小満の俳句 -しょうまん-
5月の後半には、二十四節気の一つの「小満(しょうまん)」があります。
この小満は、俳句においては夏の季語であり、俳句作品にも詠み込まれています。
このページには、小満が詠み込まれた俳句を集めました。草木や花々などが生き生きとしてくる頃の雰囲気を、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。
目次
小満の俳句
小満と いふころ友の 誕生日
【作者】大橋敦子(おおはし あつこ)
小満の 妹山背山 睦みあふ
【作者】神蔵 器(かみくら うつわ)
【補足】一対の山のうち、女性・妻に見立てた方の山を妹山(いもやま)、男性・夫に見たてた山を背山(せやま)といいます。「睦みあふ」の読み方は「むつみあう」です。
小満の 風を青しと 遊びけり
【作者】草間時彦(くさま ときひこ)
小満の 月へ開けおく 納屋の窓
【作者】黛 執(まゆずみ しゅう)
【補足】「開け」の読み方は「あけ」です。納屋(なや)とは、物置小屋のことです。
小満の 人影ふゆる 田に畑に
【作者】太田 嗟(おおた ああ)
小満の 佛花あれこれ 見つくらふ
【作者】伊藤白潮(いとう はくちょう)
【補足】佛花(ぶっか=仏花)とは、仏前に供える花のことをいいます。
小満の まるき柱を 抱きをり
【作者】柿本多映(かきもと たえ)
【補足】「抱き」の読み方は「いだき」です。
小満の みるみる涙 湧く子かな
【作者】山西雅子(やまにし まさこ)
【補足】「湧く」の読み方は「わく」です。
小満の 身を大いなる 樹下に容れ
【作者】池田秀水(いけだ しゅうすい)
【補足】「容れ」の読み方は「いれ」です。
小満や 父子のたつき 食ひちがひ
【作者】伊藤白潮
【補足】たつき(方便:たずき)とは、生活の手段のことをいいます。「父子」の読み方は「おやこ、ふし」です。
小満や 川うごかして 手を洗ふ
【作者】鳥居おさむ(とりい おさむ)
小満や 旅で借りたる 自転車に
【作者】能村研三(のむら けんぞう)
小満や 母に八十二歳の日
【作者】平間眞木子(ひらま まきこ)
小満や みどりさしたる 寺の屋根
【作者】森澄雄(もり すみお)
山葵田の 小満の水 余りけり
【作者】鈴木しげを
【補足】「山葵田」の読み方は「わさびだ」です。
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