旧正月とは? 日本のものではない? 【2024年版】
あなたは「旧正月」というと何が思い浮かびますか?
私は、やはり中国の春節が真っ先に思いつきます。春節は有名な行事ですが、日本では休みではありませんし、特別なイベントも身の回りでは行われていません。
そうなると、日本において旧正月とは一体どのような意味を持っているのでしょうか。
このページでは、それを考えるために、まず旧正月がいろいろな国でどのように行われているのかをみていきましょう。
目次
旧正月とは? 2024年はいつ?
旧正月とは、旧暦による正月のことです。つまり、旧暦の 1月1日が旧正月の元日=旧元日になります。
この旧暦は、一般的に太陰暦(たいいんれき)と呼ばれるもので、月の満ち欠けを基準にした暦です。
そして、旧正月の日付も毎年異なり、2024年は 2月10日が旧正月の元日(旧元日)になります。
この日付は、1月20日~2月20日くらいの間を毎年移動しています。
旧暦は中国の暦、あるいはそれを基準にしたもので、アジア東部の多くの国で使用されていました。
現在では多くの国がグレゴリオ暦を採用していますが、正月を祝う場合は旧暦によるという国がほとんどです。
その例外ともいえるのが、新暦(グレゴリオ暦)でお正月をする日本です。
つまり、日本では旧正月が失われつつありますが、他の国では旧暦による正月が普通の「正月」なのです。
また、日本には小正月というものもありますが、これは旧正月とはまったく別のものです。
【参考】 小正月とは?
それでは、日本をはじめとした東アジアの国々、地域のお正月をみていきましょう。
日本の旧正月
現在の日本で旧正月が引き継がれているのは、沖縄と南西諸島くらいしかありません。
その他の地域では、1950年代までは旧正月の行事が行われていたといわれていますが、一部の神社やお寺の行事を除いてはみられなくなりました。
むしろ、国内の中華街での正月祝いやインバウンド消費のニュースなどで旧正月を意識しているのではないでしょうか。
中国の旧正月
中国の旧正月は春節(しゅんせつ)で、中国のみならず中華圏では最も重要な祝日として位置づけられています。
日本でいう大晦日のことを除夕、大年三十などどいいます。
除夕は、日本の「除夜」に通じるものがあります。
香港の旧正月
香港でも、一年のうちで最大の行事が旧正月です。
世界三大夜景の一つ・ビクトリア・ハーバーでの花火は特に有名です。
台湾の旧正月
台湾では、色とりどりの提灯(ちょうちん)で旧正月を祝う光景が多く見られます。
韓国の旧正月
韓国の旧正月はソルラル、ソル、クジョンと呼ばれます。
ソルラルは、元旦を意味する言葉です。
ベトナムの旧正月
ベトナムの旧正月はテト、テトグェンダンと呼ばれます。
なお、ベトナムと日本は中国標準時を使用していないので、時差の関係から、旧正月が他の国と違う日になることがあります。
タイの旧正月
タイの旧正月はソンクラーンと呼ばれ、現在は 4月13日~15日に固定された祝日になっています。
この時期が一年で一番暑いため、水をかけ合うお祭りが行われています。
タイでは1940年にゴレゴリオ暦が導入されていて、1月1日が元旦となります。
ミャンマーの旧正月
ミャンマーの旧正月はシンジャン、ティンジャン、ダジャンと呼ばれ、4月になります。
この国でも、タイのように水かけ祭りが行われます。
モンゴルの旧正月
モンゴルのお正月はツァガーンサルと呼ばれ、この言葉は「白い月」を意味しています。
モンゴルの暦は中国暦と別系統のものなので、年初が他の国と違うことが多くなります。
シンガポールの旧正月
シンガポールの旧正月も、中国の春節の日付と同じです。
まとめ
- 旧正月とは、旧暦による正月のことをいいます。
- 日本では、沖縄と南西諸島で旧正月の行事が受け継がれています。
- 中国を筆頭に、東アジアの国、地域では旧正月がとても重要な祝日とされています。