梅雨の俳句 40選 -入梅-

雨に濡れる緑の葉

梅雨(つゆ)の時期に空模様を見ていると、どうしても気分まで湿りがちになります。

雨の中を出かけるのもおっくうになり、家で過ごすことも多くなってしまいます。しかし、そのようなときにこそ俳句を鑑賞したり創作したりすると、梅雨を楽しむことができるかもしれません。

このページには、「梅雨の俳句」といえるような作品を集めました。梅雨の時期に美しいもの、梅雨の日々の過ごし方などが詠まれた、梅雨の雰囲気に満ちあふれたものばかりですので、是非とも鑑賞してみて下さい。

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目次

梅雨の俳句について

雨に濡れる紫陽花の花

 前半に「梅雨の月」「梅雨の入り」「梅雨寒」などの梅雨に関する季語が詠み込まれた俳句を、後半には「入梅」が詠み込まれたものを集めて、先頭の文字の五十音順に並べました。

なお、次のページには「五月雨」の句を集めましたので、よろしければご覧になってみてください。

【関連】 五月雨の俳句 20選

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梅雨の俳句

 

明らみて 一方暗し 梅雨の空

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

【補足】「明らむ」とは、明け方になり空が明るくなることをいいます。

 

黄色とて かくまで黄なる 梅雨の月

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

【補足】「かくまで(斯く迄)」は「これほどまで」の意です。

 

気まぐれ梅雨 降ってきたかと 取り込みもの

【作者】高澤良一(たかざわ よしかず)

 

樹も草も しづかにて梅雨 はじまりぬ

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

 

咲きのぼり 梅雨晴るる日の 花葵

【作者】松本たかし

【補足】花葵(はなあおい)はアオイ科の多年草「タチアオイ(立葵)」の別名です。

タチアオイの花

 

睡蓮の 池まづ梅雨に 入りにけり

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

【補足】「睡蓮」の読みは「すいれん」で、蓮とよく似ていますが「立ち葉(水面から立ち上がる葉)」はありません。

 

裁ち縫ひの 傍に置く子や 梅雨の入り

【作者】長谷川かな女

【補足】裁ち縫ひ(たちぬい)とは、裁縫(さいほう=針仕事)のことです。「傍」の読みは「そば」で、「近く」の意です。

 

梅雨雲の うぐひす鳴けり こゑひそか

【作者】水原秋櫻子(みずはら しゅうおうし)

 

梅雨ぐもり 写経の硯 洗ひけり

【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)

【補足】「硯」の読みは「すずり」です。

 

梅雨籠り して常のことを 常のごと

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

【補足】「梅雨籠り」の読みは「つゆごもり」で、梅雨の長雨の時期に家にこもることをいいます。

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梅雨寒や 尼の肋骨 数うべう

【作者】前田普羅(まえだ ふら) 

【補足】「梅雨寒」の読みは「つゆさむ」です。

 

梅雨の海 静かに岩を ぬらしけり

【作者】前田普羅

 

梅雨の傘 かたげしうしろ すがたかな

【作者】久保田万太郎

【補足】「かたげる(傾げる)」は「かたむける、かしげる」の意です。

 

梅雨晴れや 蜩鳴くと 書く日記

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】「蜩」の読みは「ひぐらし」で、セミの一種です。

 

二階より 顔出せば梅雨 はじまれり

【作者】千代田葛彦(ちよだ くずひこ)

竹林

 

梅天や 筍竹に ならんとす

【作者】原 石鼎

【補足】「梅天」の読みは「ばいてん」で、梅雨どきの空のことです。「筍」の読みは「たけのこ」です。

 

葉がくれて 見ゆる白さや 梅雨の月

【作者】原 石鼎

【補足】「葉隠る(はがくる)」とは「葉の陰(かげ)に隠(かく)れる」ことをいいます。

 

人の香の 人を包めり 梅雨暗し

【作者】松本たかし

 

ひとりゐて 梅雨をたのしむ 思ひあり

【作者】高橋淡路女

 

ふところに 乳房ある憂さ 梅雨ながき

【作者】桂 信子(かつら のぶこ)

【補足】憂さ(うさ)は、「つらさ」や「せつなさ」などと同義の言葉です。

 

降る音や 耳もすう成る 梅の雨

【作者】松尾芭蕉(まつお ばしょう)

【補足】一般的に、「すう」は「酸う」で「耳も酸っぱくなる」(梅の実の酸味とかけたもの)と解釈されています。

 

 

入梅の俳句

白い紫陽花の花

 

入梅が 先か湧きくる 蚊が先か

【作者】高澤良一

 

入梅と 云ふなり模糊と してをれり

【作者】相生垣瓜人(あいおいがき かじん)

【補足】模糊(もこ)とは、ぼんやりとしている様子を表現する言葉です。

 

入梅と 云ふ悪例が 世にはあり

【作者】相生垣瓜人

 

入梅と 云ふ日の雨に 先づ厭きぬ

【作者】相生垣瓜人

【補足】「厭きぬ」の読み方は「きぬ」です。

 

入梅の 強火に鰍 焼かれけり

【作者】宮武寒々(みやたけ かんかん)

【補足】「鰍」の読み方は「かじか(=魚の名前)」です。

 

入梅の 握りてぬくき 銭を受く

【作者】宮武寒々

 

入梅も 暦のそれに 従はむ

【作者】相生垣瓜人

 

入梅も 人智を以て 宣せらる

【作者】相生垣瓜人

【補足】「以て」の読み方は「もって」です。

 

入梅や 小沼古沼 手長蝦

【作者】野村喜舟(のむら きしゅう)

【補足】「手長蝦」の読み方は「てながえび」です。

 

入梅や 蟹かけ歩く 大座敷

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

 

入梅や 刈らずにありて 葉山吹

【作者】楠目橙黄子(くすめ とうこうし)

 

入梅や 手拭かぶる 新内儀

【作者】正岡子規

 

入梅や 富山の薬 壁に掛け

【作者】野村喜舟

 

入梅や 墓さむげなる 竹のつゆ

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

 

入梅や 発禁句集 未だ成らず

【作者】三橋敏雄(みつはし としお)

 

入梅や 紫かけし 青紫陽花

【作者】鈴木花蓑(すずき はなみの)

 

入梅を 市販の暦 明記せり

【作者】相生垣瓜人

 

入梅を 告ぐオムレツの 黄なる朝

【作者】山田弘子(やまだ ひろこ)

【補足】「告ぐ」の読み方は「ぐ(=知らせるの意)」です。

 

入梅を 転機と木々も なす如し

【作者】相生垣瓜人

【補足】「如し」の読み方は「ごとし」です。

 

 


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⇒ 入梅とは?

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