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五月雨の俳句 20選 -さみだれ-

池に降る雨

五月雨(さみだれ)という言葉には、とても風情を感じさせるものがあります。そして、和歌、短歌、俳句に多く詠み込まれてきました。

このページでは、そのような「五月雨の俳句」といえるようなものを集めまてみました。同じ五月雨を詠んだ俳句でも、作者によって様々な表現がみられますので、是非ともこれらを鑑賞してみて下さい。

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五月雨の俳句について

五月雨を詠んだ俳句としては、次の 2句が特に有名です。

さみだれを 集てはやし 最上川

(松尾芭蕉 「奥のほそ道」)

さみだれや 大河を前に 家二軒

(与謝蕪村 「蕪村句集」)

特に芭蕉の句は広く知られていて評価も高いのですが、正岡子規(まさおか しき)は後者を「蕪村の句またこれに劣らず」と評しています。

なお、俳句の季語の季節感は旧暦によるものであり、「五月雨」はの季語です。

⇒ 五月雨の意味は?

また、梅雨(つゆ)の俳句は次のページに集めましたので、よろしければご覧になってみて下さい。

⇒ 梅雨の俳句 20選

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五月雨の俳句 20選

 

あひふれし 五月雨傘の 重かりし

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

 

 

うきくさも 沈むばかりよ 五月雨

【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

【補足】最後の「五月雨」は、5音で「さつきあめ」と読みたいですね。

 

 

さみだれて 苔蒸すほどの 樒かな

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

【補足】(しきみ)は仏事で使用される植物で、シキビ、ハナノキなどとも呼ばれます。 毒性があり、「しきみの実」は『毒物及び劇物取締法』によって劇物に指定されています。

 

 

五月雨に 御物遠や 月の顔

【作者】松尾芭蕉(まつお ばしょう)

【補足】御物遠(おんものどお)とは「ご無沙汰(ごぶさた)」と同じ意味です。

 

 

五月雨に ざくざく歩く 烏哉

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

【補足】「烏」の読みは「からす」です。「ざくざく」の使い方に一茶らしさを感じます。

烏

 

 

五月雨に ぬれ細りたる 雀かな

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

 

 

さみだれに 持ちあつかふや 蛇目傘

【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)

【補足】蛇目傘(じゃのめがさ)とは、蛇の目を模した太い輪の図形(=蛇の目模様)が描かれた雨傘のことで、単に「蛇の目」ともいいます。

 

 

さみだれの あまだればかり 浮御堂

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

【補足】浮御堂(うきみどう)は琵琶湖畔の満月寺(まんげつじ)の仏堂で、湖上に突き出ています。松尾芭蕉もここを訪れたといわれています。

 

 

五月雨の ひびきばかりや 古山家(やまが、さんか)

【作者】原 石鼎

【補足】「山家(やまが、さんか)」とは、「山の中にある家、山里の家、山村」などをいいます。

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五月雨や 起き上りたる 根無草

【作者】村上鬼城(むらかみ きじょう)

【補足】根無草(ねなしぐさ)とは、土の中に根を張らないで水に浮いている草(=浮き草)のことをいいます。

 

 

五月雨や 桶の輪きるる 夜の声

【作者】松尾芭蕉

【補足】桶(おけ)の輪とは、桶の周りにはめる竹などで作った輪のことで、「箍(たが)」ともいいます。

 

 

五月雨や 鏡曇りて 恨めしき

【作者】夏目漱石

 

 

さみだれや 肩など叩く 火吹竹

【作者】小林一茶

【補足】火吹竹(ひふきだけ)は火を吹きおこすときに使うもので、竹筒の一端の節(ふし)を残して小さな穴を明けたものです。室町時代の末期には使われ始めました。

 

 

五月雨や けふも上野を 見てくらす

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】子規は次の句も詠んでいます。

五月雨や 上野の山も 見あきたり

上野の弁天堂

 

 

五月雨や 少し抱かれて 睡りし子

【作者】中村汀女

【補足】「睡り」の読みは「ねむり」です。

 

 

五月雨や 炭俵積む 深廂

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【補足】「廂」の読みは「ひさし(=庇)」です。

 

 

さみだれや 名もなき川の おそろしき

【作者】与謝蕪村

 

 

五月雨や 桃の葉寒き 風の色

【作者】椎本才麿(しいのもと さいまろ)

 

 

短夜の うらみもどすや 五月雨

【作者】加賀千代女(かがの ちよじょ)

【補足】短夜(みじかよ)は、特に夏の短い夜のことをいいます。

 

 

湖の 水まさりけり 五月雨

【作者】向井去来(むかい きょらい)

【補足】「まさる」は「(水)量が増える、多くなる」という意味です。

 

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