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山茶花の俳句 70選 -さざんか- 

赤い山茶花の花と雪

山茶花は、秋の終わり頃から冬にかけて、赤・白・ピンク色などの美しい花で、私たちの目を楽しませてくれます。

また山茶花は、俳句においては冬の季語として多くの作品に詠み込まれてきました。

このページには、山茶花が詠まれた俳句を数多く集めてみました。これから本格的な冬を迎えようかという季節の情景が目に浮かぶような作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

山茶花の俳句 70選

ピンク色の山茶花の花

山茶花が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

なお、山茶花は冬の季語です。

 

一日に 一度は見上ぐ 山茶花を

【作者】細見綾子(ほそみ あやこ)

 

一瞬の 豪華山茶花 花吹雪

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

 

うぐひすの 山茶花くゞり ゐたりけり

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

 

垣越しに 山茶花散りし 小溝かな

【作者】寺田寅彦(てらだ とらひこ)

 

きさらぎや 山茶花寒き わすれ花

【作者】松岡青蘿(まつおか せいら)

【補足】きさらぎ(如月)は、旧暦 2月の異称です。わすれ花とは、本来の季節を過ぎて咲いた花のことです。

 

山茶花が 美しかりし 都府楼趾

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

【補足】都府楼趾(とふろうし、とふろうあと)は、福岡県太宰府市にある「大宰府政庁跡」のことです。

 

山茶花が 咲きつぎ散りつぎ あはれがる

【作者】細見綾子

 

山茶花に あかつき闇の ありにけり

【作者】久保田万太郎

【補足】あかつき闇(やみ)とは、明け方に月が出ておらず、あたりが暗いことをいいます。

 

山茶花に あるは霙の 降る日かな

【作者】河東碧梧桐(かわひがし へきごとう)

【補足】「霙」の読み方は「みぞれ」です。

 

山茶花に 雨待つこゝろ 小柴垣

【作者】泉 鏡花(いずみ きょうか)

【補足】小柴垣(こしばがき)とは、小さい(細い)柴で作った垣のことをいいます。

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山茶花に 板塀高き 小庭かな

【作者】会津八一(あいづ やいち)

 

山茶花に 筧ほそるる 日和かな

【作者】室生犀星(むろう さいせい)

【補足】筧(かけい)とは、水を引くための樋(とい)のことです。日和(ひより)は、天候や空模様を意味します。

 

山茶花に 影きせかけて 餘生感

【作者】古舘曹人(ふるたち そうじん)

【補足】「饇」は「余」の旧字体です。

 

山茶花に 口つぐみゐて 呼び鈴を

【作者】森 澄雄(もり すみお)

【補足】呼び鈴(よびりん)は、鳴らして人を呼ぶための鈴です。

 

山茶花に 煙這ひ居る 日中かな

【作者】内田百間(うちだ ひゃっけん)

【補足】日中(ひなか)とは、日のある間(=昼間)のことをいいます。

 

山茶花に 心おぼえし 西東

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

 

山茶花に 心惹るゝ やすらぎも

【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)

【補足】「惹るゝ」の読み方は「ひかるる」です。

 

山茶花に 此の熱燗の 恥かしき

【作者】】泉 鏡花

【補足】「熱燗」の読み方は「あつかん」です。

 

山茶花に 暫しの西日 とどめをり

【作者】上村占魚(うえむら せんぎょ)

【補足】「暫し」の読み方は「しばし(=少しの間)」です。

 

山茶花に 茶をはなれたる 茶人かな

【作者】立花北枝(たちばな ほくし)

【補足】茶人(ちゃじん)とは、茶道(さどう)に通じた人のことをいい、風流な人を意味することもあります。

手水者の山茶花

 

山茶花に 月の霰や そゞろなる

【作者】西島麦南(にしじま ばくなん)

【補足】「霰」の読み方は「あられ」です。

 

山茶花に 待ちたることも 済んでゆく

【作者】京極杞陽(きょうごく きよう)

 

山茶花に もたれし塀や 嵐あと

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

 

山茶花の 紅を逃げたる 冬日かな

【作者】阿部みどり女

 

山茶花の あるだけ寒し 松の庭

【作者】桜井梅室(さくらい ばいしつ)

 

山茶花の 一輪咲て 秋暮れぬ

【作者】正岡子規(まさおか しき)

 

山茶花の 貝の如くに 散りにけり

【作者】山口青邨

【補足】「如くに」の読み方は「ごとくに」です。

 

山茶花の 垣根に人を 尋ねけり

【作者】正岡子規

 

山茶花の 暮れゆきすでに 月夜なる

【作者】水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)

 

山茶花の ここを書斎と 定めたり

【作者】正岡子規

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山茶花の こぼれつぐなり 夜も見ゆ

【作者】加藤楸邨(かとう しゅうそん)

