天皇誕生日が変わると、祝日はどうなる?
天皇誕生日は国民の祝日で、平成時代は 12月23日です。この日には、一般参賀(さんが)や伊勢神宮などの天長祭(てんちょうさい)のニュースを目にします。
12月23日は、クリスマスイブイブと呼ばれたりもしますが、本当にありがたい祝日です。なぜなら、それまでに買いそびれていたクリスマスプレゼントを買いに行ったり、クリスマスカードを書いたりできるからです。
では、この天皇誕生日の祝日が変わることはあるのでしょうか。つまり、遠い将来には祝日でなくなったり、名前が変わったりすることはあるのでしょうか。
まずは、天皇誕生日の由来からみていきましょう。
天皇誕生日の由来は?
天皇誕生日は、今上天皇(きんじょうてんのう=在位中の天皇)の誕生日を祝う日です。
この「天皇誕生日」という名称は比較的新しいもので、昭和23年(1948年)までは「天長節(てんちょうせつ)」と呼ばれていました。
「天長節」は夏目漱石の小説などによく出てきますが、現代ではあまり使う人がいなくなりました。
天皇陛下の「天長節」に対し、皇后様の誕生日は「地久節(ちきゅうせつ)」と呼ばれます。これたは「天地長久(てんちちょうきゅう=ものごとがいつまでも変わらずに続くこと)」という言葉から名づけられました。
それでは、天長節にはどのような由来があるのでしょうか。確認していきましょう。
天長節の由来は?
天長節の歴史は、かなり古い時代からのものです。
お隣りの国・中国の唐時代に、玄宗皇帝(げんそうこうてい)の誕生日を「天長節」として祝ったという記録が残っています。玄宗皇帝(在位 712 ~ 756 年)は、楊貴妃(ようきひ)で有名です。
そして日本では、奈良時代の775年に光仁天皇(こうにんてんのう)の天長節を祝ったという記述が残っています。
ですから、天長節は中国から伝わったものが日本でも行われるようになり、後々まで続いているわけです。
そして、天長節が「天皇誕生日」という名称になったのは、昭和24年(1949年)以降のことです。
それでは次に、天長節・天皇誕生日と祝日の関係をみていきましょう。
天皇誕生日が変わると?
天長節が祝日となったのは、明治以降のことです。
なお、祝日についてはこちらをご覧ください。
関連ページ:祝日と祭日の違い
まず、表をご覧ください。
天皇 | 誕生日 | 法で規定 された祝日 |
名称変更1 | 名称変更2 |
明治 | 9/22 | 11/ 3 | 明治節 | 文化の日 |
大正 | 8/31 |
8/31 10/31 * |
- | - |
昭和 | 4/29 | 4/29 | 昭和の日 | みどりの日 |
平成 | 12/23 | 12/23 |
* 大正天皇の場合は、誕生日の 8月31日と、実際に行事が行われる 10月31日の両方が祝日でした。
このように、在位中の天皇の誕生日に合わせて祝日が変わります。これは、多くの外国の国王誕生日と同じです。
そして、大正天皇の誕生日は、現在は平日になっていますが、祝日日数は減少していません。
これらのことから、『今後天皇の皇位継承があった場合、先帝の誕生日は名称変更のうえ祝日として存続する』ことになると私は考えています。
天皇誕生日を英語で言うと?
ひとつ気になっていたことがあったので、調べてみました。
天皇誕生日は英語で「the Emperor’s Birthday」といいます。
日本国天皇であれば「Emperor of Japan」です。
ただし、「Tenno」や「Mikado」が使われることもあります。
まとめ
- 「天皇誕生日」は昭和24年(1949年)以降に用いられるようになった名称で、以前には「天長節」と呼ばれていました。
- 天長節は中国から伝わったものです。
- 明治以降、天皇の誕生日の変更があっても、祝日日数は減少していません。
- 「the Emperor’s Birthday」が天皇誕生日の英訳です。