないかなと、いつも思っていました。
そんな「親の心、子知らず」でしたので、こどもの日の由来、兜や鎧を飾る意味などについて、確認しておくことにしました。
こどもの日の由来は何?
まず、子供の日について確認しておきましょう。
こどもの日とは?
こどもの日は国民の祝日* で、5月5日と法律で定められています。
趣旨は、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」こととされています。
祝日については、こちらをご覧ください。
⇒ 祝日とは
こどもの日が制定されたのは 1948年のことでした。それに先立って、「5月5日を子供の日にしてほしい」という国会への請願が多かったのですが、「11月15日」という要望もありました。
この「11月15日」は、七五三の行事の日ですね。
端午の節句と五節句
古くから、5月5日は端午の節句として、男の子が健やかに成長することを願う行事が行われていました。
この端午に関する風習は古代中国で始まったもので、後に日本へ伝わってきたといわれています。
端午の「端」は始まりを意味し、「午」は十二支の午(うま)の日のことなので、本来「端午」は月の始めの午の日のことを表わしていました。
後に、「午」は「五」に通じることから毎月5日を指すようになり、そのうち5が二つ重なる5月5日を「端午の節句」と呼ぶようになったと考えられています。
なお、端午を含めた節句には、次のようなものがあります。
節句名 | 読み方 | 日付 |
人日 | じんじつ | 1/7 |
上巳 | じょうし | 3/3 |
端午 | たんご | 5/5 |
七夕 | しちせき | 7/7 |
重陽 | ちょうよう | 9/9 |
これら5つの節句を、江戸時代に幕府が公的な行事として定めて、以後は五節句と呼ばれるようになりました。
五節句については、こちらをご覧ください。
こどもの日に兜や鎧を飾る意味は?
現代では、子供の日に男の子の成長を祝うとともに、健康を祈るようになっています。しかし、五節句のうちの端午の節句は、そもそもは子供の節句ではありませんでした。
端午の節句は「菖蒲(しょうぶ)の節句」ともいわれ、現代でも軒先に菖蒲や蓬(よもぎ)を吊るしたり、菖蒲の束をお風呂に浮かべた菖蒲湯に入る風習があります。
この「菖蒲」は、「尚武(=武道、武勇を重んじること)」と同じ読みです。また、菖蒲の葉は、刀を思い起こさせるような形をしています。この2つのことから、鎌倉時代の頃に、端午が男の子の節句とされるようになったのです。
典型的な祝い方としては、鎧(よろい)、兜(かぶと)、刀、武者人形(むしゃにんぎょう)、五月人形(ごがつにんぎょう=金太郎、牛若丸、弁慶等を模したもの)などを室内に飾り、鯉のぼりを庭先に立てます。
この鎧兜(よろいかぶと)には、男の子の身体を守るという意味合いが込められています。現在では、病気や交通事故などから子供を守ってくれますように、という願いを込めて飾ります。
ただし、広く一般に「鯉のぼり」が飾られるようになったのは江戸時代になってからのことで、しかも関東にしかみられない風習でした。
鯉のぼりの風習は中国の故事にちなんだもので、男の子の立身出世と健康を祈願してのものです。
他の国の「子供の日」
世界各国の子供の日をみると、6月1日としている国が多く、数十か国に及びます。
その他では、日付はそれぞれですが、4月と10月に子供の日を制定している国が多くみられます。
以外なのは、子供の日を特に設けていない国があることで、それらはアメリカ、イギリス、フランスなどです。
まとめ
- こどもの日は、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことを趣旨とする祝日です。
- こどもの日は、5月5日の端午の節句の行事に由来します。
- 鎧兜(よろいかぶと)は、男の子の身体を守るという意味合いを込めて飾られます。