「流れ星」「流星」の俳句 30選　－ながれぼし、りゅうせい－

流れ星を目にする機会は滅多にありませんが、見かけることができたときには感動すら覚えます。

そして、「流れ星」「流星」は俳句において秋の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。

このページには、「流れ星」「流星」が詠まれた俳句を多く集めました。尾を引いて消えてゆく流れ星が目に浮かんでくるような作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

「流れ星」「流星」の俳句 30選

「流れ星」「流星」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

なお、「夜這星(よばいぼし：流れ星の異称)」「星飛ぶ」も同趣向の季語です。　

一瞬の　糸となりゐて　流れ星

【作者】稲畑廣太郎(いなはた こうたろう)

大空の　清艶にして　流れ星

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

【補足】清艶(せいえん)とは、清らかであでやかな様子を表現する言葉です。

帰らざる　山の子呼べば　流れ星

【作者】福田蓼汀(ふくだ りょうてい)

高原の　流星しきり　なる夜かな

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

ここの空は　低くまろしと　流れ星

【作者】中村草田男(なかむら くさたお)

【補足】「まろし(円し、丸し＝まろいの文語表現)」は「まるい」の意です。

盃に　映し流星　飲むべしや

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

山荘に　流星の空　ありにけり

【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)

七面山　かみ・しも・なかと　流れ星

【作者】松崎鉄之介(まつざき てつのすけ)

【補足】七面山(しちめんさん)は、山梨にある山の名前です。

煙草火を　ともすや赤き　流れ星

【作者】松崎鉄之介

地の力　充つ流星を　容れしより

【読み】ちのちから　みつりゅうせいを　いれしより

【作者】柴田白葉女(しばた はくようじょ)

旅情かも　更けし湖上の　流れ星

【作者】及川 貞(おいかわ てい)

流れ星　こぼれ蜆の　子とつぶやく

【作者】加藤楸邨(かとう しゅうそん)

【補足】「蜆」の読み方は「しじみ」です。

流れ星　高天ケ原を　とびにける

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

流れ星　われのみが見し　まさしくも

【作者】及川 貞

流れ星　我れのみに見え　消えにけり

【作者】高木晴子(たかぎ はるこ)

流れ星　われより飛びし　ごとくなり

【作者】平井照敏(ひらい しょうびん)

初秋や　合歡の葉ごしの　流れ星

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】合歓(ねむ)は、マメ科の落葉高木です。

ふるさとの　空流れ星　流れ星

【作者】鈴木真砂女(すずき まさじょ)

ふるさとも　もの傾きて　流れ星

【作者】中村草田男

窓の外に　燃え果てざりし　流れ星

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

流星と　いふ名のために　夜は存す

【作者】加藤秋邨

流星に　思はずも襟　かき合せ

【作者】星野立子

【補足】「襟」の読み方は「えり」です。

流星に　秘めごとならぬ　願ひごと

【作者】稲畑汀子

流星の　尾の消ゆるさま　目に残る

【作者】高浜年尾(たかはま としお)

流星の　尾のさだかなる　ときのあり

【作者】高浜年尾

流星の　そこからそこへ　楽しきかな

【作者】永田耕衣(ながた こうい)

流星の　ため暗闇を　大切に

【作者】右城暮石(うしろ ぼせき)

流星の　俄に太し　月の空

【作者】五十嵐播水(いがらし ばんすい)

【補足】「俄に」の読み方は「にわかに」です。

流星の　針のこぼるる　ごとくにも

【作者】山口青邨

流星を　暫く見ねば　布團重し

【作者】永田耕衣

【補足】「暫く」の読み方は「しばらく」です。「布團」の読み方は「ふとん」で、「團」は「団」の旧字体です。

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