 

山茶花の 咲いてことしも 師走かな

【作者】久保田万太郎

【補足】師走(しわす)は、旧暦12月の異称です。

 

山茶花の 咲き継ぐのみの 庭となる

【作者】稲畑汀子

 

山茶花の 咲くより散りて あたらしき

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

 

山茶花の しぐるる花の みな平ら

【作者】皆吉爽雨(みなよし そうう)

 

山茶花の 芯あらはれて 曇りけり

【作者】阿部みどり女

 

山茶花の 散りしく月夜 つづきけり

【作者】山口青邨

 

山茶花の 散るさへ黒き 眼鏡越し

【作者】渡辺水巴(わたなべ すいは)

【補足】「眼鏡」の読み方は「めがね」です。

 

山茶花の 散るにまかせて 晴れ渡り

【作者】永井龍男(ながい たつお)

 

山茶花の 大輪旦暮 おだやかに

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

【補足】大輪(たいりん)とは、花の輪郭が普通より大きいこと、その大きな花のことをいいます。旦暮(たんぼ)とは、朝夕(あさゆう)のことです。穏やかな日射しの中の山茶花

 

山茶花の 莟こぼるる 寒さかな

【作者】芥川龍之介(あくたがわ りゅうのすけ)

【補足】「莟」の読み方は「つぼみ」です。

 

山茶花の 蕾そろひぬ 初時雨

【作者】山口青邨

【補足】「蕾」も「つぼみ」と読みます。

 

山茶花の 長き盛りの はじまりぬ

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

 

山茶花の 匂ふがごとく 散り敷ける

【作者】日野草城

 

山茶花の 花のこぼれに 掃きとゞむ

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

 

山茶花の 日の消えぎはを 母歩く

【作者】森 澄雄

 

山茶花の 日和に翳の あるごとく

【作者】西島麦南

【補足】「翳」の読み方は「かげ」です。

 

山茶花の まはりにこぼれ 盛かな

【作者】鈴木花蓑(すずき はなみの)

 

山茶花の みちのくびとに 媚びて咲く

【作者】山口青邨

【補足】「媚びて」の読み方は「びて」です。

 

山茶花の 落英銀の あぶみより

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

【補足】落英(らくえい)とは、落ちた花房(はなぶさ)のことです。あぶみ(鐙)は馬具の一種です。

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山茶花の をはりしほらし 春の雪

【作者】松岡青蘿

 

山茶花は 石の間に 吹き荒るる

【作者】横光利一(よこみつ りいち)

 

山茶花は 咲く花よりも 散つてゐる

【作者】細見綾子

 

山茶花や 子供遊ばす 芝の上

【作者】岡子規

 

山茶花を 雀のこぼす 日和哉

【作者】正岡子規

 

山茶花を 散らしに虻が 来てゐたり

【作者】永井龍男

【補足】「虻」の読み方は「あぶ」です。

 

山茶花を 椿ときくも 草枕

【作者】成田蒼虬(なりた そうきゅう)

【補足】草枕(くさまくら)は、旅寝することを意味します。

 

霜を掃き 山茶花を掃く 許りかな

【作者】高浜虚子

【補足】「許り」の読み方は「ばかり」です。

 

墨染の うすしとも見え 山茶花に

【作者】原 石鼎

 

咳込めば 山茶花の白 宙に舞ふ

【作者】中村苑子(なかむら そのこ)

【補足】「宙」の読み方は「そら、ちゅう」です。

白い山茶花の花と青空

 

ちりしきて ある山茶花に 日短き

【作者】右城暮石(うしろ ぼせき)

 

散るたびに 山茶花を水 はこびけり

【作者】平井照敏(ひらい しょうびん)

 

つくばいに 散る山茶花の 氷りけり

【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)

【補足】「つくばい」とは、手水鉢(ちょうずばち=手や顔を洗う水を入れた鉢)のことです。

 

二階から みて山茶花の さかりかな

【作者】久保田万太郎

 

薄氷や 山茶花散り込む 手水鉢

【作者】寺田寅彦

 

母の忌や 山茶花の白 つつましく

【作者】鈴木真砂女(すずき まさじょ)

【補足】忌(き)とは、人が死んだあと一定の期間慎むこと、または命日(めいにち)のことです。

 

冷かや 山茶花こぼる 庭の石

【作者】室生犀星

 

ひそかにも 山茶花は世の 音に馴れ

【作者】飯田龍太(いいだ りゅうた)

【補足】「馴れ」の読み方は「れ」です。

 

ふと咲けば 山茶花の散り はじめかな

【作者】平井照敏

 

塀のそとに 山茶花ちりぬ 冬の町

【作者】長谷川かな女

 

 


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