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清明の俳句 20選 -せいめい- 【有名俳人の名作から厳選】

草原に立つ一本の木

4月の初め頃には、二十四節気の一つである「清明(せいめい)」があります。

この「清明」は俳句の季語でもあり、多くの俳句作品に詠まれています。

このページには、清明が詠み込まれた俳句を、有名俳人の作品から選びました。春らしい清々しい雰囲気に満ちたものばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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清明の俳句 20選

クローバーの葉

「清明」「清明節」が詠まれた句を集め、俳句の文字の五十音順に並べました。

なお、これらは俳句において春の季語として扱われます。

 【関連ページ】 二十四節気とは?  清明とは?

 

 

黒文字植え 清明の水 遣りにけり

【作者】高澤良一(たかざわ よしかず)

【補足】黒文字(くろもじ)は、クスノキ科の落葉低木です。「遣りにけり」の読み方は「りにけり」です。

 

校門へ 清明の日の 坂長し

【作者】皆川白陀(みながわ はくだ)

 

挿木して 清明の日の 風呂焚けり

【作者】皆川白陀

【補足】挿木(さしき)とは、植物の枝や茎などを地中にさして根を出させることです。「焚けり」の読み方は「けり」です。

 

清明節 斥鹵の中に 人集ふ

【作者】松崎鉄之介(まつざき てつのすけ)

【補足】斥鹵(せきろ)とは、塩気を含んでいて作物ができない土地のことをいいます。

 

清明節の 朝しめりよし 芋を植う

【作者】西山泊雲(にしやま はくうん)

【補足】朝しめりとは、朝に露などで物が湿ったり濡れていることをいいます。

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清明に 梅開かんと しつつあり

【作者】深川正一郎(ふかがわ しょういちろう)

 

清明の 風きらきらと 一里塚

【作者】甘田正翠(かんだ せいすい)

【補足】一里塚(いちりづか)とは、全国の諸街道に一里(=約 3.9km)ごとに土を盛って松や榎(えのき)などの樹木を植えて、道のりの目標としたものです。

 

清明の 琴鳴り花火 天に爆づ

【作者】岸 風三楼(きし ふうさんろう)

【補足】「爆づ(はづ)」は「はじける」という意味です。

 

清明の 水泊梁山 姑娘伴れ

【作者】松崎鉄之介

【補足】水泊梁山(すいはくりょうざん)は中国・山東省の景勝地で、小説『水滸伝(すいこでん)』の舞台になっています。姑娘(クーニャン:中国語)は娘・若い女性を意味します。「伴れ」の読み方は「れ」です。

 

清明の 月の遊びは 何もせず

【作者】平井照敏(ひらい しょうびん)

夜空の月

 

清明の 波打ちのべし 上総かな

【作者】大嶽青児(おおたけ せいじ)

【補足】上総(かずさ)は地名で(現在の千葉の中央部)、古くには「かみつふさ」と呼ばれていましたが、後に「かづさ」へと変化しました。

 

清明の 紛々の雨 先づ聴かむ

【作者】相生垣瓜人(あいおいがき かじん)

【補足】紛々(ふんぷん)とは、入り乱れる様子を表現する言葉です。「先ず」の読み方は「ず」です。

 

清明の 水菜歯ごたへ よかりけり

【作者】鈴木真砂女(すずき まさごじょ)

【補足】水菜(みずな)はアブラナ科の越年草で、京菜(きょうな)と呼ばれることもあります。若い茎は食用とされています。

 

清明の 路ゆく媼が 念珠かな

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

【補足】「路」の読み方は「みち」です。(おうな)とは、年をとった女性のことで、男性の場合は「翁(おきな)」といいます。念珠(ねんじゅ)とは「じゅず(珠数)」のことです。

 

清明や 伊勢太神楽 磯伝ひ

【作者】安住 敦(あずみ あつし)

【補足】伊勢太神楽(いせだいかぐら)とは、獅子舞を舞いながら諸国を巡る神楽師のことをいいます。

 

清明や 街道の松 高く立つ

【作者】桂 信子(かつら のぶこ)

立ち並ぶ松の木

 

清明や 神域よりの 流れ水

【作者】下村 宏(しもむら ひろし)

【補足】神域(しんいき)とは、神社の境内(けいだい)などを意味します。

 

清明や 翠微に岐る 駅路

【作者】松瀬青々(まつせ せいせい)

【補足】翠微(すいび)とは、薄い緑色の意です。「岐る」「駅路」の読み方は、それぞれ「わかる、わかれる」「うまやみち、うまやじ」です。

 

鳥ゐるや 清明節の つちくれに

【作者】吉岡 禅寺洞(よしおか ぜんじどう)

【補足】「つちくれ(土塊)」は「土のかたまり」という意味です。

 

一つ葉や 清明の滝 懸りたる

【作者】 阿波野青畝(あわの せいほ)

【補足】一つ葉(ヒトツバ)は、羊歯植物(しだしょくぶつ)の一種です。

高千穂峡の滝

 

 


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