小春日和の俳句 20選 -こはるびより-

秋の日が当たる木立

冬の初め頃でも、春のようにも思える暖かい陽気になることがあります。これは、小春日和(こはるびより)と呼ばれています。

この「小春日和」は俳句において冬の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。

このページには、小春日和が詠まれた俳句を多く集めました。冬の初めの穏やかな日の雰囲気に満ちた作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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季語の「小春日和」

「小春(こはる)」は旧暦の 10月の異称です。

ですから、「春」の文字が入っていますが「小春日和」は冬の季語となります。

「小春日」「小春」「小六月」なども、すべて冬の季語とされます。

 

 

小春日和の俳句 30選

小春日和が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

選んだ句は、有名俳人による俳句から厳選しています。

 

明日知らぬ 小春日和や 翁の忌

【作者】井上井月(いのうえ せいげつ)

【補足】翁(おきな)とは、年をとった男、または老人の敬称です。女性の場合は「媼(おうな)」となります。「翁の忌(おきなのき)」は、俳人・松尾芭蕉(まつお ばしょう)はの忌日・旧暦の 10月12日で、「翁忌(おきなき)」とも呼ばれます。

 

医師と居て 小春日和の みづすまし

【作者】飯田龍太(いいだ りゅうた)

【補足】みづすまし(水澄まし)はちいさな昆虫の名前で、「あめんぼ」「まいまい」と呼ばれることもあります。

 

石になる 阿國も小春日和かな

【作者】飴山 實(あめやま みのる)

【補足】阿國(おくに)は安土桃山時代から江戸時代前期にかけての女性で、「かぶき踊り」の創始者といわれています。「出雲の阿国」「出雲のお国」などと表記されます。

 

美しき 小春日和や 悲しき日

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

 

木蔭まで 小春日和に 包まれし

【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)

【補足】「木蔭」の読み方は「こかげ」です。

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小春日和 鯉の欠伸に つられけり

【作者】河野南畦(こうの なんけい)

【補足】「欠伸」の読み方は「あくび」です。

 

小春日和と 同音に言い 別れたり

【作者】金子兜太(かねこ とうた)

 

時雨忌が 小春日和に 終始せり

【作者】相生垣瓜人(あいおいがき かじん)

【補足】時雨忌(しぐれき)も前出の「翁の忌(おきなのき)」と同様に松尾芭蕉の忌日で、この他に「芭蕉忌(ばしょうき)」や「桃青忌(とうせいき)」ともいわれます。

 

静かなる 小春日和や 檜葉の揺れ

【作者】高浜年尾(たかはま としお)

【補足】檜葉(ヒバ)は樹木・翌檜(アスナロ)の変種で、「ヒノキアスナロ」という別名があります。

 

不忍も 上野も小春日和哉

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】不忍(しおのばず)、上野(うえの)は東京の地名です。句末の「哉(かな)」は詠嘆を表します。

上野・不忍池

 

捨てられし 仔猫に小春日和かな

【作者】飯田龍太

【補足】「仔猫」の読み方は「こねこ(=子猫)」です。

 

挿話めく 小春日和と いふがあり

【作者】相生垣瓜人

【補足】挿話(そうわ)とは、文章や話の途中に挟み込まれる短い話(=エピソード)のことをいいます。

 

玉の如き 小春日和を 授かりし

【作者】松本たかし(まつもと たかし)

【補足】「如き」の読み方は「ごとき」です。

 

汀女ゐる 小春日和の 熊本ヘ

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

【補足】中村汀女(なかむら ていじょ)は、大正時代から昭和末期にかけての女流俳人です、星野立子(ほしの たつこ)・橋本多佳子(はしもと たかこ)・三橋鷹女(みつはし たかじょ)とともに 四Tと呼ばれます。

 

どこよりも 小春日和の 墓地にぎやか

【作者】右城暮石(うしろ ぼせき)

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渚澄む 湖北の小春日和かな

【作者】右城暮石

【補足】湖北(こほく)は、滋賀の地域の名称です。

 

友逝きぬ 小春日和の 夜のしじま

【作者】松崎鉄之介(まつざき てつのすけ)

【補足】「逝きぬ」の読み方は「きぬ」です。

 

念力の ゆるみし小春日和かな

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

 

ふんだんに 小春日和を 賜はらむ

【作者】相生垣瓜人

【補足】「賜はらむ」の読み方は「たまわらむ」です。

 

繿縷を干す 小春日和や 鮫ヶ橋

【作者】正岡子規

【補足】襤褸(ぼろ)とは、きたならしい衣服や使い古した布のことです。鮫ケ橋(さめがはし)は東京・新宿の地名で、かつて架けられていた橋にもこの名前があります。

秋の紅葉

 

 


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